ライター
yui ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。

「旅するプログラマー」として、ZOZO・前澤社長のお年玉キャンペーン(2019年1月)に当選したことで一躍注目を集めたアルトゥルさん。

そんなアルトゥルさんに、旅するプログラマーとしての働き方や、前澤社長のキャンペーンに当選した後の生活についてお話をうかがいました。

アルトゥルさん

ラトビア出身のエンジニア。
ラトビア語以外に、日本語・英語・ロシア語が話す事ができ、現在は世界を旅しながらウェブサイト作成&管理のサブスクリプション型サービスを提供している。
日本が大好きなので、日本と世界が繋がる事業を拡大していく予定。
好きな食べ物はメロンパン。

 

100万円は会社設立の資金に

 
――――はじめまして!旅するプログラマーとして活躍されているアルトゥルさんですが、まず自己紹介をお願いできますか?

プログラマーの仕事をしているアルトゥルです。24歳です。出身国はラトビアで、現在は世界中を旅しながら働いています。

初めて日本に来たのは2017年4月。日本には、もう4回ほど来ています。
現在は日本人の旅する経営者shoさんと、旅するデザイナーsyusyuさんと3人で仕事をしています。

 
――――前澤社長のお年玉キャンペーンに当選されたことで、アルトゥルさんを知りました。アルトゥルさんは、どんな経緯で前澤社長のキャンペーンを知ったんですか?

一緒に旅しているshoさんから教えてもらいました。shoさんは、地球を5周したり、ピースボートに乗船したりした経験がある経営者です。

前澤社長のことは月に行くというニュースが出たときから存じ上げていて、ずっと気になっていたんです。

 
――――当選する自信はありましたか?

当たるだろうとはまったく思っていませんでした。応募が殺到していることも知っていたので、まさかその中から選ばれるとは思ってもいませんでしたね。もちろん「当たってほしい」という期待はかなり強かったのですが(笑)。

 
――――ちなみに、当選したときは何をしていたんですか?すごくびっくりしそうですよね!

そのとき一緒にいた方から、「当選者にはDMが届いているみたいだから、チェックしてみて」と言われ、DMを確認しました。すると1件のDMが。

私は日本語が完璧にできるわけではないので、すぐにDMの内容を翻訳。読めば読むほど偽物としか思えず、なかなか信じられませんでした。

日本人の方にも確認していただき、前澤社長本人からのDMだということがわかったあとは、しばらく呆然としていましたね。

 
――――「当選したよ!」と言われても信じられないでしょうね。100万円はどのように使われたのですか?

キャンペーンに応募したとき、Webサイトがほしいと思っている方を募り、その方に日本語と英語に対応したWebサイトをプレゼントできればと考えていました。ですからいただいた100万円はまず、Webサイトを制作している間の生活費につかいました。

そのほか、普段お世話になっている方へのプレゼントや、大好きなメロンパンとツナマヨおにぎりの購入費としても。

前澤社長からいただいたお金は、まだ手元にあります。このお金の使い道は、会社設立のための資金。まずは日本からスタートして、将来的には世界中で拡大していけるようなサービスを企画中です。

 
――――アルトゥルさんは非常にレアな経験をされたわけですが、学んだことや感じたことを聞かせてください。

100万円という金額は確かに大金ですよね。ですが自分にとって重要なのはその金額ではなく、「きっかけ」をいただいたことだと思っています。

当選前は生活していくことに精一杯で、事業を始めるつもりはありませんでした。ふんわりとしたビジョンはありましたが、そこに到達するまでにはお金が必要ですし、そのお金はすぐに用意できるものではないとも思っていました。

ですが、キャンペーンに当選したことをきっかけに、一緒に働いてみたいと思っていた方に声をかけることができました。まだまだわずかな給与しか渡せていませんが、それでも彼らは私を信じてくれ、一緒に仕事をしてくれています。

私の場合は「お金をもらう」という非常にわかりやすいきっかけでしたが、お金以外のきっかけもたくさんあるでしょう。誰かとの出会いだったり、新しいサービスを知ることだったり。そういったきっかけを見つけること、そしてそれが自分にとってのきっかけだと気づくことが何より大切だと感じました。

 
――――当選によって人生が変わったということですよね!

そうですね。ビジネスを展開するにしても、私ひとりでやっていけないわけではないと思います。ですが、チームをつくり、サービスを拡大していくことにワクワクしているんです。一緒に働いてくれる方々のため、日本の方のため、そして日本を旅する外国人の方のために、良いサービスをつくっていけたらいいなと思っています。

また、まさか自分が旅しながら生活するなんて思ってもいませんでした。バックパッカーをしたこともありませんでしたし、してみたいと思ったこともなかったんです。

キャンペーン当選後、日本、香港、イギリス、ラトビア、イタリア、スペイン、ドイツ、トルコ、ジョージア、マルタを訪れました。今後は韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、UAE、カタール、フランス、エジプトまでの予定を組んでいますし、来年は北米、中米、カリブ海、南米、オセアニアなどを訪れたいなと考えています。

旅を半年ほど続けてみて、環境を変えながら生活をするのも悪くないなと思い始めています。もうすっかり旅人ですね(笑)。

 

「プログラマー」という仕事の魅力

 

――――今は、Webサイトを制作するプログラマーとしてお仕事をされているんですよね。

主な事業は、Webサイト制作サービスです。特徴は、成果物を納品して終わりではなく、サブスクリプション型のサービスであること。毎月一定の金額をいただく形にしており、Webサイトの制作代金はいただいていません。

サブスクリプション型にすれば、クライアントは好きなタイミングでサイト改修を依頼できますし、Webサイト管理者を雇用する必要もありません。

 
――――世界中どこでもお仕事ができるというわけですね。

そうですね。基本的にはオンラインで仕事が完結するので、ネットさえあれば世界中どこでも仕事ができます。

好きなタイミングで好きな国に行けるのは、この仕事をしているからこそです。起きる時間も、寝る時間も自由。何にも縛られない環境で仕事をしています。

 
――――なんともうらやましい……!

あえてデメリットを挙げるなら、ネット環境がないところに滞在できないことくらいでしょうか。キューバに行ってみたいと思っているのですが、ネット環境に不安があるので、まだ踏み切れていません。デメリットはそれくらいですね!

 
――――キャンペーン当選以降、働き方は変わりましたか?

当選前は、私ひとりでほとんどすべての業務を担当していたので、あまり多くのクライアントを抱えることはできませんでした。ですが当選後は、一緒に働いてくれる方に給与を支払えるようになり、事業拡大に踏み切ることができました。

ありがたいのは、一緒に働くチームができたことで、役割分担がハッキリしたこと。shoさんにクライアントとのやり取りを、syusyuさんにデザインをお任せすることで、私はWebサイト制作に集中できるようになりました。

 

ラトビア人と日本人の働き方の違いに思うこと

 
――――日本でのお仕事はいかがですか?ラトビアとの違いがあれば知りたいです。

日本人の方は勤勉で一生懸命。本当に尊敬しています。「交流」という名の終業後の飲み会がとやかく言われることもありますが、チームビルディングを兼ねたものであれば、非常に有意義なものだと思いますよ。

ラトビアでは、日本よりも家庭と仕事のバランスが重視される傾向にあります。飲み会はさほど多くなく、家族と過ごす時間が最優先です。

 
――――ラトビアの働き方も素敵ですね。日本人の残業の多さについてはどう思いますか?

日本の方は勤勉なので、決められた時間内で仕事を終わらせるということも可能だと思います。「毎日の残業が当たり前」な職場であれば、その点は改善の余地があるはず。チームビルディングとしての飲み会の時間は大切にしつつ、家族ともっと長く一緒に過ごせるような働き方を実現できればすてきですよね。

 
――――たしかに、良いところは残しつつ、さらに改善していければいいですよね。アルトゥルさん個人の話に戻るんですが、1年後、5年後、10年後の夢や目標を教えてください。

1年後は、東京オリンピックを見ることと、体重を20kg増やすこと。5年後は、世界中で使われているアプリを開発すること。10年後は、世界中に家を10軒持って、世界中に自分の帰る場所がある状態にすることです。

 
――――アルトゥルさんの今後の発信が楽しみです。最後に、ラトビアに訪れたことがない日本の旅人に、ラトビアの魅力を教えてください!

ラトビアは非常に小さな国ですが、自然がいっぱいの美しい国です。治安もいいですし、首都リガの旧市街はカラフルで非常に美しいです。

また、リガは美食の街としても有名。ラトビア料理がおいしいというよりは、リガで提供されるあらゆる食べものがすべておいしいと言っても過言ではありません。ヨーロッパの中では物価が安いことも、旅人にはうれしいポイントでしょう。

自然を楽しみたい方、街並みを楽しみたい方、食を楽しみたい方、安く旅をしたい方。そんな方は是非ラトビアへいらっしゃってください!

 

アルトゥルさんにお仕事を依頼したい方はこちら

「日本語-英語に対応したWebサイトの制作・管理をご検討の方は、是非ご連絡ください。
多くの方に喜んでいただけるウェブサイトを作成し、関わっている方全員が笑顔になれるような仕事を一緒にやっていきたいと思っています!」とのこと。

アルトゥルさんへのお仕事の依頼はarturs.galata@gmail.comまで。もしくはTwitterのDMから。

 
 
text:西嶋結
photo:長沼茂希

ライター
yui ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。

RELATED

関連記事