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さとみん 憧れの男性はロバート・ラングドン教授

歴女の旅好き。レオナルド・ダ・ヴィンチの追っかけ。 幼少時ドイツに住んでいた際に、両親の影響で旅×歴史に夢中に。古代オリエント史と美術史が好き。いつか古代オリエントの舞台を一気に回るのが夢。憧れの男性はダン・ブラウンが生み出した、ロバート・ラングドン教授。

高校生の時くらいからずっとレオナルド・ダ・ヴィンチの追っかけをしている、さとみんです。

初めて彼の「モナ・リザ」を観たのは小学生の時。当時父親の仕事の都合でドイツに住んでいたので、お休みの時によく車でヨーロッパのあちこちに旅行に連れて行ってもらいました。

元祖歴女の母親からは旅行にいく度に、旅行先に関連する歴史上の人物の伝記漫画を買ってもらっていました。

イタリアにいく時にレオナルド・ダ・ヴィンチの本を買ってもらったのですが、そこでふと疑問が浮かび上がります。

「どうしてダ・ヴィンチはイタリア人なのに、フランスのルーブルに『モナ・リザ』があるの?」

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誰もが知るレオナルド・ダ・ヴィンチの名画『モナ・リザ』

パリのルーブル美術館に展示されているこの絵は、おそらくこの先ずっと貸し出し等でこの美術館の外に出ることはありません。

かつて盗難事件にも遭ったことがあるため分厚いガラスで囲まれており、訪れた人々は彼女の微笑みを少しでも近くで見ようとこの小さな絵に集まってくるためいつでも人だかりができています。

なぜフランスのルーヴル美術館に『モナ・リザ』は飾られることになったのでしょうか?

フランスとダ・ヴィンチの関係

実はレオナルドは故郷から遠く離れたフランスで生涯を終えたのです。フィレンツェで芸術家としてデビューしてから、ミラノ、ローマ、ヴェネツィア、ボローニャ、バチカンなどを転々としていました。

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当時のイタリアは、国内の中小の諸国家及び教皇領の勢力争いに、イタリアの覇権をめぐるフランス(ヴァロワ朝)とハプスブルグ家の対立が加わり絶えず戦闘や外交的駆け引きが繰り広げられていました。(イタリア戦争)

レオナルドが当時庇護を受けていたミラノ公国にもフランス軍は侵攻してきます。

当時ミラノ公国の当主であったスフォルツァ家もフランス軍の侵攻により逃亡し、陥落しました。レオナルドもミラノで制作中だった騎馬像の粘土原型を、フランス軍が弓の練習に使い破壊してしまったことに落胆しミラノから離れます。

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その後イタリア国内(マントヴァ、ヴェネツィア、ボローニャ、フィレンツェ、ローマ、ヴァチカン)を点々とします。特にボローニャでは1502年から約1年間、チェーザレ・ボルジアの軍事顧問を勤めます。

最終的に1515年に即位した、フランス王フランソワ1世の招きによって、レオナルドはフランスへ行くことを決意します。自分のミラノでの活躍の場を奪った原因である、フランスへです。

しかし、フランソワ1世はレオナルドのことを丁重に迎え入れます。フランソワ1世が居を構えたのは、フランスのロワール渓谷の中流域にあるアンボワーズでした。

レオナルドもアンボワーズ城に招かれ親交を深め、彼が現れたことにより、フランスにもルネサンス文化が広まりはじめます。つまりフランスのルネサンスはアンボワーズから始まったのです。

アンボワーズはフランスのどこ?どうやって行くの?

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アンボワーズはフランス中部のロワール渓谷にあります。

ロワール渓谷にはアンボワーズを始め、ブロワ、アンジェ、トゥール、モンソロー、オルレアンなど歴史的に重要な都市が点在しています。

トゥールは8世紀にフランク王国とイスラム教のウマイヤ朝が戦ったトゥール・ポワティエ間の戦いの舞台、オルレアンは英仏百年戦争でイングランド軍に包囲され陥落寸前だったところにジャンヌ・ダルクが率いる軍隊によって解放されました。

■アンボワーズ

・アクセス:パリ市内から各電車のルートで約3時間

豊かな自然、田園に囲まれたこの地域はおよそ130の城館が集まっており、優雅な雰囲気から「フランスの庭」と呼ばれています。

その中でも特に美しい居城が点在しているエリアを包括し、2000年に「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」として世界文化遺産に登録されました。

もともと1981年に「シャンボールの城と領地」として単独で登録されていたシャンボール城も、この物件に含まれることに。

このロワール渓谷へは、パリからの日帰りツアーへの参加が一番簡単な行き方です。

特に人気なのは、エマ・ワトソン主演の映画『美女と野獣』の舞台となった、シャンボール城。その他にシュノンソー、アンボワーズ城を訪ねるツアーが多いです。

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お城の見学に1〜2時間を取られていますが、バスの駐車場からお城までかなり距離があり、移動時間を含めての時間なので、実際のお城の見学時間はもっと短くなるので注意が必要です。

なので、アンボワーズ城だけであればパリから電車で行くことも可能です。私はレオナルド・ダ・ヴィンチ目当てだったので電車で行きました。

行きはパリ・モンパルナス駅からサン・ピエール・デ・コルプス経由アンボワーズ行き、帰りはアンボワーズ駅からパリ・アウステルリッツ駅まで直通電車を選択。ちなみに、欧州の鉄道を調べるのはRAIL EUROPEが便利でおすすめです。

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華やかなパリの街から電車に乗ると一転、美しい田園風景が広がり、まさに前述した「フランスの庭」が感じられます。

また、アンボワーズ駅は良い意味で「The 田舎」の小さい駅。駅から民家の前を通っていくと、眼前にロワール川、そしてアンボワーズ城の城壁が現れます。

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さとみん 憧れの男性はロバート・ラングドン教授

歴女の旅好き。レオナルド・ダ・ヴィンチの追っかけ。 幼少時ドイツに住んでいた際に、両親の影響で旅×歴史に夢中に。古代オリエント史と美術史が好き。いつか古代オリエントの舞台を一気に回るのが夢。憧れの男性はダン・ブラウンが生み出した、ロバート・ラングドン教授。

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