こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。
世界遺産・屋久島といえば、屋久杉と苔むす森といった“山”をイメージすることが多いでしょう。でも実は、「ひと月に35日雨が降る」といわれる屋久島は、水の絶景に彩られた「水の島」でもあるのです。
今回は、屋久島の森が育んだ水が織りなす絶景スポットをご紹介します。
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「ひと月に35日雨が降る」!?水の島・屋久島
Photo by Mayumi
「ひと月に35日雨が降る」と屋久島を表現したのは、小説『浮雲』の作者・林芙美子氏です。
ひと月は最大31日なので「あれ?」と思うかもしれませんが、要するに屋久島ではそれほど大量の雨が降るという意味です。
事実、屋久島の年間平均降水量は平地で約4500mm、山間部に至っては8000mmを超え、日本の年間平均降水量(およそ1700mm)の2倍をはるかに上回る量となっています。
屋久島の天気は常に不安定で、一日中晴天ということは少なく、だいたい一日に一度は雨が降るイメージです。
Photo by Mayumi
また、屋久島は花崗岩が隆起して生まれた島。山間部のほとんどが屋久島花崗岩という固い岩石で形成され、保水をしない岩盤の表面を大量の雨が流れ落ちて、森や大地に降り注いでいきます。
流れ落ちた雨は滝となり、川となって海へと流れ込みます。森によって浄化された水は湧き水となります。このように水は、生命を育み、生き物たちを潤してくれます。
つまり屋久島は、水とともに生きる「水の島」でもあるのです。
悠久の森が育んだ極上の天然水
Photo by Mayumi
森の土壌の天然フィルターを通じてじっくり浄化された大量の雨水は、不純物をほとんど含みません。
屋久島の水は硬度10mg/L。一般家庭でよく飲まれている「六甲のおいしい水」(アサヒ飲料)の硬度84mg/L、「南アルプスの天然水」(サントリー)の硬度30と比較しても、どれだけ軟水かおわかりでしょう。屋久島の湧き水は、実にまろやかで甘みとコクを感じる、極上の天然ミネラルウォーターなのです。
さらに屋久島のすごいところは、湧き水だけでなく沢や川の水も基本的にすべて名水、そのまま飲んでも差し支えないところです。トレッキングの際には麓から大量の水を持ち運ぶ必要がありません。
Photo by Mayumi
トレッキングをしない方には、島に点在する名水スポットがおすすめ。
たとえばこの「紀元命水」。推定樹齢3000年といわれる紀元杉のすぐ近くにあるスポットです。さらに「豊心水」「延命水」「幸福水」といったスポットも存在します。木々に隠れて多少わかりづらいかもしれませんが、紀元杉を訪れる際にはぜひ探してみてくださいね。
ほかにも、白谷雲水峡の「益救(やく)雲水」、大川(おおこ)の滝近くの「大川湧水」、淀川(よどごう)小屋近くを流れる「淀川源流」なども有名ですよ。
・名称:紀元命水
・住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町
・地図:
・アクセス:安房港から車で約50分。バスの場合、安房港から「紀元杉」行き乗車、終点まで約1時間。
・屋久島観光協会公式サイト:http://yakukan.jp/spot/
大雨がもたらす豪快な滝
Photo by Mayumi
島に降り注ぐ大量の雨は、花崗岩の山肌を流れ落ち、やがて滝となって姿を現します。
こちらは屋久島を代表する滝のひとつ、「千尋(せんぴろ)の滝」。幅200mほどの巨大な一枚岩とV字渓谷の間を流れ落ちる落差60mの巨大な滝です。
「千尋」とは、かつて両手を広げた長さを“一尋”と呼んでいた時代、一枚岩の岩盤の大きさが1000人分に相当するといわれたことが由来となっています。
展望台からは小さく見えますが、実際はとてつもなく迫力ある滝です。
・名称:千尋の滝
・住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町原
・地図:
・アクセス:安房港から車で約25分。バスの場合、安房港から「大川の滝」行き乗車、バス停「原入口」から徒歩約50分
・屋久島観光協会公式サイト:http://yakukan.jp/spot/
Photo by Mayumi
こちらも屋久島を代表する滝の一つ、「大川(おおこ)の滝」。島西部に位置し、その水量と落差88mは島内一で「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑です。
ここは駐車場からもすぐ。滝壺近くまで容易に近づけるため、圧倒的な迫力と水しぶきを目の前で体感できます。
・名称:大川の滝
・住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町栗生
・地図:
・アクセス:宮之浦港から車で約1時間。バスの場合、宮之浦港から「大川の滝」行き終点まで約1時間42分。
・屋久島観光協会公式サイト:http://yakukan.jp/spot/