ロンドン観光でぜひ体験してほしいのが、舞台やミュージカル鑑賞。
世界最高峰のクオリティを誇り、海外からも多くの有名俳優が立つウエストエンドの舞台には、人生で一度は見てみたいと思える作品がたくさんあります。
「ウエストエンド劇場地区」と呼ばれるエリアは、約40もの劇場が集う、まさに激戦区。周辺には大英博物館やナショナル・ギャラリー、ヨーロッパ最大の中華街など、観光スポットも多数あり、ロンドン屈指の人気エリアとなっています。
今回は「王道を楽しめる代表的な作品」「親子で楽しめる作品」「筆者注目のイチオシ作品」の3つのカテゴリーに分け、年間20公演以上を観劇したロンドン在住の筆者が厳選した舞台・ミュージカルをご紹介します。
見出し
王道を楽しめる代表的な作品
ロンドンの宮殿劇場
ハリー・ポッターと呪いの子
日本でも絶大な人気を誇り、イギリスでもっとも有名な作品のひとつといえば『ハリー・ポッター』シリーズ。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、主人公たちの物語の19年後を描いています。
今作品の中心となるのは、ハリー・ポッターの息子アルバスと、かつての宿敵ドラコ・マルフォイの息子スコーピウス。不穏な事件が相次ぐ魔法界で、アルバスが「偉大な魔法使い」であるハリー・ポッターの息子であるがゆえの葛藤、2人の間に芽生える友情、過去と現在を結ぶ物語が繰り広げられます。
筆者は日本公演を見た後、ウエストエンド公演も鑑賞しました。大筋のストーリーは変わらないものの、ウエストエンド版は上演時間が長いため、より細部まで物語が丁寧に描かれている印象です。それぞれ異なる魅力があり、日本公演をすでに観た方でも十分楽しめる作品になっていると思います。
舞台上で繰り広げられる魔法の数々は本当に不思議で、まるで自分も魔法界に足を踏み入れたかのよう。その仕掛けを紐解くべく、何度でも足を運びたくなります。『ハリー・ポッター』シリーズを知っている方はもちろん、あまり馴染みがない方でも、その迫力ある魔法演出にはきっと驚かされるはずです。
なお、日本公演(1公演:3時間40分)と異なり、ロンドン版は昼公演となる第1幕を観た後、劇場外での休憩を挟み、夜公演にあたる第2幕を鑑賞する形となります。立て続けに2公演、1日で計5時間以上の鑑賞となるため、余裕をもったスケジュール調整がおすすめです。
・名称:Palace Theatre(パラス・シアター/宮殿劇場)
・住所:113 Shaftesbury Ave, London W1D 5AY
・地図:
・アクセス:レスター・スクエア駅より徒歩3分
・所要時間:第1幕(2時間40分)、第2幕(2時間35分)※どちらも20分の休憩含む
・公式サイトURL:Harry Potter and the Cursed Child
レ・ミゼラブル
舞台は19世紀のフランス。フランス革命後の時代を背景に、パンを盗んだ罪で投獄され、刑期を終えて出所するジャン・バルジャンの波乱の人生、そして人々の愛と苦悩を描いた壮大な物語です。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』は、1985年にウエストエンドで初演されて以来、40年近い歴史を誇るロングラン作品。
2012年には映画化され世界的にその名が知られるようになり、日本でも根強い人気を集めています。実際に筆者が観劇をした際も、客席には多くの日本人観光客の姿が見られました。
公演が行われるのは、ウエストエンドにある劇場のなかでは比較的コンパクトなソンドハイム・シアター。しかしその限られた空間を感じさせないほど、場面毎に映画さながらのステージが展開され、キャストの迫真の演技と力強い歌声に圧倒されます。
とくに後半に繰り広げられるさまざまな仕掛けは必見で、ラストシーンは筆者も思わず涙が止まりませんでした。長年愛され続ける理由がよくわかる作品です。
2025年夏には世界中のキャストが日本に集結し、初の来日公演が実現するなど今後もますます注目が集まる『レ・ミゼラブル』。ロンドンで味わえる舞台の魅力を、ぜひ体験してみてください。
・名称:Sondheim Theatre(ソンドハイム・シアター)
・住所:51 Shaftesbury Ave, London W1D 6BA
・地図:
・アクセス:レスター・スクエア駅より徒歩5分
・所要時間:2時間50分(15分休憩含む)
・公式サイトURL:Les Misérables London | The Official Website
ウィキッド
ミュージカル『ウィキッド』は、2006年から20年近く上演が続く人気作。原作はライマン・フランク・ボーム著の児童文学『オズの魔法使い』を基に制作された物語です。
生まれつき緑色の肌をもち、類稀なる魔法の才能があるにも関わらず愛されることを知らない「西の悪い魔女」となるエルファバ。一方で、魔法の才能はないものの常に人気者で、金髪が特徴的な「善い魔女」となるグリンダ。対照的な2人の友情が描かれています。
2024年には映画『ウィキッド ふたりの魔女』が公開され、2026年には続編『ウィキッド 永遠の約束』を控えるなど、とどまることを知らないウィキッドの勢い。
筆者は舞台を観劇した後に映画も鑑賞しましたが、それぞれ異なる魅力がありました。舞台では役者の素晴らしい歌声に圧倒されるうえ、中盤〜後半にかけて巻き起こるドキドキの展開は必見です。
上演劇場は、ロンドン南西部のビクトリア駅周辺。ビクトリア駅は、イギリスの地方都市やガトウィック空港へ直通の特急電車が発着する大きなハブ駅で、周辺にはカフェやレストランも充実しており観劇前後の食事にも便利です。
・名称:Apollo Victoria Theatre(アポロ・ヴィクトリア劇場)
・住所:17 Wilton Rd, Pimlico, London SW1V 1LG
・地図:
・アクセス:ビクトリア駅より徒歩2分
・所要時間:2時間45分(20分休憩含む)
・公式サイトURL:Wicked the Musical London