ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

板取川源流の知る人ぞ知る秘湯|神明温泉 湯元すぎ嶋(岐阜県)


岐阜県関市の山間部、板取川上流に位置する一軒の温泉宿「神明温泉 湯元すぎ嶋」。平成9年に開湯した新しい温泉宿ですが、日本秘湯を守る会の会員宿の一つで、全国の秘湯マニアに愛されています。

その雰囲気を一言で表現するなら、「まるで日本昔ばなしの世界に足を踏み入れたよう」。薪が据えられた門や苔に覆われた庭、水がこんこんと流れる木桶など、いたるところに古き良き山間部の暮らしを感じ取れます。


ロビーには囲炉裏も。熊の毛皮で作られた敷物には、目もついていて驚きました(笑)。広々とした建物は民芸調になっていて、ステンドグラスの意匠が綺麗です。

昔ながらの建築とトレンドを絶妙に織り交ぜて、独特の味わい空間を演出しています。綺麗なお部屋も含めて、とても過ごしやすい秘湯宿です。


「すぎ嶋」に宿泊すると、大浴場のほかに、滞在中2回、離れにある貸切露天風呂を利用できます。お湯はアルカリ性単純温泉。硫黄と硫化水素のほのかな香りが混じりつつ、化粧水のように潤いのある肌触りが特徴です。

日中は陽光で輝きながらオーバーフローするお湯で癒やされ、朝夕は静寂に包まれてゆったりとお湯に浸かる。まさに秘湯の醍醐味と言える入浴を楽しめます。


料理の豪華さもすばらしいです。夕食は「飛騨牛モモとサーロイン網焼」や「あまご醤油焼き」など、バラエティ豊かで品数も豊富。特に川魚のボリュームに感動しました。滋味深く優しい「いのしし鍋」で温まり、手打ちそばの〆も最高です。

■詳細情報
・名称:神明温泉 湯元すぎ嶋
・住所:岐阜県関市板取4838
・地図:
・アクセス:東海環状自動車道・山県ICから車約55分
・電話番号:0581-57-2532
・オススメの時期:年中
・公式サイトURL:http://www.sugishima.com/

圧倒的満足度でリピーター多数の旅館|旅館ゆのもと荘(大分県)


大分といえば、日本有数の温泉県。湯布院や別府が有名ですが、山好きな筆者のイチオシは「九重”夢”温泉郷」。九州の屋根・くじゅう連山の山麓に湧く12の温泉の総称です。

その中でもおすすめしたいのが「旅館ゆのもと荘」。うたせ湯で有名な筋湯温泉にあり、抜群のコストパフォーマンスと満足度、そして温かなスタッフさんの接客でリピーターの多い温泉宿です。


第一の魅力は滞在中、4つの趣の異なるお風呂を何度でも入り放題(無料)ということ。特に野趣あふれる満天の湯がおすすめ。自然に囲まれて、四季折々の景色との一期一会を楽しめます。

泉質はナトリウム-塩化物泉。無色透明でサラリとしていながら、身体の芯からポカポカにしてくれる、まさに大地の力を感じられるお湯です。


そしてなんと4種類の貸切風呂の中には、筋湯温泉の名物「うたせ湯」を再現している内湯があるのも魅力の一つ。ちょうど肩幅に合うようにお湯の注ぎ口が設けられており、肩をほどよくほぐしながら、飛び散るお湯でリフレッシュできます。


そして夕食には、感動レベルのボリュームと内容のお料理が待っています。豊後牛の鉄板焼きや地元の山菜をはじめ、食べきれないほどの品数!1万円前半の料金とは思えない豪華さです。

お部屋食のため、ゆったりと食事を楽しめるのもポイント。脂がとろける肉厚の豊後牛と一緒に、温泉水で炊くごはんを堪能しましょう。

■詳細情報
・名称:旅館ゆのもと荘
・住所:大分県玖珠郡九重町湯坪769-2
・地図:
・アクセス:九州横断自動車道・九重ICから車約30分
・電話番号:0973-79-2621
・オススメの時期:年中
・公式サイトURL:https://www.yunomotosou.jp/

食と日常+αを探す別世界の旅|旅籠VISON(三重県)


三重県の多気町から、日本の食・文化・アートを発信する大型商業施設「VISON」。美しい村=美村をコンセプトとしており、東京ドーム24個分(約119ha)の敷地には、さまざまなショップが軒を連ねています。

そしてホテル棟とヴィラ棟からなる、大型の宿泊施設を有しているのもポイント。そのうちヴィラ棟が「旅籠VISON」です。4棟40室あり、1棟ずつコンセプトが異なっています。


筆者が宿泊した旅籠VISON3のツインルームは、minä perhonen(ミナペルホネン)のテキスタイルや椅子、照明、カップなどで彩られたお部屋。シンプルな中にかわいらしさも垣間見え、夫婦での穏やかなひとときを過ごせました。

窓からはVISONの風景を一望でき、特に朝日がのぼる時間はドラマチック。まさにVISONに住む村民の気分になって、非日常と日常が融和する宿泊を体験できます。


食の宝庫であるVISON。朝夕食付きのプランで予約すると、VISON内のレストランで三重のグルメをいただけるのも魅力です。

おすすめはスギモトの松坂牛すき焼きコース。割下がよく染み込んだお肉は赤身と脂身のバランスがよく、ごはんとの相性が抜群!店内は落ち着いた雰囲気で、優雅に夕食を楽しめます。


朝食会場は8つのお店から選択できます。プランによっては最初から指定されている場合がありますが、空きがあれば変更も可能!VISONでお店を巡りながら、気になったお店に変更するのもおすすめです。

イチオシは「笠庵 賛否両論」の笠庵特製出汁茶漬け御膳。ザ・日本の朝ごはんという中に、鯛出汁茶漬けや特製の具材7種類盛り合わせが加わっており、朝からたっぷり活力を得られる内容です。

■詳細情報
・名称:旅籠VISON
・住所:三重県多気郡多気町ヴィソン672番1サンセバスチャン通り5
・地図:
・アクセス:伊勢自動車道・多気ヴィソンスマートICから車すぐ
・電話番号:0598-39-3090(営業時間:9:00~18:00)
・オススメの時期:年中
・公式サイトURL:https://vison-hotels.com/hatago/

旅の満足度を上げてくれる宿と出会う


宿により、旅の楽しみ方は全く違うものに変わります。そして「ここは……!」という宿に出会うと、旅の満足度はグッと上がるものです。

ようやく何年かぶりに安全に旅を楽しめるようになってきた今日この頃。「2024年はどんな旅を計画しようか?」――旅を原動力として、また新たな年もアクティブに駆け抜けていきたいものですね。

All photos by Yuhei Tonosho

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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