ナポリタン。日本の喫茶店や洋食屋さんで人気のメニューです。しかし、みなさんご存じでしょうか?
「ナポリタンは日本生まれのパスタ料理」だということを!
え?知ってる?困ったなぁ。まぁ、確かに最近ではナポリタンが日本料理というのは半ば常識になりつつありますよね。
でも、そう考えると一つの疑問が浮かびます。
ナポリには名物パスタ料理は存在しないのでしょうか?き、気になる!というわけで、今回は本場ナポリの名物パスタをリサーチしてみました。
そもそもナポリ料理ってなんなの?
実はナポリはイタリアでも有数の食の都!多くの有名料理がナポリから誕生しています。例えば、「ピッツアマルゲリータ」や「アクアパッツア」などは世界的にも有名なナポリ料理です。
ナポリ料理の大きな特徴は、新鮮な魚介をふんだんに使うことと、トマトが味の決め手になることです。(どうやら日本のナポリタンはこの「トマトが味の決め手」という部分に注目されて作られたようですね。)
また、お酒やデザートなどはレモン味のものが好まれ、食後でもペロリといただけます。とくに食後酒のリモンチェッロは度数の高さとは裏腹にとても飲みやすく、世界中のバーのスタンダードとなっています。
Spaghetti alla Napoletana
photo by Girl Interrupted Eating
さて、結論から申し上げると…ナポリにはナポリタンは存在しませんが「ナポリターナ」は存在します!
‘‘Spaghetti alla Napoletana”(スパゲッティ・アッラ・ナポリターナ)は古典的なナポリ料理のレシピで、おもな食材はニンニク、トマト、塩コショウ、バジルなどといった非常にシンプルなもの。はっきり言って、トマトを使っていること以外、日本のナポリタンとは似ても似つかぬしろものです。
そのうえ、どうやらスパゲッティ・アッラ・ナポリターナはいまでは本場ナポリではそこまで名物といった扱いもうけていないようです。
それどころか、イタリアでは「ナポリのパスタといえばあれでしょう!!」という新定番が存在しているくらいで…かなり影が薄め。ナポリターナなんて名前まで付けられてるのに…か、かわいそうなやつだ。
Spaghetti alla puttanesca
上で紹介した「ナポリのパスタといえばこれ!」というのが、‘‘Spaghetti alla puttanesca”(スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ)!現代イタリア料理の実質的「ナポリタン」といえるでしょう。
主な材料は、アンチョビ、黒オリーブ、ケッパー、パセリ、ニンニク、そしてトマト。トマトソースのさわやかさとアンチョビやオリーブの濃厚さが織りなすコンビネーションが多くのグルメの舌を喜ばせています。
もともとナポリは裕福な土地ではなかったため、安く手に入る食材を組み合わせて今のプッタネスカを作り上げたそうです。さまざまな工夫のもと出来上がったレシピですから、そりゃあおいしいに決まってますね。
ちなみに、プッタネスカとは「娼婦」という意味。なぜこんな名前が付けられたのかはっきりしませんが、なんにせよかなり印象的なネーミングであることは間違いありません。