若い頃から旅をすることは、なんとも素晴らしいことです。
しかし「可愛い子には旅をさせよ」そんなことを言われても、可愛い子は可愛いので我が子の旅というものは不安で仕方がないのが親心ですよね。
そんな親心のもと、若干10歳の少年「そらくん」はバックパックを背負い、世界を旅しています。この地球は若干10歳の目にどう映るのか。なぜ、どうして旅をするのか。その二点に焦点を当て、気になる親心にも着目してみました。
地球規模の自然で広がる世界観
ヨークルスアゥルロゥン / アイスランド
雄大な自然に恵まれるアイスランド。10歳の背丈から見た地平線まで広がる絶景は、大人の何倍ものスケールに感じます。
しかし、そのスケールに感動をおぼえようとも、若き旅人の驚きは大きくないでしょう。はじめて見る大自然と、二度目に見た大自然は異なる感情を抱くはず。驚きが少しばかり減りますね。このように「慣れ」が生じてしまうのは人間のサガというものです。
エルドフロイン / アイスランド
諸説ありますが、人間の自我が形成されるのは12歳までと言われています。つまりその子にとっての「ふつう」や「あたりまえ」が形成される期間であり、その後の意思決定において比較の基準となります。
雄大な自然を若くして体感し、生じる「慣れ」は感動のハードルを上げてしまうようにも感じますが、悪いことばかりではありません。
自分の住むこの地球がどんな星なのか、自然というものは近所の公園や学校の花壇だけではないなど、本当の意味を自分の目で見て知ることは、自分の知っている街を全とせず、地球規模を全として、ものごとに向き合えることでしょう。
元バックパッカーである父の夢を叶えた
ロカ岬 / ポルトガル
そらくんのお父さんは学生時代をイギリスで過ごしました。学生時代にバックパックを背負い、ヨーロッパ中を旅したお父さんが、「先進国の中でも人の優しさが残っている国」として惚れ込み、「将来また子どもと行きたい」と思ったほど美しい国、ポルトガル。
そのポルトガルで、当時と同じように背中に荷物を背負い、愛する息子と旅路を歩むなかで、「“将来また子どもと行きたい’’が叶った」と、冬のヨーロッパで心の温度を温めてくれたそうです。
もしあなたが世界を旅するなら、その地に10年後誰と来たいかイメージできるでしょうか。人生を通して旅をすることは、同じ地でも全く別の感動を味わえるキッカケとなります。
旅がもたらす特別な再会
サンセバスチャン / スペイン
世界一の美食の街サンセバスチャンでは、転校して海の向こうまで離れてしまった友達との再会を果たしました。
そらくんはこの友達と年に一回は世界のどこかで会っているとか。筆者も年に何度も世界のどこかで再会する友人が多くおり、旅することは身近な概念ですが、旅先での再会って、なんだか特別なんです。
特別な出会いや再会の数々は人生をより豊かなものにしてくれます。
時の流れを巡る旅
ロンドン / イギリス
両親の出会いの地、イギリス。ある意味そらくん自身のルーツでもあるこの地では、時の流れを辿るように旅をします。
イギリスもまた、ブライトンの白い崖「セブンシスターズ」で皆既日食の景観に感動した父親の過去から、そらくんもブライトンへと足を運びました。