こんにちは、TABIPPOの中 美砂希です。
海外に行けず、沖縄の離島にはまってしまった2020年。最南端の波照間島に行ったし、次は最西端に行ってみるか。そんな思いつきで決めた与那国島7日間の旅。
原付を借りて風を感じながら走る与那国島は、どんどんわたしの心を奪っていきました。そんな与那国島を、一周ぐるりとドライブをしているように楽しんでもらえたら嬉しいです。
与那国島までどうやっていく?
与那国島へは、那覇(一日1便)もしくは石垣島(一日3便)から飛行機が飛んでいます。石垣島からフェリーで(週2便)行くことも可能です。
photo by Misaki Naka
島一周は約27kmほどなので、原付でも十分。けれど、島の天気は変わりやすいので注意が必要です。集落は北部の祖納(そない)地区、南部の比川(ひがわ)地区、西部の久部良(くぶら)地区の3箇所があります。
台湾まで111キロの近さで、天候の条件が良い日には年に数回台湾が見えるとか。本当に最西端だ……。小さな与那国空港に到着したら、交通手段を確保していざ出発!
悲しい伝説が残る「ティンダバナ」
photo by Misaki Naka
祖納集落とナンタ浜がよく見渡せる「ティンダバナ」、ちょっと変わった名前ですよね。(7日滞在してやっと覚えた)
琉球石灰岩層からできていて、サンゴの隆起や侵食によって作られた地形は国の名勝に指定されています。この場所の湧き水は島の伝統行事で今も使用されていて、神聖な場所とされています。
photo by Yoshitaka Otani
ティンダバナにある「イヌガン」と呼ばれる岩。ここはある女性と犬が暮らしていた場所です。遭難した男性がこの場所に来て女性に一目惚れをし、犬を殺害して女性と結婚します。しかし、女性はあるきっかけで犬が埋葬されている場所を知り、そこで自らも命を絶ちます。人間よりも犬への愛を選んだ、切ない伝説が残っているのです。
photo by Misaki Naka
さらに、街を眺められるスポットに、宇良部岳(うらぶだけ)があります。山頂付近まで車で登ることができ、階段を進めばすぐに山頂へ。島の北側を眺望することができます。
この日はお天気が悪かったのですが、島にはこんなにも自然が多かったのか!と感動するほど。時間があればこちらもぜひ足を運んでみてください。
・名称:ティンダバナ(ティンダハナタ)
・住所:沖縄県八重山郡与那国町与那国
・アクセス:与那国空港より車で10分
・地図:
何時間でも眺めていられる「六畳ビーチ」
見渡す限りの大海原。断崖絶壁から眺める六畳ビーチの由来は、満潮時にビーチが六畳ほどの広さになるからだとか。
photo by Misaki Naka
透明度が高く、肉眼でも見える魚。ここは何時間でも眺めていられました。滞在中、何度来たことか!見る日によって海の色や波の穏やかさが違うので飽きません。
ビーチまで近づくためには、急な崖を降りる必要があります。動きやすい服と時間に余裕をもっていくことをおすすめします。
与那国島には、他にも四畳半ビーチ、三畳ビーチがあるので、こちらも巡ってみてくださいね。
・名称:六畳ビーチ
・住所:沖縄県八重山郡与那国町与那国
・地図:
ヨナグニウマがいる東崎(あがりざき)
photo by Misaki Naka
「ひがしざき」でも、「あずまざき」でもなく、「あがりざき」と読みます。与那国島といえば、ヨナグニウマの存在を忘れてはいけません。ヨナグニウマは、日本に8種残っている在来馬のひとつで、島の天然記念物に定められています。
2018年時点で島内には130頭ほどしか生息していないらしく、島でみかける馬が全てヨナグニウマというわけではなく、場所によっては雑種の馬も存在しています。
photo by Misaki Naka
ゆるやかな芝生と灯台、自由に生活する馬たち、青い海が全て揃っているこの場所は、与那国島を象徴するスポットかもしれません。
・名称:東崎展望台
・住所:沖縄県八重山郡与那国町与那国
・地図:
・アクセス:与那国空港より車で20分
ヨナグニウマに乗ってみる?
ヨナグニウマに乗れるの?と思った方、島には乗馬体験できる施設が数箇所あるので、ぜひ体験してみてください。
ただし、ヨナグニウマは小柄な馬のため体重70〜80キロまでの方、と注意事項があるので、体験する牧場のサイトで確認してくださいね。
わたしが参加したのは、「ちまんま広場」のミニトレッキングコースです。海岸沿いの道を1時間ほど散歩します。お世話になったのは、ベテランのシャナくん。
photo by Mariko Nishiyama
とってもおとなしいんです。馬は人間の気持ちを察しやすく、人間が緊張や不安を感じていると馬もナーバスになってしまうそうです。馬の視覚は広く、乗っている人の表情もみえるとか!
愛情表現もしっかりしてあげると喜びます。「シャナくん、いい子だね!」「えらいね!」と褒めてボディタッチもたくさんします。発進も停止もスピードアップもすぐに対応してくれるシャナくん、かしこい。
ヨナグニウマの特徴は、濃い茶色の髪質、小柄、蹄がしっかりしていること。与那国島でたくさん馬を見る機会がありますが、主にヨナグニウマが生息しているのは東崎、そして北牧場のあたり。南牧場周辺にいる馬たちは雑種が多いのです。
・名称:ちまんま広場
・住所:沖縄県八重山郡与那国町与那国3686
・地図:
・アクセス:県道216号沿いに看板あり。※体験メニューによって集合場所が異なるので電話にてご確認ください。
・料金:ふれあいと体験乗馬/約30分/4,000円、ミニトレッキング/約60分/8,000円
・公式サイトURL:https://www.chimanmahiroba.com/
ドラマのためにつくられた診療所
photo by Misaki Naka
2003年、2006年に放送されたドラマ『Dr.コトー診療所』のためにつくられたオープンセットです。
与那国島に行くなら、と事前にドラマを予習していたので感動もひとしおでした。与那国島に行くと決めたら、事前に1話だけでも見ていくことを強くおすすめします!
photo by Misaki Naka
受付に注目。管理人さんがいないので、性善説でお金を置いていくところが島っぽいです。
病室からはうつくしい比川浜が見えます。波の音が聞こえる診療所、入院してもこの景色を見続けていたら治りも早そうな気がしました。屋上にものぼれます。天気が良ければこの通り!
photo by Yoshitaka Otani
・名称:Dr.コトー診療所(志木那島診療所)※ドラマ撮影記念設備
・住所:沖縄県八重山郡与那国町与那国
・地図:
・アクセス:与那国空港より約車で約20分
・定休日:なし
・料金:入場料300円(高校生以下無料)
南牧場周辺の道はドライブにぴったり
photo by Misaki Naka
診療所を後にして、島の南側の道をドライブします。ここは先程のドラマ『Dr.コトー診療所』でもたびたび登場している道です。必然的に、中島みゆきさんの「銀の龍の背に乗って(ドラマ主題歌)」が聴きたくなります。
photo by Misaki Naka
断崖絶壁と紺碧の海が広がり、馬が優先になる道。たまに道路に馬が広がるけれど、こんなにも微笑ましい渋滞があるんですね。
白い模様がある子はヨナグニウマではなく雑種のようです。人間に慣れているので近くまで行っても逃げることもなく、無心で草を食べています。
日本で最後に夕日が沈む場所、西崎(いりざき)
photo by Misaki Naka
「いりざき」の読み方もおもしろいですね。西に太陽が沈むことから「いり」と読むそうです。こういう小ネタも、きっと行かないと知らなかったことが多いから、旅って本当に学びがあって楽しい。
さて、一日の締めくくりはここ。与那国島は、関東よりも約1時間ほど日が沈むのが遅く、日本で一番最後に沈む夕日を見ることができます。
少し離れた場所には「日本最後の夕日が見える丘」があります。
photo by Misaki Naka
滞在中は、天気が悪く夕日は見えなかったのですが、昼間に訪れても見晴らしがとても良かったですよ。コバルトブルーの海と、久部良の港周辺の景色が広がります。
photo by Misaki Naka
まるで、海に続いているかのようなこの坂道も思わず撮ってしまいたくなる景色。
・名称:西崎(いりざき)、日本最西端の碑
・住所:沖縄県八重山郡与那国町与那国139
・地図:
・アクセス:与那国空港より車で15分
波多橋から見た海に感動!
photo by Misaki Naka
宿泊は、祖納集落のゲストハウスに泊まったのですが、そこから徒歩2,3分で行けるのが祖納港です。
祖納港に行くまでに波多橋があり、ここから眺める海がまたそれはもう格別にうつくしくて!
夕方になると、地元の人がサーフィンをしに集まってくる場所でもあります。波に乗る人をぼーっと眺めながら、島の人にはきっと日常だけど、わたしにとっては非日常の光景だな、と目の前に広がる景色に幸せを感じていました。
・名称:祖納港
・住所:沖縄県八重山郡与那国町与那国
・地図:
心奪われた与那国島の魅力
photo by Misaki Naka
一度行けば、その魅力に虜になり、移住を決める人が多いという与那国島。移住された方のお話を聞いていると、とても幸せそうな顔で「いい島でしょ?」とおっしゃっていました。その表情や声のトーンで、どれだけ居心地がいいのかが伝わってくるほどでした。
移動が制限されている時代ですが、おさまった暁にはぜひとも足を運んでいただきたい場所です。
photo by Misaki Naka
うつくしい自然と、深い深い青色の海。そして自由にのびのび暮らしている馬、新鮮な魚、不思議な伝説。朝起きて東崎で朝日を見て、さまざまな色がある海を眺めて、一日の締めくくりは西崎で夕日を眺める。
そんな一日を過ごせたら、どんなに幸せだろう。与那国島を訪れてから時間が経っているのに、島での体験が昨日のことのように思い出されます。
まだまだおすすめしたい場所があるのですが、大作になりそうなので割愛します。Instagramで与那国島のおすすめスポット紹介をしているので、良ければチェックしてくださいね!