ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

これぞ愛知の桃源郷。奥三河「上中のしだれ桃」


桜が最盛期を迎える4月の一週目、ようやく他の花も咲き始め、春の彩りが増えていきます。中でも私の一押しは、奥三河エリアにある桃源郷「上中のしだれ桃」。古くから街道の中継地点として繁栄した、小渡の宿場町から少し山ぎわに位置する上中集落の別称です。

小さな集落なのですが、約3000本もの鮮やかな花桃が彩る風景は圧巻!


また赤・白・ピンクの桃の花に加え、黄色のレンギョウ、4月中旬にはソメイヨシノとのコラボレーションが見られることも!花桃越しに点在する家々を眺めれば、どこか懐かしい里山の趣にも浸れます。


その一方で、ほぼ知られていませんが、県道366号線から旭高原元気村へ行く途中にも、しだれ桃の隠れ名所が存在します。ぜひ探してみてください!上中とは対照的に、2世帯で手入れしているため、規模は小さいですが、桃源郷と呼ぶにふさわしい趣を醸し出しています。

■詳細情報
・名称:上中のしだれ桃
・住所:愛知県豊田市上中町綱所
・地図:
・アクセス:豊田勘八ICから車で40分
・所要時間:1〜3時間
・例年の見頃:4月上旬

SNS映えする赤の壁!豊田市「つどいの丘のキリシマツツジ」


車の町として知られる豊田市ですが、実は意外にも春の花名所が充実しています。中でも最近、特にSNSで話題なのが、猿投山山麓・つどいの丘の「キリシマツツジ」。GWが近くになると、駐車場の壁一面が鮮烈に彩られます。

ピンク・赤・白に加え、新緑が添えられて完成する春の芸術作品は、毎年多くの人を魅了してやみません。


他の花名所と比べて、その大きな特徴は、被写体が映えるということ!カジュアルな服装で赤い壁の前を歩くだけで、まるでヨーロッパにいるかのような、異国情緒漂う写真が撮影できます。


また車マニアの間では、車と赤い壁を一緒に撮影するのも流行っています。私のおすすめは、壁から少し離れたところから、ツツジの前ボケを作って撮影する構図。駐車場や周囲の状況をチェックしながら、愛車の写真撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか?

■詳細情報
・名称:つどいの丘・キリシマツツジ
・住所:愛知県豊田市西中山町清水口133
・地図:
・アクセス:猿投グリーンロード・中山ICから車で5分
・所要時間:1時間
・例年の見頃:4月下旬〜5月上旬

紫連なる癒やしの小径。豊田市「藤の回廊」


同じくGWの花の絶景としておすすめしたい場所が「藤の回廊」。現在は市町村合併でなくなってしまった旧西加茂郡藤岡町を象徴する名所として知られていました。前述のつどいの丘から車で15分ほどでアクセスできるため、ぜひ一緒に訪れてほしいスポットです。

ポイントは藤棚が数百メートル続く美しい道。艶やかな藤の花が垂れる姿には、心癒やされます。


藤は写真が単調になりがちなので、一つレクチャーを!陽光が照らし出すポイントを探し、玉ボケを効果的に活用すると、一味違った写真が撮れますよ。F値の低いレンズの使用がおすすめです。

またピンクと紫の藤が入れ替わるポイントもあるので探してみてください。


なおGWといえば、新緑が濃さを帯びてくる季節。藤の回廊のすぐ近くには「下川口大沢池」という溜池があります。ここの新緑の映り込みは本当に美しいので、ぜひ最後に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

■詳細情報
・名称:藤の回廊
・住所:愛知県豊田市御作町
・地図:
・アクセス:猿投グリーンロード・中山ICから車で15分
・所要時間:1〜2時間
・例年の見頃:5月上旬〜5月中旬

三河アルプス山麓に咲く!新城市「愛知県民の森のシャクナゲ」


最後に紹介したいのは、三河の奥座敷・新城にある「愛知県民の森」。三河のアルプスとして名高い、宇連山の山麓に当たる広大な公園です。東海のハイカーがよく集うこの場所には、5月になると、美しいピンクの彩りが添えられます。

実は公園全体がホソバシャクナゲの自生地として知られており、随所で大群落に出会うことができるのです。


山中の緑や峰との対比を楽しみたいなら「北尾根」。一方で、体力を使わず楽しみたいなら「しゃくなげ橋」がおすすめです。

くしゃっと広がる花びらが可愛らしく、思わず見入ってしまう妖艶な美しさです。咲く前の蕾のフォルムにも癒やされますね。


なお「愛知県民の森」は広大な里山のフィールド。シャクナゲが咲く春から初夏の季節には、緑が濃くなり、太陽の温かな光が優しくなります。

虫もあまりおらず快適な山歩きが楽しめるので、ぜひあらかじめHPからMAPを印刷しておき、少しハイキングを楽しんでみてはいかがでしょうか?

■詳細情報
・名称:愛知県民の森・シャクナゲ
・住所:愛知県新城市門谷鳳来寺7-60
・地図:
・アクセス:鳳来峡ICから車で約5分
・所要時間:1〜2時間
・例年の見頃:5月上旬〜5月中旬
・ハイキングMAP:https://www.aichi-park.or.jp/kenmin/pdf/hiking_map.pdf

春こそ愛知を旅してほしい!鮮やかな花の絶景を巡ろう


今回は私の地元・愛知から「春の花の絶景」をご紹介してきました。なかなか気軽に旅ができなくなった2020年。しかしその一方で、より身近な魅力を探す方向に、旅のスタイルが変わってきたことは、大事なポイントだと思います。

今だからこそできる旅、今だからこそ見出せる地元の魅力。身近な風景を巡りながら、「こんな場所があったんだ!?」と、新たな気づきと活力を得る旅へ出かけてみてはいかがでしょうか?

All photos by Yuhei Tonosyou

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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