編集部

三重県うまれ、気づいたら住民票は茨城県。旅をこよなく愛し、放浪するあまり「どこにいるかわからない」と聞かれる始末。2023年にTABIPPOへジョイン。Instagramでは#miiitrip_〇〇というオリジナルハッシュタグで旅情報を発信中。さつまいもとカヌレ、きらきら光る水面が好き。

穏やかな水面にキラキラと反射する太陽の光。

時たま、電車が通り過ぎる音がする。

線路を渡り、坂を登っていく途中、いたるところで思い思いに過ごす猫ちゃんに遭遇する。

広島県、尾道は、47都道府県訪れている私が、何度も足を運んでいる、全国の中でも好きな街のひとつ。

今回は、友だちや大切な人と一緒に尾道を旅するならばここへいきたい! という場所をピックアップして、1泊2日で尾道を案内してきました。

友だちと行きたい尾道、#miiitrip、広島編です。

瀬戸内に浮かぶ向島でランチ

尾道市には数々の島があります。なかでも有名どころは、しまなみ海道が通っている向島、因島、生口島、伯方島、大三島、大島でしょうか。

1泊2日〜2泊3日の期間での尾道旅で、市街地と一緒にこれらの島々を楽しむにはレンタカーがおすすめです。

私たちも今回、向島と因島へも足をのばすために、広島空港から車を借りて尾道へ。

まず最初に向かったのは、向島にある[立花ガーデン]です。

▲右側の建物が食堂、左側の建物がセレクトショップ[life:style]
目の前に瀬戸内海が広がる[立花ガーデン]には椰子の木が生えていて、その雰囲気はさながら南国の島に来たような気分。

ランチやカフェを楽しめる食堂と、セレクトショップ[life:style]が併設されています。

まずはランチをいただくために食堂へ。

立花ガーデン
立花ガーデン▲レモンが有名な広島県、せっかくならとレモンが多く入った「レモンラーメン」をチョイス。

季節ごとに変わるというランチメニュー。私が伺った2月のメインメニューは、レモン入りのさっぱりした味わいの「ラーメン」や、おこめを使ったグルテンフリーな「おこめん」でした。

可能な限りからだにやさしく、良いものを。使う材料にもこだわっているというメニュー。

立花ガーデン▲旅先だとデザートまでついつい欲張ってしまう。こちらは広島県産のレモンを使ったレモンケーキ。

旅先では、何かと普段食べないものを食べたり、普段以上に量を食べてしまったりと胃が疲れやすかったりしますよね。

「外食に来てくれたお客様の胃が疲れないような、やさしい料理を提供したくて」

そう話す店長・河尻さんはじめとする[立花ガーデン]のやさしさが反映されたごはん。のんびりときらめく海を眺めながら、いかがですか?

立花ガーデン
お腹が満たされたら、隣にあるセレクトショップ[life:style]へ。

life:style▲[立花食堂]でも使われているカトラリー。食事をしていて食器やカトラリーが気になった方は、帰りがけに[life:style]を覗いてみると、もしかしたらお目当ての物の出合えるかも!?


[life:style]の1階には雑貨、2階には[立花ガーデン]のスタッフさんたちが、相談しながらデザインしたというお洋服も並んでいました。

[life:style]に置かれているものはすべて[立花ガーデン]のスタッフの方々が見つけてきたものだそう。つまり、スタッフの方々の“好き”と“お気に入り”が詰め込まれた空間なのです。

life:style▲とても良い香りのルームスプレー。同じ尾道市内にある[もち肌化粧品]とコラボレーションして作った商品だという。
まだ初日、1箇所目ですが「ビビッ」ときたものがあれば、それも一期一会。あなたのライフスタイルに、お迎えしても良いかもしれません。

■詳細情報
・名称:立花ガーデン
・住所:〒722-0071 広島県尾道市向島町立花287-1
・地図:
・駐車場:駐車場/有
・営業時間:
立花食堂 / 11:00-14:00
カフェモリノネ/11:00-16:00
life:style / 11:00-17:00
・定休日:火・水・木
・電話番号:0848365662
・公式Instagram:https://www.instagram.com/tachibana.garden/

ノスタルジックな尾道でレトロな活版印刷体験

▲この活版印刷の凹みがたまらなくかわいい活版印刷(Bコース作品例)
尾道に来たときは、友だちと一緒にやってみたいと思っていた活版印刷の体験をしに[活版カムパネルラ]へ。

引用:活版カムパネルラ公式HPより
[活版カムパネルラ]では、活版印刷が体験できるワークショップが2コースあります。

1つは初心者向けのAコース。体験時間は一人15分ほどなので、尾道でほかにもみたいものがあるという予定詰め詰めさんにもおすすめです。

▲活字が並ぶ棚から1本ずつピックアップして、手に持った文選箱に並べていく工程を「活字拾い」という
もう1つは自分で活字拾いから文字組、ノートのビス留めまで体験できる本格的なBコース。こちらの体験時間は一人約1時間30分。よりこだわった作品をつくりたい、活版印刷の工程を最初から最後までしっかり体験してみたいという好奇心旺盛な方におすすめです。

今回、活版印刷の体験ははじめてだったので、私はお手軽に活版印刷が体験できるAコースを選択しました。

Aコースは以下のような工程です。
①印刷するスタンプを選ぶ
②作品をミニノートもしくはカード(5枚)にするか選ぶ
③紙を選ぶ
④活版印刷をする

私は紙質によって異なる活版印刷の雰囲気が気になったので、カードで活版印刷を体験してみることに。

▲それぞれの紙の見本帳もあるのでわかりやすい
▲ん〜〜!「謎の紙」なんてかかれたら気になっちゃう
印刷する紙を5枚、たくさんの種類の中から選んでいきます。

デニムや帆布の布が混じった紙、尾道の市の花である桜の木のチップを使用したという「おのみち紙」、活版印刷の凹みがいちばんよく表現されるという「手漉き和紙」は即決。その他3枚を決めるのに私はとっても悩みました……!

なんとか5枚を選びぬき、お次はいよいよ印刷です。


先生に活版印刷の方法、そして失敗しないコツを教えてもらい、いざ挑戦。



一枚も大きなミスをすることなく無事に完成……!

先生が教えてくれたとおり、使った紙によって凹み具合が異なり、質感がとてもかわいいです。

▲最後は先生がかわいらしくラッピングしてくれました(こちらはミニノートver.)
5枚のカードは、記念にとっておいても良し。大切な人たちへのお土産と一緒に贈るのも良さそうです。

■詳細情報
・名称:活版カムパネルラ
・住所:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町11-2
・地図:
・アクセス:JR尾道駅から徒歩約10分
・営業時間:10:00~18:00
・定休日:年末年始
・電話番号:0848514020
・料金:料金:Aコース 基本料金 ¥550/Bコース 基本料金 ¥2200 *それぞれ別途紙代(¥330~)
・所要時間:所要時間:Aコース 約15分/Bコース 約1時間30分(どちらも要予約 ※当日空きがあれば案内可能)
・公式サイトURL:https://campanella-letterpress.jp/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/campanella_letterpress/

昼下がり、異彩を放つ[LOG]でティータイムを

LOG▲正面の入り口はアパート時代の外門をそのまま利用している
ずっと気になっていた、2018年に尾道の山手にオープンした複合施設[LOG (ログ)– Lantern Onomichi Garden- (以下、LOG)]を訪れました。

[LOG]はホテルやカフェ、ギャラリー、ショップ等がある複合施設。

旅行者と地元の人たちが思いおもいに過ごせる場所で、ホテル宿泊者でなくても、ふらっと訪れる人に対してカフェやギャラリー、ガーデンなどの門戸が開かれているオープンさが魅力です。

▲LOGの内観

そんな[LOG]は見た目もピンクの建物とユニーク。少し専門的な話になってしまいますが、インドの建築家、ビジョイ・ジェイン氏(以下、ビジョイ氏)率いる世界的建築集団スタジオ・ムンバイが海外で初めて手がけた建築なのです。

ビジョイ氏は映画『東京物語』を何度も観ているという日本の大ファン。もちろん舞台の一つとなった尾道のことも知っていたそうです。そんなビジョイ氏が建築物をつくるうえで大切にしているのは「人の手の力」。

▲和紙を使った内装を担当したのは和紙職人のハタノワタル氏。カフェ&バーのカウンターにも和紙が使われている
▲[Cafe&Bar Atmosphere]のカウンター。和紙の上からベンガラと漆が塗られている

[LOG]も、日本の左官職人や和紙職人など“職人”と言われる人々の「手の力」と、スタジオ・ムンバイのセンスの融合によって再構築されました。

▲[Cafe&Bar Atmosphere]にあったインド職人の方が作ったというベンチ
日本の職人の「手の力」だけではなく、スタジオ・ムンバイの本拠地、インドの職人の「手の力」によってつくられた家具も注目したいところです。

また、特徴的なのはLOGの建物全体の配色。どこかインドを想起させるようなカラフルな色味はイギリス人のカラーアーティスト、ムイネルさんによって114色の色から選び抜かれたものだそう。

▲外壁の色を決めるために作られたというサンプルカラー。ピンクの外壁は144色の候補から選ばれた

本来であればビビットすぎるであろう色も尾道の景観にすっと馴染んでいるように感じるのは、これらの色たちは全てムイネルさんが尾道で過ごして風景を見つめる中で、インスピレーションを受けたものだからでしょうか。

今回、私たちはカフェ[Cafe & Bar Atmosphere]を利用しました。

▲季節ごとのスイーツも。2月は苺のパンナコッタだった
ホテルの宿泊ができなかったとしても、気軽にカフェを利用できるのは嬉しいポイントですよね。

尾道産のレモンを使ったレモンケーキやレモネード、同県の三次市にある三良坂フロマージュのヨーグルトを使ったチーズケーキなど、広島県や尾道の特産品を使ったスイーツやドリンクもレギュラーメニューとして用意されています。

どれにしようか目移りしてしまうほど、おいしそうなメニューが並びます。誰かと一緒に訪れた際は、別々のものを頼んでシェアするのもおすすめです。おいしさも楽しさもシェアしましょ!

さて、そろそろ夕焼けの時間。

しまなみ海道から夕焼けを眺めつつ、車を走らせ本日のお宿へ向かうこととしましょう。

■詳細情報
・名称:LOG
・住所:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町11−12
・地図:
・アクセス:JR尾道駅よりタクシーで約5分,徒歩約15分
・営業時間:
[Shop] 9:00-18:00
[Dining] 朝食 7:30-10:00[L.O.9:30]※ご宿泊者のみ/夕食 18:00-22:00[L.O.20:30]
[ギャラリー] 9:00~18:00 ※ご宿泊者のみ
[Cafe & Bar Atmosphere]カフェタイム 11:00-17:00[L.O.16:30]
・定休日:無休
・電話番号:0848246669
・公式サイトURL:https://l-og.jp/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/log_onomichi/

土生の”ハブ”となる存在を目指した宿[HUB INN]

▲あまりにもかわいくて家にも持ち帰りたくなったこちらの1.5人掛けの椅子は、同県内の[さしものかぐたかはし]さんのものだそう(本館)
今回の宿は因島(いんのしま)・土生町(町)にある[HUB INN]。

▲HUB INN(本館)
▲HUB INN 離れの入り口
▲HUB INN 離れの客室
▲HUB INN 離れの客室
HUB INNは本館と離れがあり、離れは昨年できたばかり。

本館は4名までの一棟貸切、離れは2名までの1棟貸切です。

どちらも一組までしか泊まれないので、もし予約サイトを見てみて空いていた時は、運命だと思ってぜひ予約をしてみてほしいです。

HUB INNのオーナー・松本さんはポルノグラフィティの大ファンだそう。さりげなく、けれどもファンの人なら気づきそうなポルノグラフィティの要素が散りばめてある客室。

こんなところに…! と感心してしまうほどのさりげなさでポルノグラフィティ要素が隠れているので、ぜひ探してみてください。見つけられなければ松本さんに質問してみるのもありかもしれません。

ただし、もしわかっても松本さんとこれまでHUB INNに宿泊した方々、そしてあなただけの秘密にしておきましょう。次に訪れる人のワクワクを奪ってしまわないように。

また、ここHUB INNに滞在しているとポルノグラフィティと同じくらい松本さんの因島、ひいては広島への愛を感じます。

例えば朝食。

▲食パンは[オカノパン]、八朔のジャムはHUB INNとコラボして作っているものだった
食パンとジャムが用意されているのですが、どちらも因島にあるお店のもの。

HUB INN
HUB INN▲トースターも客室にあるので、焼きたての食パンを楽しめる

島で愛されているもの、島に住む人たちが日常的に食べているものを体験できるのは、とても嬉しくて貴重な経験です。

トースターでパンを焼きながら、コーヒーを飲みながら、1.5人掛けの椅子に掛けてパンにかじりつきながら、今日の予定を立てましょう。

■詳細情報
・名称:HUB INN
・住所:[本館]〒722-2323 広島県尾道市因島土生町1896-12
・地図:
・駐車場:有
・予約サイト:https://www.chillnn.com/1784529472d1a8/plan
・チェックイン・アウト:チェックイン時間: 16:00 / チェックアウト時間: 11:00
・電話番号:08038736337
・メールアドレス:hubinn.innoshima1204@gmail.com
・料金:季節変動
・公式Instagram:https://www.instagram.com/hub_inn_innoshima/

尾道市内に戻り、16人乗り自転車「イチロク」に乗って市内観光

日本で唯一公道を走る16人乗り自転車「ICHIROKU」
しまなみ海道があり、サイクリングスポットとしても人気な尾道。そんな尾道には、オランダから来た16人乗り自転車があるといいます。しかも、日本ではここ、尾道でしか公道を走れないとのこと。

それは気になりますよね。4人いれば乗れるとのことで、体験してみることにしました。

「ICHIROKU」には観光客がなかなか足を踏み入れない尾道市街地の東側をめぐる、いくつかのツアーがあります。

1つ目は、尾道市街地の東側を[尾道造酢]のお酢を使ったオリジナルドリンクを片手に、「ICHIROKU」でサイクリングを楽しむ「尾道体験ツアー」。

2つ目は、クロワッサンとオリジナルドリンクを味わいながらサイクリングし、[尾道造酢]にある日本最古の酢蔵見学ができる「尾道今昔ツアー」。普段は一般公開されていない酢蔵でお酢を醸造する工程や、440年の年月を刻んだ蔵を見学できるのも見どころです。

3つ目は、今回私たちも選んだ「尾道ビールツアー」。‟地ビール”という響きに弱い人はぜひとも選んでほしいこのコース。尾道の食材を使ってビールをつくっているという[尾道ブルワリー]。醸造所の見学ができるだけでなく、ビールの試飲もできてしまいます。

▲ビールづくりについてとても丁寧に教えてくれた佐々木さん
▲「どんな味なんだろう?」と思わず興味を惹かれてしまうユニークなビールの数々

広島産の「レモン」を使った尾道エールや、ビールの世界5大コンペティションのひとつ「インターナショナル・ビアカップ」で賞を獲得した「岩子島トマトヴァイツェン」(トマトビール)、ふきのとう独特の香りがほのかに香る春のビール「蕗の薹エール」など、変わり種のビールをこれまでに21種類つくってきたという[尾道ブルワリー]。

▲ツアーには含まれないが、希望者は3種のビール飲み比べも可能
季節によって試飲・購入できるビールは異なるので、どの種類を飲めるかは行ってみてからのお楽しみ。

[尾道ブルワリー]を見学した後は、ビールを片手にいよいよ「ICHIROKU」でのサイクリングです。


出発前に気合いの乾杯をしていざ出発。

▲漕ぎ始めのタイミングでどれだけみんなで力を合わせられるかが重要
みんなで全力で力を合わせながら前へ進むあの懐かしい感じは、体育祭で息を合わせて掛け声をかけ合いながら進む二人三脚さながら。

漕ぐのに夢中になってしまい、ビールを飲むどころではなくなってしまうかも?(笑)

[ICHIROKU]のもう一つ嬉しいポイントは、しっかり自転車を漕ぐので、ツアー終了後にはお腹が空くこと。

▲ICHIROKUのスタッフさんが連れて行ってくれたスポットで記念撮影
いろいろと食べ歩きができる尾道。みんなと一緒に楽しめ、小腹を空かすことができる「ICHIROKU」を旅程に組み込んでみてはいかがですか。

■詳細情報
・名称:BETTER BICYCLES 尾道店
・住所:〒722-0035 広島県尾道市土堂二丁目10−24 2F ONOMICHI SHARE内
・地図:
・アクセス:JR尾道駅から徒歩約15分, タクシーの場合は約5分
・営業時間:10:00~18:00
・定休日:水曜日/年末年始
・電話番号:0848-38-2912
・料金:[尾道体験ツアー]¥1100- 1ドリンク(ノンアルコール)付き(ビールの場合は¥1650-) /[尾道今昔ツアー]¥3300- クロワッサン・1ドリンク付き /[尾道ビールツアー]¥3300- 試飲・ビール1本付き
・所要時間:[尾道体験ツアー]45分程度 /[尾道今昔ツアー]90分程度 /[尾道ビールツアー]90分程度
・公式サイトURL:https://better-bicycles.com/ichiroku/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/better_bicycles_onomichi/
■詳細情報
・名称:尾道ブルワリー
・住所:〒722-0045 広島県尾道市久保1丁目2-24
・地図:
・アクセス:JR山陽本線尾道駅から徒歩約15分
・営業時間:金・土 13:00〜19:00(L.O.18:30) / 日・祝日12:00~17:00(L.O.16:30)
・定休日:月・火・水・木
・電話番号:0848382710
・公式サイトURL:https://onomichibeer.com/

尾道の景色を楽しみながらオーガニックな日本茶を愉しむ[茶立玄 山手]

茶立玄山手
最近、日本茶は産地ごと、品種ごとにかなり味わいが異なるという気づきを得て以来、国内を旅するときに立ち寄っているのが「茶寮」や「お茶カフェ」、「ティースタンド」など、日本茶が楽しめるお店です。

ここ、尾道にも「茶立玄 山手」というお店があり、日本全国から取り揃えたオーガニックの日本茶を楽しめるという情報をキャッチし、訪れてみました。

「茶立玄 山手」は広島県・世羅町でお茶を育てている高橋玄機さん(以下、高橋さん)が、同じ尾道市街地内につくった[TEA STAND GEN]の2号店。

「この尾道でしか表現できないものをカタチにして、和と日本茶を伝えたい。そしてそれを体験してほしい」そんな思いからつくられたお店には、高橋さんのこだわりと世界観がたっぷり詰め込まれています。まさに唯一無二の空間。

店名もよくよく見てみると「茶=TEA」 「立=STAND」「玄=GEN」、とTEA STAND GENという英語を漢字に当字していて、玄さんの遊び心が感じられます。

店内も高橋さんこだわりの世界観のオンパレードでした。

茶立玄山手
お茶がのったお盆を置くテーブルには、茶染めしたという漁網ロープが巻き付けられていました。お盆をテーブルに置いたときのジャストフィット感はもちろん、海に面した尾道らしさを感じます。茶染め具合で色の出方を変えつつ、漁網ロープをインテリアへと昇華させてしまう高橋さんの発想力に驚きを隠せませんでした。

▲茶釜の形を模した「茶釜窓」

メインとなるお茶は高橋さん自ら選抜し、全国から取り寄せてきたオーガニックの日本茶。

「有機とひとことで表現してもビジネスライクなオーガニックと自然なオーガニック、2つのパターンがあると思います。

もちろん無農薬が100%良いとは思っていませんが、かつて中国から‟薬”として入ってきたお茶に、‟薬(化学肥料等)”を使うことに違和感を感じました。

オーガニックのお茶にはお茶本来の甘みやさわやかさがあり、それが魅力だと思っています。」

そうお話ししてくれた高橋さん。

オーガニックのお茶も、慣行栽培(通常のお茶栽培)のお茶にも、それぞれの良さがある。

どちらも体験して最終的にはご自身の価値観や好みでお茶を愉しんでほしいという。

茶立玄山手
茶立玄山手
私はオーガニックの日本茶を飲んだことがなく、せっかくなので高橋さんが在来種からつくった「清茶」と茶菓子にみたらし団子を。

この「清茶」の味わいがとても不思議で、私たちが日本茶と聞いてイメージする「煎茶」ぽさがなく、どちらかというと烏龍茶のような……。ふんわりとやさしい味わいで今までに体験したことのないお茶でした。

[茶立玄 山手]の2階からは尾道の街と海、「尾道らしい」景色が見渡せる。

電車の音や、鳥の声、海の音、尾道らしい景色に身を任せ、ゆったりとお茶をいただいてみては。

■詳細情報
・名称:茶立玄 山手(TEA STAND GEN YAMATE)
・住所:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町9-8
・地図:
・アクセス:JR尾道駅から徒歩約10分
・営業時間:10:00〜18:00
・定休日:木・金
・公式サイトURL:https://tea-factory-gen.com/
・公式Instagram:https://www.instagram.com/tea_stand_gen.onomichi.yamate/

さいごに

正直、1泊2日では足りないほど。他にも友だちをはじめ、この記事を読んでくださっている皆様にお伝えしたい、案内したい素敵な場所が尾道にはたくさんあります。

旅する上で、知識は旅をより楽しくさせてくれるスパイスとなります。

今回、ひとつひとつの場所で、オーナーさんやご担当者様にいろいろなお話を聞かせていただきました。

ぜひ、どんなバックグラウンドがあるのか、どんな思いが込められているのか、そんなことを少しでも知っていただき、実際に尾道へ訪れたとき、

「あ。これは〇〇だって読んだな」

そんな風に思い出していただけると嬉しいです。

良き、尾道旅を。

All photos by Hiroki Yoshida, Misako Yoshida

    編集部

    三重県うまれ、気づいたら住民票は茨城県。旅をこよなく愛し、放浪するあまり「どこにいるかわからない」と聞かれる始末。2023年にTABIPPOへジョイン。Instagramでは#miiitrip_〇〇というオリジナルハッシュタグで旅情報を発信中。さつまいもとカヌレ、きらきら光る水面が好き。

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