全ての国連加盟国193カ国を訪れて、アフリカが大好きになりました。ただ、バックパッカーや長期旅行者と言えども、アフリカへの旅行は様々な心配があると聞きます。
私自身がそうだったように、初めてアフリカに行く人の懸念は、言語、治安、病気の3つだと思います。そこで、今回は、1)英語が通じやすく、2)テロや強盗発生のリスクが低く、3)エボラ・マラリア等の感染リスクが低いおすすめの国を選びました。ぜひ、アフリカを楽しんでください。
タンザニア
まずはタンザニアです。タンザニアはタンガニカとザンジバルが合体してできた国です。タンガニカは19世紀以降ドイツ領でしたが第一次世界大戦後イギリス領になりました。
ザンジバルはオマーンが一時暫定首都をおいたようにアラブの影響を強く受けていて、迷路のような町並みとエキゾチックな雰囲気が旅情を誘います。治安はとてもよく、魚介類も美味しいうえ、エメラルドグリーンに輝やくビーチまであります。中央市場は元々は奴隷市場でした。
ちなみに、ロックバンド「クイーン」のボーカルだったフレディ・マーキュリーはザンジバル生まれのパーシー(もともとはペルシャの拝火教徒でインドに亡命)で、生家も保存されています(まだ壊されていなければ)。
ザンジバルのほかに有名なのは、アフリカ一高い山であるキリマンジャロ(5895m)。赤道直下の為、比較的軽装備で登ることができます。
初心者の私も、現地でレンタルした服と装備で、ポーターに全部荷物を持ってもらい、ガイドに手を引っ張ってもらったおかげで、4泊5日でなんとか登頂できました。
5合目すぎるとほとんど木がない富士山とは違って、キリマンジャロは、登り始めはジャングル、山頂では氷河、登るにつれて植生や景色が変化し飽きさせません。
但し、下山時は靴づれがひどくなり、2合目からは救急車に乗せてもらいました。トレッキングシューズは自前のを用意していった方がいいです。
14世紀の大旅行家、イブンバトゥータが世界3大美港と称えたキルワ(世界遺産)も見どころです。
ケニア
ケニアは、南アや北アフリカを除けば、アフリカでもっとも観光施設が整った国だと思います。ライオン・シマウマ・ゾウなどがま近で見られる国立公園がいくつもあり、快適なホテルもあります。
私は宿泊したことないですが、朝食を食べていると窓からキリンが頭を突っ込んでくるホテルも人気のようです。
個人旅行者ならスワヒリ海岸のラム島がおすすめです。アラブ交易の影響を強くく受け、スワヒリ語を話す地域です。街が迷路のようで車が入れず、移動手段はロバです。
ソマリアに近いので、バスで行くと護衛がついてきますが(無料)、島自体は治安がよくて、のんびりできます。
歴史好きなら、15C末にポルトガルのバスコダガマがインド航路を「発見」した拠点となったマリンディ、インド洋交易で栄えたモンバサなども面白いです。
エチオピア
エチオピア航空が成田空港に直行便を就航させて以来、簡単に行ける国になりました。エチオピアはヨーロッパ列強のアフリカ分割時にも独立を保った長い歴史を有する国で、文字・言葉・音楽・食べ物・・・独自の文化と伝統が色濃く残っています。
例えば、アフリカの音楽は一般にリズミカルでパワフルなイメージですが、エチオピア音楽は日本でいうと演歌のような独特の節回しで面白いです。
また、アクスム王国以来、伝統的にキリスト教(エジプトのコプト教に近く東方系)。ラリベラ(世界遺産)には、キリスト教の聖地エルサレムを再現した寺院群があります。
隣国エリトリアとの紛争が落ち着いてきて、最近行けるようになったところとしては、エルタアレ火山(真っ赤にたぎるマグマを間近で見れる)やアッサル湖(塩を運ぶラクダのキャラバンが見れる)があります。
まだ訪れる人は少ないけれど、ロック・クライミングしながら行くティグレ地方の岩窟教会は、個人的にお勧めです。
モーリシャス
インド洋のアフリカ諸国では、マダガスカルが最高なのですが仏語圏なので外すと、英語圏のモーリシャスがお勧めできます。母国語はフランス語系ですが、元イギリス領で英語は完璧に通じます。
イギリス領自体にプランテーションの労働者としてインド人・中国人を連れてきたため、いまでも住民の半分以上がインド系、2割は中国系で、残りはアフリカ系です。
コンパクトな島で、数日あれば一回りできます。目が覚めるほど綺麗なビーチ(イルオセフ)もあれば、7色の地層があったり、塩田があったり、サトウキビ畑が広がってたり、首都のPort Louisには中華街まであります。
とにかく治安がよくて、人が親切で、楽しくて、人生に疲れた人も笑顔取り戻せちゃいますよ。