「意外と良い」と思える自分は辛いときの相棒になってくれる
スイス・ピラトゥスではハイキングにトライ
私はずっと自分に自信がなかった。高校や大学は「良い学校」とされるところを選んだし、就職のときは親が安心する会社を選んだ。私の選択基準はいつも「ガッカリされないこと」だった。自信がないから、誰かに認めてもらえることが拠りどころ。そんな自分がイヤだった。
正直に言えば、初めてのひとり旅から8年たった今も自信がないことに変わりはない。
それでも8年前と今とで違うのは、「意外と良い自分」がいると知っていることだ。
人からどう思われるかより自分の「これがやりたい」を優先できた。トラブルが起きても、時に人に助けてもらいながら乗り越えることができた。笑われるような些細なことかもしれないけれど、自分で思っていたより私は好奇心旺盛で、自分の意志で選ぶことができて、図太いのだと、知っている。
それは自分に対する信頼であり愛着でもあり、なんだかすべてがイヤになってしまったとき、そっと隣に座って「君にも良いところがあるよ」と背中をさすってくれる、「内なる相棒」だ。
ひとり旅に出て、内なる相棒を見つけよう
8年前のあの日、「えいやっ」と踏み出して、ひとり旅に出たから。そこから旅を重ねたから。
自分の悪くない一面を発見できた。そして辛いときは、その「意外と良い自分」が励ましてくれる。
ひとり旅は、そんな心強い内なる相棒を見つけることができる、絶好のチャンスなのだ。
All photos by Misato Sakaguchi