民泊で津軽の夜を満喫
1日目の行程を終え、それぞれ民泊先へと分かれます。私とカメラマンは、ランチをいただいたのと同じ「かだるべぇ」が今日の宿。
泊まるお部屋はこんな感じ。古民家に泊まるのは初めてですが、旅館でもなかなか見られない天井の高さでした。お気づきでしょうか、寒くないように電気毛布を敷いてくれています。優しい!まさに実家の安らぎ!
「ご飯できたよ〜」
という伊藤さんの声で囲炉裏のお部屋へ行くと、大きなアジが炭火で炙られていました。最高のシチュエーションです。
豪華な夕食は、つぶ貝の塩焼きにホタテのバター焼き、身欠きニシン、タラの昆布締め、タコの刺し身などなど。どれも日本酒に合うものばかり。これぞ津軽の真骨頂、乾杯するしかないでしょう!
今日会ったばかりなのに会話が弾むのは、囲炉裏を囲んでいるからでしょうか。布団に入ると雪の夜の静けさで、あっという間に眠ってしまいました。
翌朝、伊藤さんと奥様に見送られ、タクシーで集合場所へ。かだるべぇでは収穫体験やグランピングなどさまざまな体験ができるそうなので、雪のない時期にも行ってみたいです。
・名称:太宰治ゆかりの傍島家 かなぎ元気村「かだるべぇ」
・住所:青森県五所川原市金木町蒔田桑元39-2
・地図:
・電話番号:0173-52-2882
・カフェ営業日:木・金・土・日
・宿泊、お食事、体験等は事前にお問い合わせ下さい。
・予約随時受付
・公式サイトURL:https://kanagi-genkimura.org/
朝は-8℃まで気温が下がり、ダイヤモンドのように輝く津軽平野。移動中、タクシーの運転手さんが太宰の小説「津軽」の一節を暗唱してくれて胸がいっぱいになりました。
西目屋村でBUNACO製作体験
正面の白い山は白神岳。五所川原市から南西へ1時間。秋田県との県境にある西目屋村は、ブナの原生林で知られる世界遺産・白神山地の玄関口です。
訪れたBUNACOの工場は、mini shopとカフェを併設し、一般の見学も受け入れています。
BUNACOはブナ材を加工した工芸品。ランプシェードなどのおしゃれなデザインから世界的に有名な高級ホテルやリゾート列車の内装に採用されるなど、海外からも注目されています。
ひとつずつ職人の手で作られていますが、その作業工程が個性的です。まずは薄いテープ状に加工したブナをぐるぐると巻いていきます。
そのテープを少しずつずらすようにして器の形を成形するのですが、職人さんの手にあるのは湯飲み茶碗。色々試した結果、成形道具は市販の湯飲み茶碗が一番良いのだそうです。
私たちも実践!職人さんは簡単にやっていましたが、いくら力を入れても均一にずらすのが難しいです。そして、湯飲み茶碗の頑丈さにも驚きました。
ビフォア・アフターです。どうでしょうか、なんとか形になりました。持ち帰って磨きに磨けば、立派なBUNACOになるはず?
・名称:ブナコ西目屋工場
・住所:青森県中津軽郡西目屋村田代稲元196
・地図:
・電話番号:0172-88-6730
・施設開館時間:10:00〜16:00
・製作体験:土・日・祝日のみ事前予約頂いた方のみ
・工場見学:土・日・祝日のみ見学可能
・公式サイトURL:http://bunacofactory.jugem.jp
新型コロナウィルス感染症拡大予防対策等の為、現時点では記載の内容で、体験及び見学としておりますが、通常であれば通年は不定休でお受けしております。現在の状況がいつまで続くかわからないところではありますが、皆様にはそのあたりを加味して頂き、土日限定ではなく、事前予約、要連絡等付け加え通年として頂いております。また体験及び見学については各々
体験:http://bunacofactory.jugem.jp/?cid=5
見学:http://bunacofactory.jugem.jp/?cid=6
でご確認頂くようお願いしております。
併設されたブナコカフェでは、地元のりんごを使ったアップルパイをいただきました!パスタやピザなどのランチメニューもあるそうです。
・名称:ブナコカフェ
・住所:青森県中津軽郡西目屋村大字田代字稲元196ブナコ西目屋工場内1F
・地図:
・電話番号:0172-88-6604
・営業時間:10:00〜16:30(L.O. 16:00)
・定休日:月曜日・火曜日
・公式サイトURL:https://www.fujiseinet.co.jp/ja/services/#cafes
ランチは「ブナの里 白神館」で西目屋名物を
昼食は、白神山地散策の拠点となっているホテル、白神館でいただきました。メインは山菜寿司。地元の山菜をふんだんに使い、きのことダシが美味しい丼。椀は西目屋名物の白神そばです。
・名称:ブナの里 白神館
・住所:青森県中津軽郡西目屋村田代字神田60-1
・地図:
・電話番号:0172-85-3011
・公式サイトURL:https://www.shirakamikan.com
おしゃれな道の駅「津軽白神」/「ビーチにしめや」
ブナを意味する「Beech」の名がついた道の駅は、西目屋村の中心に位置し、若者も楽しめるスポット。レストランや産直、アウトドアショップのほかに、コーヒー専門店、はちみつ専門店などが入居していて、どのお店もとってもステキです。
白神コーヒースタジオで焙煎体験
自社の炭工房で造るりんごの樹の炭で豆を焙煎し、白神山地の水で淹れたコーヒーが楽しめる「白神焙煎舎」。こちらでは、りんごの樹の炭を使って焙煎体験ができるんです。
先生に教わりながら焙煎機に生豆を投入したら、焙煎機をぐるぐる回してローストします。何度も色や香りを確認しながら進めるのですが、けっこう熱いです。炭ですもんね。
焙煎の後半には音を聞きます。ぷちっぷちっと豆の表面が変化する音が聞こえたらもうすぐ完成。
左が見本、右が私の煎った豆で、目指したのは見本右下のシティロースト。やってみると時間や温度によって刻々と変化していくのがよくわかります。奥の深い仕事です。そして、お土産が自分の煎ったコーヒー豆ってわくわくしますね!
・名称:珈琲販売&焙煎体験「白神焙煎舎」
・住所:青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田219-1
・地図:
・定休日:毎週水・木曜
・営業時間:11:00〜15:00
・公式サイトURL:https://shirakami-roast.jp/
渋かっこいい炭盆栽体験
続いては先程ローストに使っていたのと同じ、りんごの樹の炭を使った盆栽づくり。先生があらかじめくり抜いてくれた炭を鉢にして、小さな観葉植物を植えます。
これはかなり気に入りました。難しくないうえに出来上がりがかっこいい!完成品は持ち帰って玄関に飾っています。
はちみつかけ放題!のBefavo「白神生はちみつ」
地元産のはちみちをワッフルやソフトクリームにかけ放題のお店です。途中で止めないとすごいかけてきます。
なんと、この施設の屋上で養蜂しているそうで、産地直送すぎてびっくり。ミツバチが蜜を採集しているエリアは……そう!世界遺産・白神山地!
白神の恵みの循環をテーマに、その年その季節限定のはちみつが販売されます。四季折々の花から採集するから、季節によってはちみつの色が違うんです。また違う季節に来てみたくなりますね。
・名称:白神ワイナリー&白神生ハチミツ「BeFavo」
・住所:青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田219-1
・地図:
・電話番号:0172-85-2886
・定休日:4月~10月 なし
11月~3月 月・火・水曜定休、12/28~1/6
営業時間:4月~10月 10:00~16:30
11月~3月 12:30~14:30
・公式サイトURL:https://ja-jp.facebook.com/shirakamihoneycombproject/
津軽の冬に浸る旅へ
津軽は地元で、何度も取材していますが、今回のツアーではまた違う印象を受けました。自然を生活に取り入れるのが上手い人たちに出会ったのだと思います。
雪を踏む音や澄んだ空気に、改めて冬の美しさを感じたふるさとの旅でした。少し厚着をして、皆さんもぜひ冬の津軽へお出かけください。
また、前回の記事に引き続き、このツアーに参加しただけで「グリーン・ツーリズムって素敵だなぁ…」とそれ自体の良さも味わえる内容なので、ぜひ参加されてみてくださいね。
All photos by Shintaro Tsushima