旅先で素敵な暮らしに触れたり、SNSで海外の景色を見たりして、
「こんな暮らしがしたいな。」
「こんな景色を見て生きていきたいな。」
と思ったことはありませんか?
私はそんな感覚にたくさん触れるため、自然豊かでスローライフのイメージがあるニュージーランドにやってきました。夫婦で1年間のワーキングホリデー(以下、ワーホリ)生活です。
ところが、ただニュージーランドに来ただけではそんな場面に出会うことは少なく、むしろ日本が恋しくなる日々。
やっと素敵な暮らしに触れられるようになったのは、ニュージーランドに来て3ヶ月が経つ頃に始めた”WWOOF(World Wide Opportunities on Organic Farms;ウーフ)”のおかげでした。
見出し
夫婦ワーホリの目的
東京で普通の会社員生活を送っていた私たち夫婦は、2人で会社を辞め、家を解約し、ニュージーランドで1年間を過ごす決断をしました。
結婚をして、人生の主語が “I” から “We” に変わったため、これまでの常識や日本の当たり前に捉われず、自分たちのこれからを見つめ直す時間が必要だと思ったのです。このワーホリ期間は、私たちにとって人生のリセットとリスタートの機会でもありました。
当初は漠然と、「キウイピッキングなどのファームジョブをやってみたい」という程度のイメージしかありませんでした。そして、実際にニュージーランドに来て最初にやった仕事は、まさにキウイピッキングでした。
photo by Arthur
車中泊生活、慣れない肉体労働、ドイツ人やフランス人の同僚たち。東京でデスクワークをしていた頃とはまるで違う生活で、新しい気づきも多かったです。しかし、慣れるにつれて、毎日1万5千個くらいのキウイをひたすらとり続ける日々に、疑問を感じ始めます。
「この繰り返しの日々は、”素敵な暮らしに触れて、自分たちのこれからを考える”という目的に適っているのだろうか?」と。
ワーホリに行く前に録音していた自分たちのpodcastを聴き、ワーホリの目的や初心を思い出したことをきっかけに、予定より早くキウイピッキングを辞め、WWOOF生活を始める決断をしました。
WWOOFについてと、始めた2つの理由
WWOOFは、有機農業を営む農家さんのお家でお手伝いをする代わりに、宿と食事、そして有機農業に関する知識や経験を提供してもらうエクスチェンジサービス。
マッチングサービスのようなwebサイトがあり、年会費を払って登録すると、ホストを探して連絡をすることができます。年会費は個人だと25NZドル、ペアだと30NZドル。(2024年10月現在)
そんなWWOOFについて、知ってはいたものの、トータルで見ると赤字になってしまうことが引っかかり、最初はやろうと思っていませんでした。
ですが2つの理由から、WWOOFが私たちにとって良いのでは、と思うようになります。
ニュージーランドで暮らす人の生活を体験できる
1つ目は、ニュージーランドで暮らす人たちの生活を体験できること。
キウイピッキングの仕事をしている時は、会社が提供してくれるキャンプ場で車中泊をしていたので、その会社の社員と、同じくワーホリで海外から来た同世代としか関わる機会がありませんでした。
「スローライフのイメージがある、ニュージーランドの生活に触れたい」という想いもあり、WWOOFで暮らしを体験してみたいと思ったのです。
多様な経験ができること
2つ目は、多くの人に会って、多様な経験ができること。
仕事をするとなると、会社としてもある程度長く働いてほしいので、数ヶ月単位で同じ場所に留まり、同じ人と働くことになります。
一方WWOOFは1〜2週間程度の滞在。一緒に暮らすので、濃い時間を過ごしつつ、比較的短いスパンで多くの人と出会えます。ホストによってお手伝いの内容も変わってくるので、経験の幅も広がります。
WWOOFを始めてみた結果、目的やイメージ通り、とても良いワーホリ期間の使い方だと感じました。
確かに赤字にはなりますが、この1年間はお金よりも経験を重視するべき期間。日本にいた頃の貯金もありましたし、キウイピッキングで稼ぐこともできていたので、このまましばらくWWOOFを続けようと決めました。
最初のWWOOF。犬と一緒にトラクター