ライター

海外旅行が大好き。12歳までドイツ、デュッセルドルフのインターナショナルスクールで過ごす。学生時代はオーストラリア・イギリス、ケンブリッジ大学での短期留学を経て現在は東京を拠点に年に数回旅行へ。両親がタイのバンコクに在住。 instagram: @moneikegami

こんにちは、mone(@moneikegami)です。筆者がドイツに住んでいた幼少期、飛行機や車で週末に幾度と訪れたフランス。その中でも世界中から観光客が訪れるパリは都会で、昔ながらのフランスの街並みを見るには田舎の方まで足を伸ばさなければならず、時間や手間がかかってしまうのです。

そんなパリから実はわずか一時間半ほどで、パリとは全く異なる雰囲気を持つ別の街が存在しています。今回は、昔の街並みを感じることができるというプロヴァンの街をご紹介します。

 

フランス・プロヴァンとは

プロヴァン「Provins」はフランスの都市の名称。パリの南東約90キロほどのところに位置しており、電車で1時間半ほどでアクセスできます。

2001年には街全体が世界遺産に。中世フランスの街として知られるプロヴァンは、現在も昔の街の姿がそのまま保存されているんです。その昔ながらの景観は、フランス国内では「芸術と歴史の街」として知られています。

街はもともと、北ヨーロッパと地中海を結ぶ交易のために作られたのだそう。12世紀にシャンパーニュ地方の交易市として栄えており、今でも中世当時の石造建物が非常に良い状態で残っているんです。

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壮大な門をくぐり厚い壁の内側に入ると、中世時代の城壁やプロヴァンの街を散策できます。街には門や塔、古い家々や、広場など美しいエリアがたくさん。教会やロマネスク様式の家、古い病院など美しいモニュメントを見ることができます。

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かつては産業盛んな都市として発展していたプロヴァンでしたが、フランスに吸収されてしまい、14世紀頭には街の産業全体が衰退してしまったそう。

現在では、古くから有名だったバラを用いた石鹸や、製菓業が盛んです。そんなプロヴァンはまるでタイムスリップしたかのように、昔の面影を残したまま存在する不思議な街なのです。

 

プロヴァンで必ず見ておきたい観光スポット

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街全体が観光地であるプロヴァンには見るべきスポットが至るところに存在しています。どのエリアも中世の雰囲気を色濃く残し、フランスの中心部ではなかなか見られない貴重な景色であること間違いなし。今回は中でもおすすめのエリアをお伝えします。

 

城壁

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プロヴァンの街をぐるりと囲む城壁は長さが1,200メートルもあり、遠くから来る敵を見つけることができるように石とレンガでできた複数の展望台と繋がっています。

街の内側にある石でできた傾斜の急な階段を上ると、地上から一気に城壁の頂上に到着します。

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城壁は道幅が非常に狭く、歩くのに不便です。油断すると落ちてしまいそうになるほど急なので、ご注意ください。この城壁はプロヴァンの街をぐるっと囲んでおり、かつては敵から身を守る役目を果たしていたのだとか。

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城壁から街の外側を見てみると、現在では緑溢るるのどかな景色が視界いっぱいに広がります。

 

セザール塔

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丘の頂上から街と、街の周囲を囲む壮大な田園地帯の景色を望めるセザール塔。12世紀に建てられ、城塞中心の塔は四角い台座の上にしっかりと建っています。塔の麓まで上ることができ、街の内外に広がる彩豊かな景色を楽しむことができます。

■詳細情報
・名称:César tower
・住所:Rue de la Pie, 77160 Provins, France
・地図:
・営業時間:月曜日から金曜日14:00〜17:00,土曜日日曜日11:00〜17:00
・定休日:なし
・料金:無料
・公式サイトURL:https://www.provins.net/decouvrir-visiter/sites-et-monuments-historiques/cite-medievale-de-provins/tour-cesar/

 

地面のしたに広がる地下道

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実はプロヴァンは街の地下に通路が広がっており、観光の際には地下ギャラリーにもアクセスできます。

地下道はかつて中世の時代に羊毛業を行う際に使用されていたのだそうです。地下で採取できる漂布土を石鹸のように用いて、羊毛の染抜きを行っていたんだとか。地下の壁には、街がかつてどのような変化を遂げて今に至ったか、という変化の経緯が刻まれた碑文を見ることもできます。

市場で用いる商品在庫をしまうための収納所として使われていた貯蔵庫「Gange aux Dimes」も地下にあり、現在は商人や石切工といった多様な職業の人々が、プロヴァンで生きてきた軌跡を学べる場所となっています。

■詳細情報
・名称:地下道
・住所:3 rue Saint-Thibault, 77160 Provins
・地図:
・アクセス:Provins駅から徒歩約12分
・定休日:1/1、12/25
・所要時間:1時間程度
・公式サイトURL:https://www.provins.net/sites-incontournables-de-provins-tourisme/histoire-et-monuments/cite-medievale-de-provins/souterrains/

 

プロヴァン市民博物館 「Le musee de Provins et du provinois」

「プロヴァンについてもっと詳しく知りたい」という方には、プロヴァン市民博物館 「Le musee de Provins et du provinois」へ訪れるのがおすすめ。

プロヴァン市民博物館は、ロマネスク様式の「メゾンロマーヌ」と呼ばれる家を改装して造られています。ロマネスク様式とは中世西ヨーロッパの建築様式のことで、おおよそ1000年から1200年頃までのゴシック建築以前の建築物のことを指すのだそう。「メゾンロマーヌ」は、10世紀から11世紀の間に建造されたプロヴァンの中で最も古い家であるとされているんです。

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この「メゾンロマーヌ」は、かつて学校としても利用されていたそうですが、現在はプロヴァン市民美術館として、プロヴァンとその周辺の歴史に関する美術品や骨董品が展示されています。数々の陶器、彫刻、宗教品のコレクションを通じ、地元の文化を深く学べます。

■詳細情報
・名称:プロヴァン市民博物館 「Le musee de Provins et du provinois」
・住所:7 Rue du Palais, 77160 Provins, France
・地図:
・アクセス:Provins駅から徒歩約12分
・営業時間:土曜日、日曜日12:00-17:30
・電話番号:+33 1 64 01 40 19
・料金:大人4ユーロ、子供2ユーロ
・所要時間:約1時間半
・公式サイトURL:https://www.provins.net/decouvrir-visiter/samuser-au-musee/le-musee-de-provins-et-du-provinois/
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海外旅行が大好き。12歳までドイツ、デュッセルドルフのインターナショナルスクールで過ごす。学生時代はオーストラリア・イギリス、ケンブリッジ大学での短期留学を経て現在は東京を拠点に年に数回旅行へ。両親がタイのバンコクに在住。 instagram: @moneikegami

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