京都市・大阪・神戸から車・鉄道で約1時間半のところに位置する、京都府福知山市。
明智光秀のゆかりの街として、今もなお光秀が築いた福知山城や街並みが残っている地域です。
市内には田舎と街の両方を味わえる風景が広がり、移住先としての人気が急上昇中。
今回はそんな福知山での暮らしをご紹介します。実際に福知山市へ移住した方々にもお話を伺ってきました。
マイクロツーリズムも楽しめる街、福知山市
Photo by 福知山市
福知山市のキャッチコピーは、「ほどよく街で、ほどよく田舎」。
中心市街地には雇用、教育、医療、買い物など生活に必要な施設がコンパクトに集まりつつも、車を15分ほど走らせれば田舎らしい田園風景が広がります。
また、福知山市は福知山城をはじめ、定期市や食文化などマイクロツーリズムも充実している地域。
福知山城
また3つの鬼伝説が残る最強の鬼のまちとも言われていて、街の至るところに鬼モチーフのものがあり、名物「鬼そば」も楽しめます。
大江山鬼瓦公園にある「鬼のレリーフ」
移住者増加中! 充実した移住支援
コロナ禍を経て全国的に地方移住への関心が高まっている今、福知山市も移住者が増加傾向にあります。
2021年度の移住者数は前年度比で1.9倍、移住希望世帯数も前年度比で1.4倍に。
特に、アクセスの良さから関西在住者の移住先として注目を集めていて、過去には海外からの移住もあったのだとか。
田舎と都市部の両面を持つ土地柄に加え、移住者への支援が手厚いのも移住先としての人気の秘訣。
移住情報満載のウェブサイト「FUKUFUKU LIFE」では、空き家バンクの情報や移住体験ツアーの案内、先輩移住者の体験談などを掲載しています。
こうしたWEBでの発信により、移住先や二拠点生活の拠点として福知山を訪れる若い世代も増えています。
移住者インタビュー①旧銀行跡地に開業「CRAFT BANK」 創業者 羽星さん
「CRAFT BANK」創業者 羽星大地さん。 後ろの醸造所には1000リットルの大きなタンクを設置している。
東京でのIT企業勤務を経て、一昨年福知山市に戻ってきた羽星大地さん。
「ビールには人を繋ぐ力がある」「クラフトビールをもっと文化として根付かせていきたい」という思いから、クラフトビール事業への挑戦とUターンを決意したのだそう。
そんな羽星さんが宮崎県の「ひでじビール」でのビール修行を経て、共同創業者である庄田さんと作り上げたのが、クラフトビールブランド「CRAFT BANK」。
丹波栗や丹波黒枝豆といった丹波地方の素材を生かした、豊かなフレーバーが特徴のクラフトビールです。
クラフトバンクオリジナルビール 3rd バッチ「LAZY IPA」
また、同名の醸造所兼飲食店も福知山市内に設立。
銀行跡地のビルをリノベーションしていて、銀行時代に使われていたカウンターを再利用したバーカウンターや、金庫室を活用した個室のソファ席なども用意されています。
羽星さんたちの合言葉は、「ビール片手に、なんかやろう。」
新たな出会いや活動のきっかけづくりとなる空間を目指し、建物内にコワーキングスペースやイベントスペースも併設されています。
集った人たちがビールを飲んで楽しんだり、新たなコミュニティを作ったりできる場づくりとなっています。
移住者インタビュー②移住体験シェアハウス「Wぴーす」 堀夫婦
続いてお話を伺ったのは、移住体験シェアハウス「Wぴーす」を運営する堀さん。
堀さんは京都市内で生まれ育ち、軽井沢で人力車の仕事をしていましたが、コロナで無期限休業に。
福知山にある祖父母の家が空き家になっていたことや、元々海外のシェアハウスやゲストハウスをよく訪れていたことから将来ゲストを迎える側になりたいと思っていたなどのきっかけも重なり、「Wぴーす」の運営がスタートしました。
現在、「Wぴーす」は移住体験シェアハウスとして、2週間~1年間の期間限定で福知山での生活を体験できる施設となっています。
移住者は30歳前後を中心に、年代や経歴もさまざまな人が集まります。入居者が主催でイベントを開いたり、持っているスキルを共有したりして、交流が広がっていくのだとか。
堀さんは、仲良くなった入居者同士が語り合っている姿を見ることが幸せだと嬉しそうに語ってくれました。
これまで「Wぴーす」に住んでいた人は関係人口として、今でもほとんどの方が福知山と何かしらの繋がりがあるそうです。