フィリピンの子供たち
ライター

1998年名古屋生まれ。現在は東京と名古屋の2拠点生活をしているフリーランスWebライター&マーケター&ディレクター。人、自然、音楽が好き。 旅を通してたくさんの人と価値観を共有し合い、ただいまを言える居場所を作ることがライフテーマ。

みなさんにとっての旅ってなんですか?

経験や出会い、思い出づくりなどいろいろな言葉に置き換えることができますが、私にとっての旅は、「ただいま」を言える居場所づくりです。

さまざまな人と出会い、その土地の食べ物を口にし文化に触れ、過ごす。

するとどうでしょう、帰る時には「行ってきます」と言いたくなるような、そんな場所へと変わっているのです。

ただいまと言うとおかえりと迎えてくれる、そんな温かい居場所に変わりました。

みなさんとこの価値観をもっともっと共有したいので、今回は私の頭の中をもう少し言語化してみようと思います。

私が旅をする理由

私が「ただいまを言える居場所づくり」となるような旅がしたいと考えるようになったきっかけの旅があります。

それは大学一年生の時に行った、2週間のフィリピン・マニラ旅。

シャワーは水。

さっきまで生きていた鶏を目の前で捌いて調理する。

街を歩けば物乞いをする子供たちで溢れている。

ゴミ山には今日を生きるために売れるものを探す家族が。

何かしてあげたいけど何もできないもどかしさで胸が苦しくなりました。

持続的な支援はできないけれど、私がマニラにいる間に子どもたちにとって少しでも有意義な時間を作れたらと思い、私はサッカー大会を開くことにしました。

みんなすごく楽しんでくれて「ありがとう」と、笑顔をたくさん見せてくれたんです。

そのなかで特に仲良くなった一人の男の子のお家に4日間ホームステイさせてもらえることになりました。

たくさん遊んであっという間に帰国。

ホームステイ先のお家を出る時、お母さんが「絶対にまたいらっしゃい。あなたも家族の一員なのよ」と言ってくれました。

帰りたいと思う場所があるって、帰っておいでと言ってくれる場があるって、なんて幸せなことなんだろう。

いつか絶対にただいまとマニラに帰ってこよう、そう思ったんです。

旅する理由が明確になった瞬間でした。

点が線になり、自分らしさをつくる


フィリピン・マニラ旅を終えてから、私は旅欲に火がつき、日本ヒッチハイクの旅や、東南アジアのバックパッカー旅、マレーシア留学などいろいろなことにチャレンジしました。

旅が私にくれた気づきはたくさんありました。

たくさんの人と関わることで価値観の共有ができた。

経験するとしないとでは世界の見え方が大きく変わることを知った。

でも、なかでも一番大きかった発見は、旅が私の明日を生きる希望となることでした。

ちょっと重たい話をしますが、私は社会人で鬱になったんです。

旅をするどころかちょっと家を出ることも気が重くてずっとベッドで天井を眺める日々。

なんで生きてるんだっけと自分に問いかける日々。

そんな期間が3-4ヶ月続いた時、友人がタイに行こうと誘ってくれました。

するとどうでしょう。旅をする前のワクワク、旅路のドキドキ。知らない人との出会い。言葉はわからなくても仲良くなれる不思議。

そのすべてが刺激的で、私は旅の楽しさを再確認したんです。

明日も生きたいという欲求が生まれてくるようになり、旅は私の鬱に終止符を打ってくれました。

もっと生きて、たくさんの人と出会いたい、価値観を共有したい、と思うようになりました。

いろんな場所で作った関係や記憶という点が線となり、私の一部になる。

この感覚がたまらないのです。

次の故郷を求めて


フリーランス一年生の私は、現在様々なところを旅しています。

その土地で生きる人と対話をし、その土地で育った食べ物を食べ、空気を感じる。

そうして時を過ごすことで、大好きな場所が増えていく。

旅は、誰かの居場所になる。

All photos by Hirano Yukana

ライター

1998年名古屋生まれ。現在は東京と名古屋の2拠点生活をしているフリーランスWebライター&マーケター&ディレクター。人、自然、音楽が好き。 旅を通してたくさんの人と価値観を共有し合い、ただいまを言える居場所を作ることがライフテーマ。

RELATED

関連記事