2020年に入り、中国の武漢から新型コロナウイルスの感染が拡大しました。2020年2月現在、中国だけでなく、他国でも感染が確認されています。
今回は外務省が発表する「感染症危険情報」と新型コロナウイルスへの基本的な対応を解説します。
そもそも、感染症危険情報とは?
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外務省では感染症危険情報を発表しています。感染症危険情報とは新型インフルエンザなどの危険度の高い感染症に対し、特に注意が必要と考えられる国や地域に発出される海外安全情報です。
海外において感染症が発生してまもない頃は感染症広域情報や感染症スポット情報により、一般的な注意喚起を行います。新型インフルエンザの発生が予測される場合、感染症の流行が予測される場合は感染症危険情報が発表されます。
発表の際にはWHO(世界保健機関)などの国際機関の対応や発生国や地域の状況なども勘案します。
感染症危険情報は外務省のホームページで確認できます。「外務省海外安全ホームページ」にアクセスし、”国・地域別の海外安全情報”から国や地域を選択します。
地域のページに遷移したら、”感染症危険情報”をクリックします。色がある国は感染症危険情報が発表されているところ、白色は発表されていないところです。
感染症危険情報には渡航自粛勧告がある?
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感染症危険情報にも一般的な海外安全情報と同じようにカテゴリーがあります。感染症危険情報のカテゴリーは以下のとおりです。
レベル1 十分注意してください:特定の感染症に対し,国際保健規則(IHR)第49条によりWHOの緊急委員会が開催され,同委員会の結果から,渡航に危険が伴うと認められる場合等。
レベル2 不要不急の渡航は止めてください:特定の感染症に対し,IHR第49条によりWHOの緊急委員会が開催され,同委員会の結果から,同第12条により「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」としてWHO事務局長が認定する場合等。
レベル3 渡航は止めてください(渡航中止勧告):特定の感染症に対し,IHR第49条に規定する緊急委員会において,第12条に規定する「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」が発出され,同第18条による勧告等においてWHOが感染拡大防止のために防疫・渡航制限を認める場合等。
レベル4 退避してください。渡航は止めてください(退避勧告):特定の感染症に対し,上記のレベル3に定めるWHOが感染拡大防止のために防疫・渡航制限を認める場合であって,現地の医療体制の脆弱性が明白である場合等。
2020年2月10日現在、中国は湖北省がレベル3、湖北省以外の地域がレベル2です。中国以外で感染症危険情報が発表されている地域はコンゴ民主共和国やアンゴラといった中央~南アフリカです。
また4つのカテゴリーごとの表現で収まらない場合は注意事項を状況に応じて追加されます。