「中東のスイス」と呼ばれるレバノンは、アラブ諸国には珍しく砂漠がない国です。騒乱の続くシリアの隣国のため、不安定な情勢が続いています。
明るく楽しい人々が多く、シリアと並んで旅人に人気の国でしたが、いまや容易に渡航することができなくなってしまいました。そこで今回は情勢の改善を願って、レバノンにある世界遺産全てと、オススメの絶景スポットもご紹介します。
*編集部追記
2015年7月公開の記事に新たに追記しました(2018/10/25)
執筆時点での情報なので、実際に訪れた方で古い情報を見つけた方はmedia@tabippo.netまでご連絡ください。
アンジャル
アンジャルはレバノンに残っている唯一のウマイヤ朝の城塞都市遺跡です。8世紀初頭に、ウマイヤ朝においてイスラム教の最高指導者であったワリード1世によって宮殿が建設されたのが始まりです。
城壁内には格子状に道路が走り、テトラピトンと呼ばれる四本の円柱が建っているほか、モザイクがのある浴場なども残っています。
ティール
フェニキア時代の代表的な港湾都市の一つだったティールの遺跡には、ローマ時代のビザンチン時代の遺構が多く残っています。ローマ浴場、水道橋、記念門、ヒッポドロモスと呼ばれた戦車競技場やネクロポリスと呼ばれた墓地などが状態良く保存されています。美しい彫刻の施された石棺や壁画の芸術性は高く評価されています。
バールベック