海道to海道へ。自転車でめぐる「ゆめしま海道」
しまなみ海道のすぐ横にある愛媛県上島町の4島。もともと弓削島・佐島・生名島(いきなじま)の3島が橋でつながっていたのですが、2022年に岩城島(いわぎじま)をつなぐ最後の橋が完成し、正式に「ゆめしま海道」として開通しました。
しまなみ海道から船で島へわたり、その中でゆめしま海道を巡るという、海道to海道をとれるルートは国内でも極めて稀有と言えます。そんなこのアイランドホッピングを楽しむなら、おすすめしたい巡り方はやはり自転車です。
一度船で渡らないとアクセスできないため、交通量が少なく、穏やかな島時間を感じながら、爽快なサイクリングを楽しむことができます。マイ自転車がない方でも、しまなみ海道でレンタサイクルを利用し、船で渡ればゆめしま海道を走ることが可能ですよ。
少し中級者向けのルートとしておすすめなのが、岩城島の積善山(せきぜんざん、標高370m)。なかなか体力が必要なヒルクライム(自転車で坂を上がること)が強いられますが、山頂の展望台からの眺めは絶景!特に春、桜と瀬戸内海の織りなす風景は圧巻です。
・名称:ゆめしま海道
・住所:愛媛県越智郡越智郡上島町弓削島・佐島・生名島・岩城島
・地図:
・アクセス:しまなみ海道の各港からアクセス可能。家老渡港(因島)〜上弓削港(弓削島)、土生港(因島)〜生名港・立石港(生名島)、洲江港(生口島)〜小漕港(岩城島)、今治港〜岩城港(岩城島)など。ゆめしま海道に入ったら、各島には陸路でアクセスできる。
・公式サイトURL:https://www.kamijima.info/sightseeing/yumeshima-kaido/
キリシタンの祈りの歴史をめぐる「五島列島」
日本の西端に位置する五島列島。名前の通り、主要な5つの島からなり、海路と陸路を組み合わせて、多彩なアイランドホッピングを楽しむことができます。
五島列島は、上五島(中通島、若松島など)と下五島(福江島、奈留島、久賀島など)に分かれ、それぞれに独自のアイランドホッピングの魅力があります。
まず上五島は、陸路が発達していることが特徴です。中通島と若松島は橋でつながっており、さらに橋を通じて世界遺産に登録されている頭ヶ島天主堂のある頭ヶ島にもアクセスできます。入り組んだ島々の地形を感じながら、各所で潜伏キリシタンの祈りの歴史に触れられるのが魅力です。
一方、下五島は海路で島々がつながっています。久賀島や奈留島には、1日に数便しかない船でアクセスするため、それ自体が何だか特別な体験です。2つの島にはいずれも世界遺産に登録された教会があり、キリシタン史跡を巡りながらアイランドホッピングを楽しめる、国内唯一の場所と言えるでしょう。
・名称:中通島(上五島の代表的な島)
・住所:長崎県南松浦郡新上五島町
・地図:
・アクセス:長崎港から有川港まで高速船約1時間43分、長崎港から奈良尾港までジェットフォイル約1時間10分、フェリー約2時間35分、福江港から奈良尾港までフェリー約1時間5分
・名称:福江島(下五島の代表的な島)
・住所:長崎県五島市
・地図:
・アクセス:長崎空港または福岡空港から五島つばき空港まで飛行機で約40分、長崎港から福江港までジェットフォイル約1時間25分/フェリー約3時間10分、奈良尾港から福江港までフェリー約1時間5分
・公式サイトURL:https://goto.nagasaki-tabinet.com/
トレッキングと冒険が待つ「利尻島」と「礼文島」
日本の北の果てに位置する利尻島と礼文島では、アイランドホッピングを楽しみながらトレッキングをするのが定番です。
まず、日本百名山のひとつであり、利尻富士と称される「利尻山(標高1,721m)」は、海からそびえ立つ美しい姿と、多彩な高山植物が咲き誇ることで、多くの登山愛好家の憧れの山として知られています。
一方、礼文島には島全体にトレッキングコースが整備されており、そのなかでもおすすめなのが、港からすぐの桃岩展望コースと、礼文島のハイライトとされる岬巡りコースです。また、中級者以上には、西海岸を歩く8時間コースというワイルドなコースもあります。
利尻島には空港があり、羽田空港や新千歳空港から直接アクセスできますが、礼文島へは海路でのアクセスとなります。利尻山の登山の予備日も含めて、5日から1週間ほどの余裕を持って、利尻島と礼文島を行き来する旅を計画すれば、国内屈指のアドベンチャーなアイランドホッピングが楽しめるでしょう。
・名称:利尻島
・住所:北海道利尻郡
・地図:
・アクセス:稚内からフェリーでアクセスすることも可能だが、飛行機が便利でおすすめ。
【北海道エアシステム(HAC)】36席 ※JAL系列
丘珠空港→利尻空港
【全日本空輸(ANA)】126席 ※例年6月1日〜9月30日まで
新千歳空港→利尻空港
・公式サイトURL:https://www.rishiri-plus.jp/
・名称:礼文島
・住所:北海道礼文郡礼文町
・地図:
・アクセス:利尻島・鴛泊港から礼文島・香深港までフェリー約45分、稚内からフェリーでアクセスすることも可能
・公式サイトURL:https://www.rebun-island.jp/
アイランドホッピングで感性にしたがう旅を
モデルコースに縛られず、自分の感性に従って自由に旅を楽しみたい方には、アイランドホッピングの旅をおすすめします。各島々の独自の雰囲気を味わいながら、忘れられない風景や人との出会いが待っています。
北海道なら利尻島・礼文島と焼尻島・天売(てうり)島、東北なら松島湾に浮かぶ浦戸諸島。関東なら伊豆諸島、東海なら三河湾や伊勢湾の島々。
関西・四国・中国なら瀬戸内離島や隠岐、九州なら壱岐と対馬・五島列島・甑島(こしきじま)列島。奄美諸島、沖縄なら沖縄離島など、日本全国のどのエリアにも素晴らしいアイランドホッピングスポットがたくさんあります。ぜひ身近なエリアからチェックをしてみてください。
All photos by Yuhei Tonosho