ライター
Ayano 旅する女将

外資系CAとして10年間勤務した後、東京の離島、神津島で宿「みんなの別荘ファミリア」をオープンし、奮闘中。 18歳で初めて一人で海外へ行ったのを皮切りに、留学、インターン、世界一周、航空業界と人生が旅に染まっていき、旅人を迎える側になった今でも旅に出るのはやめられない。家族からつけられたあだ名は"飛んでるねぇちゃん"。LAとマカオに居住経験あり。

留学して1年も経過したので、英語力にもそこそこ自信はありました。でも、そこへ待ち受けていたのは楽しいことばかりではありませんでした。

これまでは、友達と話すだけ、授業を聞くだけという「英語」。今、わたしが向き合っているのは、接客をする「英語」であり、働くために使う「英語」であることに気付かされます。

例えば、フロントに来るお客様の中には、困りごとや質問があっていらっしゃる方もいます。すると、わたしと話す前に、お客様の頭の中で質問文ができあがっているため、かなり早口になります。

”聞き取れない…”それに、”答えがわからない…”

”すみません、少々お待ち下さい…”そう言ってバックヤードからマネージャーを呼んで対応してもらおうとする日々…ついにはお客様から、

”え?また説明しなきゃならないの?さっきこの子に言ったじゃないか” そんな風に言われてしまうこともありました。

そんな時こそ絶対マネージャーの側を離れず、同じ質問が来たら、今度は一人で対応できるように必死に聞き取り、メモしたりして、仕事の内容や、接客に使うべき英語の表現を覚えていきました。

 

どんな小さな仕事もお客様の心を惹きつけること

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とはいえ、一緒にフロントに立つ社員の方々は本当にいい人でした。日本とは違い、ファーストネームで呼び合うことも距離を縮める近道だったかもしれません。

”すごいね!もう覚えたの?じゃあ今度お客様が来たら、チェックイン任せちゃうね!”

これも海外特有かもしれませんが、すぐ褒めてくれるのも、やる気につながっていました。メモを取ったり、新しいことを率先して覚えたり、少しずつできることが増えるのも楽しかったです。

そうはいっても、できないことの多いわたしは、バックヤードで働いたり、お掃除をしたりすることもありました。その中のひとつが、フロントデスクに並ぶりんごを磨くことでした。

ある日、いつものようにりんごを磨いて入ると、フロントデスクの仲間の一人から声をかけられました。

”君がりんごを磨いてたのか!お客様がね、このりんごはピッカピカで美味しそうね。って喜んでもっていったんだよ”

 

そこでわたしは気づきました。フロントに立つだけがホテルマンの仕事ではないのだ、どんなに小さくて、目立たないことでも、すべてはお客様の喜びや、快適さにつながっているのだと。

 

思いがけないご褒美

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インターンシップは無給でしたので、交通費や食費を考えると費用的にはマイナスでした。それでも、これから社会に出て行く上で、しかも、英語を使って仕事をしようとしているわたしにとっては掛け替えのない経験となったので、大満足でした。

インターン終了も近づいてきたある日、母が日本から遊びに来ることをマネージャーと話していると、こんなプレゼントをくれました。

”お母様、ここに泊めてあげたら?社員割引使っていいわよ!”

なんと、1部屋1泊180ドルもするマリオットホテルに50ドルで泊めてもいいというのです。これには母も大喜びでした。(ちょっとは親孝行できたかな…?)

それだけではありませんでした。

当たり前のように差し出されたのは、マリオットホテルのロゴつきのRecomendation Letter(推薦状)でした。そこには、わたしがどのような仕事をしたか、一生懸命取り組んでいたことなどが書かれていました。

”ビザの問題がなければ、このまま働いて欲しいわ”

そんな言葉までいただきました。こんなご褒美、全然期待していなかったのに。

 

世界を舞台に働くために必要なこと

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きっかけは、ただ「帰りたくないから」という甘い理由からでしたが、わたしは、このインターンシップというチャンスをつかみ、新しい力を身につけられたと自信を持って言えます。

わたしがインターンシップを通して学んだ世界を舞台に働くために必要なこと。

やりたいと思ったら行動すること。
何がやりたいのか、どうしたいのか、きちんと主張すること。
失敗しても、次の成長のための努力を惜しまないこと。
小さくて、目立たないことでも、一生懸命取り組むこと。
素直にご褒美を喜び、モチベーションへと変えること。

 

もちろんこれ以外にも重要なことはたくさんあるかもしれませんし、どんな仕事においても基本とも言えるかもしれません。

しかし、外資系企業で外国人と一緒に働く今も、わたしがインターンシップで学んだこれらことは生かされています。

海外インターンシップはあなたを世界のステージへとつなげてくれると、私は信じています。

ライター
Ayano 旅する女将

外資系CAとして10年間勤務した後、東京の離島、神津島で宿「みんなの別荘ファミリア」をオープンし、奮闘中。 18歳で初めて一人で海外へ行ったのを皮切りに、留学、インターン、世界一周、航空業界と人生が旅に染まっていき、旅人を迎える側になった今でも旅に出るのはやめられない。家族からつけられたあだ名は"飛んでるねぇちゃん"。LAとマカオに居住経験あり。

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