こんにちは、「世界一周」研究の塩飽です。みなさん、人類学者と呼ばれる人々がどんな研究をしているとイメージしますか?「原人の化石の発掘とか?」それもそうですが、人類学は実に幅広いフィールドを研究対象としています。そのため、世界各地を飛び回りながら研究をする人が多いのです。
今回はそんな旅する研究者たちを、それぞれの調査フィールドと併せてご紹介させていただきます!
B. マリノフスキー → パプアニューギニア
ポーランド出身の人類学者。実際に現地の人々と共に行動し、その生活や文化様式を体験しながら観察をする人類学研究の手法、「参与観察」を生み出し、それまで机上の上の学問でしかなかった人類学に現地調査(フィールドワーク)をもたらした最初の研究者です。
専門地域はパプアニューギニアの東に浮かぶトロブリアンド諸島。「クラ」と呼ばれる、貝殻の装飾品の交易が島々の間で代々おこなわれていたことで有名です。
著作:『西大西洋の遠洋航海者』
E.プリチャード → 南スーダン
あのポール・マッカートニーと同じく、サーの称号を授けられたイギリスの人類学者。カイロ大学に勤め、スーダン南部(現在の南スーダン)のナイル流域に住まうヌアー族の価値観や宗教観などの独特な文化研究をおこないました。
一つ紹介すると、ヌアー族の間では「牛」が非常に重要であり、日常生活の糧としてのみならず、婚礼や儀式の際も使われていました。そして何と、ヌアーでは「生物学上の父親」と「社会的な父親」が別のものとして考えられ、牛を多く保有する人物であれば、例え女性であっても「父親」としての役割を持つことができるという驚きの社会構造を持っています。
著作:『ヌアー族』
M.ミード → サモア
アメリカ生まれの女性人類学者。コロンビア大学で博士号を取得した後、ポリネシアのサモアでフィールドワークをおこない、サモアにおける若者たちの「思春期」について調査したジェンダー研究の先駆者です。