私は海外滞在中、世界の各地で農業を経験しました。
もともと食や農業をテーマに旅をしていたことと、学生時代に食のことを学んでいたこともあり、この経験が私自身に多くの学びや考えを与えてくれました。
今回は、私自身がそれらを経験して感じたことを中心に、同世代の若者が海外で農業をするメリットを紹介したいと思います。
1.日の出前起床で規則正しい生活リズムに
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まず海外で農業をするとなると、ワーキングホリデーでのファームジョブ、WWOOFなどが主な手段として挙げられます。どの仕事であれ、その多くが早朝、日の上がる前に家を出て、畑で働き始めるというものです。
長く旅をしていると自分の好きな時間に起きて、夜中までお酒とポテトチップス…なんて生活リズムになりがちなので、整えられます。
一度社会から離れて旅をしていると、働きたい欲が沸いてきます。旅人あるあるではないでしょうか?
そんな時、海外で誰でも経験できる農業で、汗を流して泥まみれになってみると、あぁ。なんということでしょう。働くってこんなに充実感を得られるのかと気づきます。あとは、帰宅してシャワーを浴びてから飲むビールの美味しさったら別格ですよ。
2.苗植え、餌やり、生産、収穫、出荷、販売…食の流れを体得できる
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それぞれ畑の在り方や規模にもよりますが、私は旅中に訪問した農場で、上記に加え、食品の加工、出荷準備も経験しました。
実は私、動物が苦手で触ることさえ怯えていたのに、ヤギ農家へ行って1ヶ月間、赤ちゃんヤギを抱えてミルクをあげることだってありました。
どうやって家畜や作物が生まれて育ち、その後収穫、出荷、市場やマーケットに出回った後、それらが私たちの食卓へ並ぶのか。
日常の生活でそんなこと考えることも無いかもしれませんが、農業をすることで自らがその一部に関与することになるので、より身近に考えることになります。
そうすることで、食への意識が高まりますし、なんていったって海外で農業を経験すると、その国の農作物や食のことを知るきっかけになり、日本だけでなく世界の農業と食の問題について考えることが出来るんです。
3.農業の大変さ、食べることへの感謝
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上でも少し触れましたが、農業は楽ではありません。毎朝夜明け前に目をこすりながら起きて仕事。場合によっては土日も関係ありません。
雨が降っても風が吹いても、太陽がじりじりなる灼熱の日であろうと、育ったものを刈り取り出荷し、時に皮膚もガサガサに…
しかし、その分達成感とやりがいは強く感じられます。収穫した新鮮でみずみずしい野菜を食べることが出来るのも、はたまた、家畜の出産に立会い、新しい命が誕生する瞬間を見られるのも農家さんの特権なのだと思います。