うっさん 世界を旅するノマド農民研修生

みなさんこんにちは!2014年1月から旅を始め、世界各国に住んだり旅をしたりと海外放浪中の旅人5年目です。学生時代に行ったタイでの孤児院でのボランティア活動がきっかけで、旅好きになり現在に至ります。学生時代には東南アジアを中心にインド、ネパール、トルコなどを個人旅行。大学卒業後は貿易商社に3年間勤務。良い経験でしたが、自分のしたい事と仕事内容やリズムが合わずに退社し、これからは自分の心からやりたい事を楽しみながら生きることを決意。「人生は実験だ」との覚悟のもと、現在は夢の一つであった世界旅行を楽しんでいます。現在はヒッチハイクで移動し、民家にタダで泊めてもらい、主には世界各国のオーガニックファームやホテルで住み込みで働きながら世界を旅してまわっています。将来的にはその経験をベースに、母の育った日本の里山での自給自足生活とゲストハウス経営を目指しています。これまでの旅の経験をもとに面白く役に立つ情報を発信していきます。

美しい秘境の村々にホームステイしながらトレッキング

photo by Tomoya Yamauchi

トレッキングのルート上には、大自然の中に点在する美しい村々を訪れることができます。厳しい環境の中で限られた居住可能な土地。ここではその中でもフォトクサル村とリンシェ村をご紹介します。

崖ギリギリに美しく存在する村 フォトクサル

photo by Tomoya Yamauchi

シルシルラ峠からゆっくり下りながら、しばらく歩くとフォトクサルが見えてきました。荒々しい山をバックに、崖に沿って家が建てられています。

何て美しいところなんだろう。フォトクサルの標高は4100m。山岳地帯のザンスカールの村では耕作地として使える平らな場所が限られています。そのため農業に使えない崖近くの斜面に家を建てるのだと思われます。
photo by Tomoya Yamauchi

畑があるエリアを歩き回ってみると、山から流れてくる雪解け水がどの畑にも届くように、水路がうまくはりめぐされています。限られた水を農業に有効に使う先祖代々の知恵。

村の畑を歩き回ってみると、大麦などが順調に育っていて、茶色の大地に映える緑が美しい。

川があって、花が咲き乱れ、良いところだなあ。これまでの荒涼とした大地からは考えられません。今まで見てきたザンスカールの村もそうですが、村がうまく自然に溶け込んでいるように見えます。
photo by Tomoya Yamauchi

村人の暮らしもそうで自然の恵みと一緒に生きています。ここに何十年も暮らすとどんな気持ちになるだろう。この村では民家に頼んで、使っていない耕作地にテントを張らせてもらいました。
photo by Tomoya Yamauchi

このように各村ではテントだけどこかに張って、お金を少し払いホームステイでご飯だけ食べさせてもらうことも可能です。

現在まで続く伝統文化 リンシェ村

photo by Tomoya Yamauchi

リンシェに到着し今夜の宿探しに民家を訪ね歩いていると、ロブザンという青年に出会いました。彼はジャンムーという都市で学生をしており、ちょうど休暇で故郷に帰ってきているそうです。彼がこころよく実家に迎えてくれました。

リンシェ(4100m)は山に囲まれた盆地にあります。斜面の緑に輝く畑が美しく、その中に家がぽつぽつと建っています。この村が気に入ったのと、少し疲れていたので数日の間村に滞在することにしました。
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ロブザンと話をしていると彼は休暇で故郷に戻ってきていますが、この時期は多くのトレッキング客がザンスカールやラダックを訪れるため、山岳ガイドとしても働いているようです。

村の一番高い場所には由緒あるゲルク派の大きなゴンパ,リンシェ・ゴンパがあります。ダライ・ラマも何度か訪問されたことがあるようです。

そして私が滞在していた日はたまたまダライ・ラマの誕生日なのでした。村人みんなで祝福するようなので、私も参加するよう招待を受けました。
photo by Tomoya Yamauchi

まずは子どもたちとダライ・ラマの写真を持って、村中を歩き回ります。学校のために遠くの村から来ている子どもも多いそう。学校には寮があり、小学生の時から子どもたちは親元から離れ、そこで暮らしています。

村中を歩き回った後は、リンシェ・ゴンパへと向かっていきます。ゴンパの前では村人達が待っていて、我々とダライ・ラマの写真の到着を祝福します。
photo by Tomoya Yamauchi

photo by Tomoya Yamauchi

ゴンパではバター茶やお菓子が村人に振る舞われ、僧によるお経やスピーチなどがスタート。 眺めの良い屋上から誕生日のお祝いを見守る人もいました。

このリンシェ・ゴンパは500年の歴史があります。それから毎年ここで同じように彼の誕生日を祝福してきたのでしょうか。
photo by Tomoya Yamauchi

photo by Tomoya Yamauchi

村を歩いているとここではまだ伝統が息づいているのがわかります。リンシェに住む村人は日干しレンガの家に住み、大麦、小麦、豆を主産物とする農業とヤギ、ヤク、ゾーを中心とする牧畜で生活しています。

家畜からはミルク、バター、ヨーグルト、チーズを入手し、その毛や毛皮は衣類や靴、紐に。家畜の糞は乾燥させて燃料にします。村では現在でも伝統的な方法で衣類が作られていました。
photo by Tomoya Yamauchi

photo by Tomoya Yamauchi

またリンシェではコミュニティで協力して放牧が行われています。毎日交代で放牧を担当する者が、朝のうちに村人の山羊やヤクなどの家畜をまとめて放牧地に連れて行き、夕方に連れて帰ってくるのです。
photo by Tomoya Yamauchi

ちなみに写真の中の女性で動物の皮を腰に着けている女性は既婚、着けていない女性は未婚ということのようです。

山の向こうに家畜が戻ってくるのが見えてきました。のんびり帰ってくるのか思いきや、ヤギがドォーーーっと群れになってひとまとめになって戻ってきました。土が乾燥しているので砂ぼこりがブワァーっと立ち込めて、ゴホゴホとせき込まざるをえません。
photo by Tomoya Yamauchi

どうやって判別するのか不明ですが、村人たちは自分の家畜を上手く見つけて分けていきます。そして、それぞれ順番に家に連れ帰っていくのです。

photo by Tomoya Yamauchi

このように伝統的なザンスカールの生活は、コミュニティに住む者同士で助け合って成り立っています。ザンスカール地方の厳しい環境に適した適した農業や牧畜、様々な知識や技術が現在の世代まで継承されてきたのでしょう。

おわりに

photo by Tomoya Yamauchi

ザンスカールトレックの一部をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。10日間以上のトレッキングは大変なように思われるかもしれませんが、本当に美しい場所で絶対に行って後悔することはないでしょう。

様々な場所を旅してきましたが、世界中でも最も美しい場所の一つです。ぜひ訪れてみてください。

うっさん 世界を旅するノマド農民研修生

みなさんこんにちは!2014年1月から旅を始め、世界各国に住んだり旅をしたりと海外放浪中の旅人5年目です。学生時代に行ったタイでの孤児院でのボランティア活動がきっかけで、旅好きになり現在に至ります。学生時代には東南アジアを中心にインド、ネパール、トルコなどを個人旅行。大学卒業後は貿易商社に3年間勤務。良い経験でしたが、自分のしたい事と仕事内容やリズムが合わずに退社し、これからは自分の心からやりたい事を楽しみながら生きることを決意。「人生は実験だ」との覚悟のもと、現在は夢の一つであった世界旅行を楽しんでいます。現在はヒッチハイクで移動し、民家にタダで泊めてもらい、主には世界各国のオーガニックファームやホテルで住み込みで働きながら世界を旅してまわっています。将来的にはその経験をベースに、母の育った日本の里山での自給自足生活とゲストハウス経営を目指しています。これまでの旅の経験をもとに面白く役に立つ情報を発信していきます。

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