私は、彼に商品を買ってくれと話しかけられたのです。興味がないから、と断ると、彼はあっさりと承諾。むしろ、私をこれから向かう場所へと案内してくれました。
アフリカを知っている人なら分かりますが、大抵、この場合には、お金を要求(多かれ少なかれ)されます。私が、そのような文化を大事にし、小銭を渡そうとすると、きっぱりと「お金は要らない」と手を跳ね返されました。
あっけに取られる出来事でしたが、感動でもあります。「自分で決めたルールだから」と。大物だ、と心から思いました。
「お前の分はマヨネーズ付きだ」
photo by Shunya Ohira
国:リベリア
アフリカ西部、リベリア国境付近での話です。これを越えた後、どこも泊まる場所が無く途方に暮れていると、一人の男性が、「泊まるかい?」と声をかけてくれました。
泊まった場所は、お世辞にも奇麗とは言えず、むしろ、野宿に近い場所でした。夜になり、お腹が空いている私のために、焼きそばを買って来てくれたのです。(リベリアに焼きそば!!)
しかも、皆は食べず私の分にだけ贅沢であろうマヨネーズをかけてくれたのです。素手で食べました。今まで食べた中で一番美味い焼きそばでした。
「君はもう、私たちの家族だよ」
photo by Shunya Ohira
国:ラオス
東南アジアの、知る人ぞ知る自然豊かな国ラオスを旅した時の話です。自転車を借りて遠出したのですが、急に雲がなくなり、尋常ではない灼熱に。
周りに店などなく、ヨロヨロと自転車を手で押しながら歩いていると、ラオスの言葉で、何やら私に向かって声が飛んできました。
目をやると、そこには、一家団欒が。(ラオスでは、道路に面する形で、居間が丸見えなのは、よくある光景です)
大黒柱と思われるお父さんが満面の笑みで、私を招待してくれました。散々、水、(そしてビール!)もち米、焼き鳥のような食べ物、野菜炒めをご馳走になりました。
最後に、お金を払おうとすると「君はもう、私たちの家族だよ」と一言。この言葉は、お父さんの娘が英語を話すおかげで理解できました。
まとめ
旅行は、感謝の連続です。自分の力で生きていける、という確信のある人こそ、旅に出てみるのがいいでしょう。“助けを求めなければならない状況”は、人を成長させます。
シンプルに、人に感謝する心が養われるのです。「自分はまだまだだなぁ」と思えた時に、その旅に“成功”のスタンプを押せるのではないでしょうか。