ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!トラベルライターの土庄です。

いきなりですが、アニメツーリズムという言葉をご存知でしょうか?アニメや漫画の作品の舞台となった土地や建物を訪れる旅行のことで、”聖地巡礼”とも呼ばれています。

今回はそんなアニメ聖地巡礼の魅力と、アニメの舞台となったイチオシの国内旅行先をご紹介!作品ならではの世界観と、現地のスポットが交差する、いつまでも記憶に残る旅を楽しむことができますよ。

地域活性につながる。アニメツーリズムとは

「湯桶温泉」—–『花咲くいろは』の舞台となった金沢の奥座敷 / photo by photo AC
今や旅行の一ジャンルとして確立しつつあるアニメツーリズムですが、実は地方活性化の切り札としての役割も果たしています。

アニメの舞台となることで、地域の自然景観や文化遺産が再評価され、結果として地域の魅力や、観光資源としての価値も見直されるのです。具体例を挙げてみましょう。

◆具体例
・鷲宮(わしみや/埼玉県):アニメ『らき☆すた』の舞台として有名になり、多くのファンが訪れるようになりました。これにより、地域の商店街や神社が活性化しました。

・湯涌温泉(ゆわくおんせん/石川県):アニメ『花咲くいろは』の舞台となり、観光客が増加。地域の旅館や温泉施設が賑わいを見せました。

・大洗(おおあらい/茨城県):アニメ『ガールズ&パンツァー』の舞台となり、関連イベントやグッズ販売が地域経済を支える大きな要因となりました。

「出雲近隣公園」—–『色づく世界の明日から』で鍵となるスポット / photo by 長崎県観光連盟
もともと観光資源が豊富ではないとされていた地域でも、アニメの影響により観光資源の範囲が広がり、これまでディープな魅力とされていたものが地域を代表する魅力として再評価されることがあります。

インバウンド需要が大きく戻りつつある昨今、アニメが日本を代表する文化だと世界的に認識されるなかで、観光におけるアニメツーリズムの影響力は今後ますます高まっていくことが予想できるでしょう。

ディープな発見の楽しさを教えてくれる!

「竹原の町並み」—–アニメ作品『たまゆら』のキービジュアルとなった景色 / photo by Yuhei Tonosho
ここまでご紹介したのは、旅行先からみるアニメツーリズムですが、旅行者から見るとどうでしょうか?一言で言えば「再発見の楽しさを教えてくれる!」ことではないかと思います。

アニメ作品においては、実際に見られる風景をワンシーンでそのまま採用していることが多く、現地でアニメに登場する風景と同じ構図で写真を撮ることが、聖地巡礼の大きな楽しみとなっています。

「富丘八幡神社」—–小豆島が舞台の『からかい上手の高木さん』の聖地 / photo by Yuhei Tonosho
実際にネットサーフィンをしてみると、聖地巡礼によりアニメのワンシーンと実際に現地で撮影した写真を比較しながらレポートしているブログ記事が散見されます。

通常の旅行であれば、感動や新鮮さを大事にしたいので、ネットで見た写真を現地で確認するような旅をしたいとは、個人的にあまり思わないのですが、アニメツーリズムの場合は全く逆です。

「あのアニメのワンシーンを思い出すために、そしてそこに自分もいるんだ!という感動を得るために、アニメで見た風景を探す。」

これは今までの旅とは一線を画す楽しみ方だと思っています。

聖地巡礼をおすすめしたいアニメ作品&旅行先4選

それでは実際にアニメ作品と、その聖地巡礼を楽しめる筆者イチオシの旅行先をご紹介します。やはり学園モノが多くなることと、作品によっては複数エリアにまたがって聖地巡礼を楽しめるのが魅力ですよ。

『色づく世界の明日から』|長崎

「鍋冠山展望台」—–長崎の夜景スポットは作中に何度も登場する / photo by Yuhei Tonosho
まずご紹介したいのは、2018年に放送された『色づく世界の明日から』というアニメ作品です。

未来の長崎を舞台に、色を失った少女・月白瞳美が祖母の魔法で2018年にタイムスリップし、若き日の祖母や高校の写真美術部の仲間たちと出会います。

そこでの経験を通じて、瞳美は色を感じる力と心の豊かさを取り戻していきます。美しい映像と感動的なストーリーが魅力で、家族や友人との絆、自己発見と成長を描いた感動作品です。

「伊王島灯台」—–主人公たちが夏合宿で訪れた場所 / photo by 長崎県観光連盟
この作品を聖地巡礼する大きな魅力は、イラストの美しさと色彩の豊かさにあります。作中に写真が大きく関わってくるほか、色を失った主人公の瞳が色を取り戻す瞬間は、とても鮮やかなシーンとして描かれています。

長崎は夜景をはじめとして、路地裏や橋の風景、市街地を少し離れて灯台や海など、さまざまな風景が根付いており、それらが作中で次々登場します。長崎を巡ることで、まるで物語の世界に足を踏み入れるような旅行体験を楽しむことができますよ。

【聖地巡礼情報】『色づく世界の明日から』 
https://www.nagasaki-tabinet.com/course/64519

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

RELATED

関連記事