こんにちは。ドイツ在住トラベルライターのYuです。
今回は、以前の記事「シチリア第2の都市・カターニアって知ってる?遺跡、絶景、グルメ欲張り旅プラン」でご紹介した、シチリア第2の街・カターニアから日帰りで行けるタオルミーナを紹介します。
正直アクセスがいいとはいえないのですが、ここでしかできない体験や絶景は今でも鮮明に思い出すほど印象に残っています。
ちょっとツウな旅行がしたい!コアな旅先に行きたい方は要チェックですよ♪
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シチリアが誇るリゾート地、タオルミーナ
photo by Yu Villegas地中海に浮かぶシチリア島。そのため海に面した街も多いのですが、タオルミーナはその中でも特に美しいリゾート地として知られています。
シチリア第2の都市・カターニアからは車で1時間ほどのため、カターニアを拠点に日帰り観光も可能です。
可愛いすぎる街並み、地中海リゾートのリラックスした雰囲気、古代遺跡……と小さな街ながら見ごたえがあり、私もすっかりこの街の虜になってしまいました。
photo by Yu Villegasアクセスが悪いにも関わらず、今も昔もその美しさを一目見ようと世界中から観光客が集まるタオルミーナ。
例えばドイツ皇帝ヴィルヘルム 2 世やオーストリア皇后エリザベートなど、ヨーロッパ史に残る有名人たちもタオルミーナを訪れ、その美しさに魅了されたといいます。
小さな街なので、見どころはすべて徒歩でまわれるのも観光客には嬉しいポイントです。
中世とリゾートのMIX感が最高。街歩きを楽しもう
photo by Yu Villegasタオルミーナに到着したら、まずはメイン通りである「ウンベルト通り」から街歩きをスタートしましょう。
全長1㎞ほどの通りには、可愛らしいカフェやお土産屋さんが立ち並んでいて、歩いているだけでもワクワクすること間違いなし。
photo by Yu Villegas道すがらには、古い教会や遺跡の姿も。リゾート地ならではの華やかでのんびりとした雰囲気と、歴史ある建造物がナチュラルに調和している街並みこそ、タオルミーナの真髄なのです。
ウンベルト通りからはいくつもの路地が入り組んでいて、どこに行ってもハッとするような美しい光景に出会えます。
photo by Yu Villegasお土産屋さんひとつとっても、本当に素敵。
また「シチリアの中でも1番治安がいい街」としても知られているので、女性だけの旅にもおすすめの街です。
4月9日広場で陽気なイタリア音楽と絶景を
photo by Yu Villegasウンベルト通りを進んでいくと見えてくるのが、タオルミーナの中心地「4月9日広場(Piazza IX Aprile)」です。
なんだか広場の名前らしからぬネーミングですよね。
この由来は1860年の4月9日にスペインからシチリアを独立させるための解放軍がくるという噂が広まり、興奮した市民たちが広場に集結し大熱気に包まれたそう。しかしその噂はなんと勘違い!実際に解放軍が来たのは5月9日だったのですが、4月9日の歓喜を忘れないために、独立の記念として広場の名前になったんだそうですよ。
この広場は海側への展望台にもなっていて、タオルミーナで1番の絶景を眺めることができます。
photo by Yu Villegasイタリア音楽を奏でるミュージシャンの生演奏も最高です。
こちらの二人組のおじさんたちは、何年も前からこの場所で演奏を続けているのだそう。
素敵な旋律についつい居合わせた人たちが踊りはじめ、シチリアらしい明るく開放的な雰囲気に包まれていました。
photo by Yu Villegas広場にはオープンテラスのカフェもあるので、のんびりとこの雰囲気を楽しんでみるのも良いですね。
もちろん、広場にある建造物も見逃せません。
photo by Shutterstock
広場で1番目を引くのが、時計塔。アラブ人占領下に作られたもので、現在まで何度も修復が行われいるんだそう。
ちなみにシチリアは、ギリシア人やローマ帝国などさまざまな勢力に支配されてきた歴史があります。
どの時代の建造物もずっと大切に保存され、それがシチリアならではの景観を作り出しているのです。
大人気のレモングラニータで小休憩
photo by Yu Villegasイタリア料理やお菓子には多くのレモンが使われているので、イタリア=レモンというイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。
そんなイタリアで出回るレモンの7割を生産するのが、シチリア島。
シチリアレモンは形は不揃いで見た目もゴツゴツしていますが、酸味がまろやかで香り高いレモンとして世界中の料理人から愛されています。
photo by Yu Villegasさて、そんなレモンを使った美味しいデザートを食べるには「Bam Bar」へ行きましょう!
ウンベルト通りから小道を下っていくと、たくさんの人で賑わう小さなお店が目に入ってきます。
シチリアのカラフルなタイルが本当に可愛くて外観を写真撮影する観光客も多く見かけました。
photo by Yu Villegasここで絶対に食べたいのが、「グラニータ」!
シャーベットとアイスクリームの中間のようなもので、シチリアでよく食べられているデザートです。
こちらのお店ではたくさんのフレーバーがあり、好みの2種類をカップに盛り付けてくれます。
おすすめはやはりレモン味ですが、店員さんのイチオシはアーモンドとピスタチオのコンビネーションとのこと。(どれも絶品でした!)
グラニータは、焼き立てブリオッシュ+コーヒーと一緒に食べるのがBam Bar流だそうなので、ぜひお試しくださいね。
・名称:Bam Bar
・住所:Via di Giovanni, 45, 98039 Taormina ME, Italien
・地図:
・アクセス:4月9日広場より徒歩7分
・営業時間:7:00~23:00
・定休日:7月8月は毎日営業、オフシーズンの冬季は不定休
・電話番号:+39094224355
・公式サイトURL:公式Facebook
地中海を眺める絶景ギリシア劇場
photo by Yu Villegasさて、グラニータ休憩をとってリフレッシュしたらギリシア劇場へ向かいましょう!
ちなみに上記のBam Barは、ちょうど4月9日広場とギリシア劇場の中間にあるので、この記事の順番どおり「ウンベルト通り→4月9日広場→Bam Bar→ギリシア劇場」と行くと、時間のロスなくタオルミーナを巡れるのでおすすめですよ。
さて、古代ギリシア時代につくられたこちらの劇場。個人的にはシチリア旅行のハイライトとなるくらい、感動の絶景体験でした。
photo by Yu Villegasまずこのロケーションがすごい。
観客席に座ると目に入ってくるのが、舞台の背後に広がる真っ青な海。
舞台中央を通して見えるのは、世界遺産のエトナ山。
これは偶然ではなく、古代ギリシア人が計算し尽くして設計した結果と言われています。
photo by Yu Villegas自然の風景を、舞台の背景に利用するなんて……古代ギリシア人の美的センスには脱帽ですね。
現在でも毎年夏にはこの舞台でコンサートが開催されています。ライトアップされた古代劇場で鑑賞するオペラやクラシックコンサートは、とても幻想的な体験になりそうですね。
25ユーロ~とお手頃価格のチケットもあるので、タイミングが合えばぜひ旅程に組み込んでみては?
・名称:Teatro Antico di Taormina
・住所:Via Teatro Greco, 1, 98039 Taormina ME, Italy
・地図:
・アクセス:4月9日広場より徒歩12分
・営業時間:時期によって異なるので、公式サイトを要確認
・電話番号:+39094223220
・料金:大人12ユーロ、18歳未満は無料
・公式サイトURL:Naxos Taormina Archaeological Park (parconaxostaormina.com)
小道に入った隠れ家レストランでディナー
photo by Yu Villegasせっかく海辺の街であるタオルミーナに来たからには、新鮮な魚介料理を楽しみたいところ。
私たちが行った「Ristorante al Paladino」はカルパッチョやまぐろのタルタルなど、魚介をたっぷり使ったモダンなシチリア料理が人気を集めています。
photo by Yu Villegasどのお魚も脂がのっていて、本当に絶品。パスタ料理もデザートも本当に美味しかったです。とくにこちらのティラミスは、イタリア国内でも1番美味しかったのでは!?と記憶に濃く残っています。
店員さんたちもとてもフレンドリーで、気持ちの良い接客。総合的におすすめのレストランでした。
・名称:Ristorante Taverna Al Paladino
・住所:Via Naumachia, 21, 98039 Taormina ME, Italien
・地図:
・アクセス:4月9日広場より徒歩2分
・営業時間:12:30~23:30
・電話番号:+39094224614
・公式サイトURL:Ristorante Taverna a Taormina | Al Paladino (ristorantealpaladino.it)
アクセス方法
photo by Yu Villegas最後に、タオルミーナまでのアクセス方法をご紹介しましょう。
カターニア空港からは、ETNA社バスでタオルミーナまでの直行バスがあります。
運賃は片道8.2ユーロ、所要時間は1時間15分ほどで、空港出口そばの長距離バス乗り場から乗車しましょう。
タオルミーナの到着エリアは旧市街の少し外側にあり、市の中心地まで徒歩5分ほど。
photo by Yu Villegasカターニア市内からは、ETNA社と、Interbus社が長距離バスを運行しています。
どちらも運賃は片道5ユーロ・往復8ユーロほどで、所要時間は2時間ほど。カターニア鉄道駅の長距離バス乗り場から乗車します。
バスの時刻表・チケット購入は同じ公式サイトから確認できます。(切符は、当日バスの運転手さんからも購入可能)
ご利用前にチェックしておきましょう。
どんなに遠くても行きたくなる場所
正直日本からも、私が住んでいるドイツからもシチリアは遠く、タオルミーナはさらに辺鄙な場所にあります。
子連れで長距離移動とストレス満載の時間もありましたが、どうしても行きたかった場所なので「チャンスがあるときに行ってよかった」と今では感じています。
どの方にも、世界には「行ってみたいけど遠すぎるしアクセスも悪すぎるから……」と行くのをためらってしまう場所があると思います。
この記事をきっかけに、あえてそんな場所へ行ってみる旅もいいかもしれない、なんて思っていただければ嬉しいです。