こんにちは。カナダのユーコン準州でオーロラガイドをしているSATOMIです。
カナダの北西に位置するユーコン準州の冬は、マイナス40℃を下回ることもある極寒の地です。
「冬がそれだけ寒いなら、夏はどんな過酷なことが待っているのだろう…?」なんて心配していましたが、ひと夏過ごしてもう次の夏が待ちきれないと感じています。今回はそんなカナダ・ユーコンの夏の魅力をご紹介します。
なんと明け方まで楽しめる夏至キャンプ
日が沈まない夏を楽しむ「ユーコナー」たち
夏至6月21日のPM11:20!この後も真っ暗にはならない
何といっても一番の魅力は、日照時間の長さです。
夏至を迎える6月21日には、真夜中を過ぎても真っ暗になることはありません。朝6時頃には既に日が高く、夜9時を過ぎても太陽の位置はまるで昼間のよう。
夜はカーテンを完全に閉めないと寝付けない、なんていうこともありますが白夜を楽しむ人の方が多い気がします。
特に、1日働いた後でもハイキングやクライミングなどのアウトドアを楽しむことができるのが醍醐味です。私は夏至の日は友人とキャンプをして、キャンプファイヤーの明かりだけで明け方3時までトランプをしていました。
冬が寒い分、夏の長い日照時間を余すことなく楽しむのが「ユーコナー」流の楽しみ方です!
期間限定で開催される「ファイヤーウィード・マーケット」
地元でとれたオーガニック野菜も手に入る
州都ホワイトホースのダウンタウン内の一番大きい公園にて、5月~9月の期間限定で開催されるマーケットです。
「地産地消・ローカルビジネスの繁栄」を目的に週一で行われているこのマーケットは、小さい街ながら、毎週かなりの賑わいがあります。
出店しているのは、ローカルのレストランやコーヒー店、農家などさまざま。さらに普段はどこにも店を持っていないけれど、このマーケットだけ出店する方もたくさんいるので、この時しか味わうことのできないグルメが多くあります。
ちなみにファイヤーウィードとはユーコン準州の州花で、「ヤナギラン」にあたります。
夏は本格的なアウトドアシーズン!
休みの日はできるだけ外遊び!
通常6月からユーコン政府が管理するキャンプ場がオープンし、本格的にアウトドアシーズンがスタートします。
ユーコン政府管理のオートキャンプ場は現在42カ所、デイユースキャンプ場と合わせると約60カ所もあります。利用は一晩$12ですが、ローカルにとっては嬉しいいシーズンパスがあり、$50でシーズン中すべてのキャンプ場が利用可能になるので、パスを購入する人がとても多いです。
そして場所は基本的に「ファーストカム、ファーストサーブ」、来て空いていれば使うことができるというシステムです。そのため、週末をキャンプ場の良いスポットで過ごすべく、金曜日はなるべく早めに仕事を切り上げて出かけていく友人も少なくないです。
他にもハイキング、外岩のクライミング、カヌーやカヤック、バックパッキング、そしてハンティング等々、夏になると家でジッとしている暇がないくらい楽しい遊びがたくさんあるのです!
日光浴が心地よいパティオでご飯
花と音楽のあるパティオでお客さんを迎える準備もバッチリ
長い日照時間に加えてユーコンの夏の嬉しいポイントは、蒸し暑くない、カラッとした気候です。そのため、太陽さえ出ていればいつまでも外でのんびりできるのです。
夏になると、多くのレストランやカフェでパティオが出て通りまで音楽が聴こえ、街中にもベンチがたくさんあり、外でコーヒーを楽しむ人も多く見かけます。
冬は厳しい寒さのため家で過ごす時間が長くなる分、夏は街中にも人が多くなり街に活気が出ます。
野生動物との遭遇率がアップ!
道路わきで花を食べるブラックベア
夏になると、ムースを含むシカ類や、バイソンなどの大型動物とともに、特にクマとの遭遇率がグッと上がります。
特に、ホワイトホースからアラスカ・ハイウェイを北西方向に走っていくと、ドライブ中に見かけることもしばしば。私もこの夏5頭以上はこのハイウェイ上でグリズリーやブラックベアに合うことができました。
夏から秋はクマの大好物のベリーの季節なので、ハイキング中に出会う可能性も高くなります。車内から見れば可愛らしいクマですが、ハイキング中にはあまり近くで会いたくはないものです…。
場合によってはハイキングトレイルが閉鎖されることもあるので、夏のユーコンでハイキングを楽しみたい方はぜひ事前にWebサイトを確認してみて下さい。
とびきりの夏をユーコンで体験してほしい
夏は高山植物も見頃を迎える
初めてユーコンに引っ越してきた際に、たくさんの人に「ユーコンの夏に魅了されてここに長く住んでいる人が多い」と言われましたが、私自身ひと夏過ごして、その意味が良く分かりました。
「オーロラしかないのかな」、「寒いのはちょっとな…」と思っている方にはぜひ一度夏にカナダのユーコンに遊びに来てほしいと思います。
All photos by Satomi