こんにちは。たかたりよです。
2023年1月に、”九州生まれ九州育ち”の私が、初めての北海道を体験してきました。この記事では、北海道の東側「道東」エリア(十勝エリア、釧路エリア)を旅した様子をお届けします。
・参考:余白あふれる道東で、大自然を遊び尽くす旅を。道東トラベルウィーク2023冬を実施します|TABIPPO.NET(募集終了)
10日間とは思えないほど濃密な日々で、切り取るのが難しい。
でももしかしたら、それだけひと続きで、自然と流れる時間に身を委ねることができていたかもしれない。ということで、本記事では旅のテーマである「余白」について感じたことを、写真と共にご紹介します。
「なければならない」に支配される日常に「余白」を見つける旅
photo by Riyo
日々できることが増える一方で、「なければならない」に支配されてしまって、「自分は一体幸せなのだろうか」……? そんなことさえわからなくなってしまっていた時、この旅は始まりました。
一人旅をすることが多いと、事前にある程度の情報が頭に入った状態になっているのが当たり前。でも「余白」旅である以上、「予定」に縛られたくない。
どんな人と、どんな景色と出会うのか。何もわからないまま、ただただ心惹かれる方に進んでいきました。
流れのままに漂った先に広がっていた、マイナス25度の世界
photo by Riyo
この写真は、釧路川で朝5時に起きて乗り込んだカヌーからの眺め。なんと気温は氷点下25度。
じつをいうと、前日の夜中までの私は「寒そうだし、朝早いし……」と体験する気はさらさらなかったんです。しかし、ちょっとしたハプニングがあって乗ることができなくなった方から「絶対に乗った方がいい」と豪語され、「これは導かれているのかもしれない」とその言葉を信じてみたら……
photo by Riyo
この景色を、凍りつく空気を、60分間の静けさのなかを体験することができました。
今秋には、アドベンチャーツーリズム関係者が世界から集う「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット(ATWS)」も、北海道で実施されるそうで、こちらのカヌー体験も注目が集まりそうだなと思いました。
※北海道庁の紹介ページは【こちら】
凍えきった心身を溶かす、温かい家族のおもてなし
photo by Riyo
身体の芯から冷え切って、文字通りに足が凍りついて向かった先は、釧路のサウナ&ゲストハウス「THE GEEK」。
達川ファミリーに迎えられ、お言葉に甘えて温かいホットレモンと、メニューにはないお母さん特製の煮麺をいただきました。
優しく温かい食事が、凍えりきった身体を少しずつ溶かしてくれて、暖かく過ごすことができる幸せを噛み締めました。幸せが心に染み渡っていく感覚を思い出します。
photo by Riyo
身体が温まった後は、最高の景色を眺めながら仕事に集中。
photo by Ryo Osera
仕事の合間には、サウナへ。
photo by Ryo Osera
外気浴をしながら見た、冬ならではの「SL冬の湿原号」が塘路駅に到着する様子もまた、どこか懐かしくて素敵でした。
夕方には「見にいってみる?」と声をかけていただいて、達川ファミリーが新たに準備をされている牧場へ。車で10分ほど走った先に広がる銀世界の中、優しい目をした馬たちが暮らしていました。
photo by Yuki Higuchi
私たちの抱いている思いを見抜いて怯えたり、懐いたりする彼らとの触れ合いは、自分を見つめ直すきっかけになりました。
photo by Riyo
「帰りたくない」というよりもむしろ「また帰ってきたい」の思いを抱いて向かった塘路駅。
流れに身を任せ、予定になかったことで埋め尽くされた余白の時間。まさに、意図せずして大自然を感じ、生死と自身の心と向き合った、まさに「余白」の時間・空間に、どっぷり浸かることができた1日だったと言えるかもしれません。
釧路の大自然と人々の暖かさに完全に魅了され、もはや「愛」のような感情さえ芽生えた1日でした。
弟子屈で見て、聞いて、 触れて感じた「大地の力」
続いてご紹介するのは、マイクロバスに乗り込み釧路から1時間ほどかけて向かった弟子屈のスポット。
photo by Riyo
到着するまでに見たバスの窓からの景色も壮大なものだったのだけれど、マイクロバスの運転手さんにすべてお任せして辿り着いた先々には、想像をはるかに超える大自然が広がっていました。
photo by Riyo
ここは、屈斜路湖のほとりにあるコタン温泉。野湯を公衆浴場として開放してあるため、羽休めに集まる白鳥たちを眺めながら温泉に浸かることもできます。
photo by Riyo
続いては、摩周湖第1展望台。夕陽が沈むまでの時間、写真からでも伝わってくるような澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで、道東旅を終える準備をしました。
そして、いよいよ日の入りの時間。
photo by Riyo
そんな、誰かが言った言葉を思い出しながら、目の前に広がる夕陽と、それを眺める旅の仲間の背中を眺めたその時間は、まさにその言葉通り、忘れられない時間になりました。
続いて、暗くなった硫黄山へ。大地は、陽が沈んでも変わらず動き続けているんだということを実感しました。
photo by Yuki Higuchi
民宿に帰る前に、硫黄山の麓だからこそ味わえる酸性の強い温泉で疲れを癒しました。最後の最後まで、自然の力を全身で感じることができました。
photo by Yuki Higuchi
誰もいない銀世界で「耳にした」静寂
もちろんこの旅の間も、いつもと変わらずリモートワークをしていた私は、正直言ってカレンダーに「余白」はまったくありませんでした。
でも、それでもこの旅に参加する以上、日常では体験できない「余白」に触れ、今までに抱いたことのない感情や気づきを得たいという思いを持ち続けていました。
そんな思いで過ごした約2週間、気がついたことがありました。それは、「余白」は意識をすればきっと、どんな環境であっても見出すことができるということです。
photo by Riyo
これは、道東で初めて目にした一面の銀世界。誰もいないこの銀世界を、たった一人で、誰の声も聞こえない場所で眺めてみたくて、楽しそうな旅の仲間たちからふっと離れてずっと先まで歩いて行ったんです。
振り返って私の撮影した動画を見てみると、正直あまり上手ではなくて。でも、私はこの時に目にした景色、そして何より「耳にした」静寂が忘れられません。
ほんの一瞬のことでしたが、少し離れただけでこんなにも静かな世界が広がっているんだ、ここから道東の旅が始まるんだ、ということを再認識できた瞬間でした。
「余白」を旅で終わらせない。また訪れるために今、私にできること
photo by Yuki Higuchi
もちろん、道東を旅したこの2週間は、こうして行く先々で大自然や動物と触れ合い、人の優しさに触れることができました。
だからこそ感じた「余白」もたくさんあったと思います。
でも、何よりも大きかったのは、「行く先も体験することも、ほぼすべて流れに身を任せよう」という心構えだった、そう確信しています。
だから、もちろん道東は恋しいけれど、「予定」で埋め尽くされる日々を悲観するのではなく、「予定」の隙間にある「余白」を見つけ出せる人でありたいと思うのです。
photo by Yuki Higuchi
そんな大切なことに気がつかせてくれた道東のローカルフレンドや動物たち、そして大地に、心の底から湧き出る感謝と「愛」を伝えたい。
そしてまた必ず、あの大地に帰り「心を洗う」そんな体験をしたい。
だからこそ私は今日も、予定で溢れる日々に、小さな「余白」を見出し、ときめく方向へ進み続けたい、そう強く思います。
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