そろそろ知らない町を訪ねて見たい。
広島県、牡蠣やお好み焼きがおいしいし、それと合わせて飲むレモンサワーも最高。厳島神社は何度いっても荘厳で魅力的だし、海沿いで猫の多い尾道は何度行ったて癒しの町。
でもそろそろ、まだ知らない広島県を知りたくなってきた。そんなみなさんへ。
海沿いが観光スポットとして大定番な広島県だけど、山側だって魅力的な場所がたくさん。日本の伝統芸能神楽が超気楽に楽しめるスポットがあるらしいと聞いたので、神楽を観に広島県北部へ行くことにしてみた。
伝統芸能神楽と雄大な自然を愉しむ一泊2日おとな旅。モデルコースとしてぜひ参考にしてみてほしい。
見出し
東京駅からまずは広島駅へ!
午前7時、東京駅から新幹線に乗って、向かうは広島駅。
広島県、空港もあるのですが少し立地が良くないところにあるため、じつは新幹線でいくのが楽ちん。
東京から広島駅までは約4時間ほどですが、午前7時に出れば午前11時には広島駅に到着するので、日帰りでも半日は観光できます。
広島駅到着!レンタカーを借りて、豊平流そば打ち体験へ
11時すぎ、ちょうどお昼時でお腹が空いてくる時間帯。
小腹を満たすのを少し我慢して、広島駅から車を1時間ほど走らせ北広島町にあるそば処「どんぐり庵」へ。
もちろんそば打ちをしなくてもそばを食べることは可能ですが、せっかくなら普段体験しないそば打ちから始めて、自分が打ったそばを旅の1食目としたいところ。
隣接されている「そば道場」では先生が丁寧に教えてくれるので、初心者の方でも安心して体験できます。
そば粉をこねあげ、栗きんとんのような形へ成形
自分で打ったそば、まばらな太さになっているのも愛しい
指導してくれた先生は、ことあるごとに「ええ仕事してるわ〜」と褒めてくれるので、自己肯定感もとてもあがる。おいしいそばが初めてでもできる自信が湧きます。
打ち終わったそばは早速茹でていただきます。
麺の太さがまばらだったりと少し不格好なそばが出来上がりましたが、それも愛しい。
見本として先生が切ってくれた箇所と自分が切った箇所ではまるで麺の太さの均一性が異なるので「これは私が切ったやつだね〜」「これは先生だ!」そんなことを話しながらそばを食べる時間も楽しいもの。
ちなみに、こちらのそば道場、資格も取れるのでそば打ちにハマった方はぜひ段位取得、目指してみてください。
・名称:そば処 どんぐり庵
・住所:〒731-1712 広島県山県郡北広島町都志見12609
・地図:
・アクセス:[車の場合]中国自動車道・広島北ICから国道261号経由し、主要地方道安佐豊平芸北線を芸北方面へ約15km(約20分)
[バス]広島バスセンターから琴谷行き~龍頭山登山口下車(徒歩3分)
・営業時間:11:00~14:00
・そば道場の体験時間:10:30~/14:30~
・定休日:第3火曜日(休館日)変動あり
・電話番号:0826-84-1313
・料金:そば打ち体験は一鉢 3,800円(税込)
※一鉢で約5名様分のそばができますので、3,800円でご家族みなさんの参加も可能です(道具は1セット)
※1~3名様程度で体験されるのがおすすめです。
・所要時間:そば打ち体験は約70〜80分
・公式サイトURL:https://www.dongurimura.co.jp/?cn=100009
優雅なひと時をハーブガーデンで
旅先はお腹のキャパシティは無限大。
朝昼晩3食だけでなくて、もちろんアフタヌーンティーだって行けちゃいますよね。
今回はせっかくちょっとニッチな広島旅をしているので、山奥にあるハーブガーデンでアフタヌーンティー。
だけではなく、ここでリースづくりも体験しちゃおうの回です。
ハーブガーデン、可愛い小屋の奥には広大なハーブガーデンが広がっていました。
ちょうど訪れた季節はカモミールが満開の時期だったので、ついつい可愛らしいカモミール畑に惹かれて少しだけ散策。
咲いているカモミールでお茶が飲めるということで、リース作りの合間に注文することに。
カモミール畑を満喫したらいよいよリースづくりです。
リースづくりなんかしたことないし……そもそも自分のセンス、1ミリも信じられないんだが……
そんなみなさん、安心してください。
あーでもないこーでもないと独り言を呟きなが作業を進めていく
緑をたくさん使うのも可愛いかも!?
先生が丁寧に教えてくれ、助けを求めればアドバイスだってどんどんくれちゃいます。
可愛らしい見本も置いてあるのでそれを参考にするのも良いかもしれませんね。
さてリースづくりが終わった頃、ハーブガーデンの方がタイミングよく注文したカモミールティーを準備してくださったので、お茶をいただくことに。
細かい作業で集中して、意外と神経を使っていたらしいリースづくり、カモミールティーを飲むとほっと肩の力が抜けました。
・名称:天意の里ハーブガーデン
・住所:〒731-2104 広島県山県郡北広島町大朝11654-1
・地図:
・アクセス:[車の場合]大朝ICから車で約10分
・営業時間:10:00~16:00
・定休日:木・金
・電話番号:0826-82-3898
・料金:リースづくり|1,650円(税込)~ ※要予約
カモミールティー|440円(税込)/一人前
ハーブガーデン散策|入園無料
・公式instagram:https://www.instagram.com/aino_sato
本日のお宿、神楽門前湯治村へ
そば打ち、リースづくりと本当に半日しか過ごしてないのかという半ば懐疑心とそれ以上の満足感を抱えながら、向かうは本日の宿泊先「神楽門前湯治村」(以下:湯治村)へ。
昭和レトロな街並みを再現して25年前に作られたという湯治村。
25年前に作られたとは思えないほどの年季とどこか懐かしい雰囲気が漂う、湯治村。ランドマークになりそうな温泉施設は、ジブリの世界に迷い込んだような錯覚を覚えます。
あれ?千と千尋の世界体験?
気分はそんな感じ。
そんな雰囲気をもつ湯治村ですが、ここの特徴は神楽専用の舞台が隣接されていること。
神楽(かぐら)神前に奏される歌舞。神座を設けて、神々を勧請(かんじょう)して招魂・鎮魂の神事を行なったのが神楽の古い形で、古くは神遊(かみゆう)とも称した。神楽の語源は、神座(かむくら)の約音とするのが定説である。神楽の起源説話として有名なのは天照大神が天岩戸に隠れた時、天岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が神がかりして舞ったとする伝承であるが、ー(以下中略)
引用:ジャパンナレッジ
簡単に言ってしまうと、神楽は五穀豊穣を願い秋の季節に行われていた舞踊。
森羅万象を司る神が人々の願いによって神聖な場所神座に降りてきてくださった時に、その前で舞踊を行い、神を慰めていたものが神楽だといいます。
神楽は全国各地で舞われていましたが、そのなかでも広島県の安芸高田、芸北神楽の特徴は演劇性が高いとのこと。
この神楽が気軽に楽しむことができる神楽ドームがここ、湯治村にはあるのです。
もちろんここまできて観ないで帰る、という選択肢はありません。夜ご飯をいただいてから、観劇に参りました。
鬼から〜〜〜い、ご当地うどんの「夜叉うどん」
・名称:神楽門前湯治村
・住所:〒731-0612 広島県安芸高田市美土里町本郷4627
・地図:
・アクセス:中国自動車道・高田ICから約7分/中国自動車道・千代田ICから約15分
※送迎バスは美土里高速バス停~湯治村間の運行(※昼神楽公演のある日曜・祝日 運行)
・営業時間:各施設によって営業時間は異なるため、公式サイトをご覧ください
・電話番号:0826-54-0888
・公式サイトURL:https://toujimura.com/
日本の伝統芸能を楽しむ、夜神楽観劇
午後8時。
おいしい夜ごはんも堪能して、夜神楽へ。
この湯治村で観ることのできる神楽の魅力はなんといってもそのフラットさ。
“日本の伝統芸能を鑑賞する”となると、イメージするのは厳かな雰囲気の会場で、飲み食いなしで、静かに鑑賞。ちょっと息苦しい感じ。
ですが、神楽は違うのです。
神楽鑑賞のルール
他のお客様の迷惑にはならないように
自由に好きなものを食べて良し。お酒を飲みながら鑑賞しても良し。他の人の迷惑にならなければ、多少のおしゃべりもOK。
寝そべって鑑賞しても良し。無造作に掛け声をかけることだって良し。これらぜーんぶ、お咎めなしです。
ルールは、好きなように過ごしながら神楽を楽しむこと。
神楽は神様と一緒に楽しむための芸能。天蓋から神様も神楽を鑑賞してらっしゃいますが、欠点の多き人間のやることなんて大抵目を瞑って見過ごしてくださいます。
神楽のこの観客へのアマさが地元の人々の娯楽の場としてなり得ている秘訣なのかもな、と思います。
実際、お客さんは地元の人がとても多く、食べ物を食べながら鑑賞している家族や、おじいちゃんとお孫さん2人で観にきている人、授業終わりのデートかな?高校生のカップル。お父さんが神楽に出演しているのを応援しにきている家族。
本当に客層様々でした。
神楽という日本のいち伝統芸能がこれほどまでに地域に根付き、愛されていることに衝撃を受けたとともに、これほどまでに地元の人を魅了している安芸高田の芸北神楽とはどんなものなのだろうか。
観る前から心が躍ります。
神楽のここに注目せよ!
事前に湯治村の支配人の方におすすめしていただいた初神楽の楽しみポイントは次の3点に注目せよ!とのこと。
【注目ポイント1】芸北神楽の特徴、ミュージカル性
喋ったり、歌ったり、舞ったり。
とにかく、芸北神楽は日本版ミュージカルを見ているような感覚になれるそう。
ずっと喋りながら走り回っていた演者の方。客席にまで降りてきてくれてた。
気軽な気持ちで神楽を楽しんでくださいとのこと。
【注目ポイント2】豪華絢爛、超重量の衣装
神楽の見所の一つは、その豪華絢爛な衣装。重いものだと30kgもあるそう……!
繊細で美しい衣装の装飾にもぜひ注目してみてください。
【注目ポイント3】くるくる回ること
神楽の舞踊の特徴の一つに、長く速く回るという演出があります。
見てるこっちが目が回りそうになるのではないかと思うほどの回転をぜひ楽しんでください。
【番外編】早変わり
演目にもよりますが、一瞬でお面をはめる早変わりも見所。
どうしても見てみたいというそこのあなた、神楽ドームに隣接されている、神楽資料館へいってみてください。
早変わりのシーンの動画が流れていますよ。
神楽は全国各地で鑑賞することが可能ですが、地元のお祭りのような感覚を味わいながら、日本の伝統芸能をこれほどまで気楽に楽しめる場所は珍しいと思います。
ぜひ、広島県へ行ったさいは、少し足を伸ばして湯治村で夜神楽を観劇してみてください。感激します。