ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

Photo by Nitta Hiroshi

こちらは工場が稼働していた時の写真です。地下には兵器の製造に必要な大規模な機械が所狭しと置かれていたのでしょう。

Photo by Nitta Hiroshi

こちらは製造現場です。秘密工場には57000人ほどが働き、そのうち少なくとも3000人は強制収容所の囚人でした。つまり、労働者は地元民や戦争犯罪者、強制収容所の囚人によって構成されていたことになります。

危険物を扱うのですから、本来は専門のトレーニングが必要です。しかし、そのような教育も受けられず労働に従事した結果、作業中の事故が頻発したようです。

Photo by Nitta Hiroshi

博物館にはナチス=ドイツ統治下のポーランド人が味わった苦難も学べます。こちらは公の場でポーランド語を話した者に渡される「ポーランド語違反チケット」です。ポーランド人はドイツ語で話すことを強制されました。

Photo by Nitta Hiroshi

そもそも、なぜ地下に秘密工場が建設されたのでしょうか。それは敵国からの空爆に備えるためでした。また、秘密工場周辺はフェンスが敷かれ銃を持った守衛が守っていたそうです。逆に言えば労働者は「脱走」できない、ということです。

Photo by Nitta Hiroshi

秘密工場はソ連軍によるビドゴシチ開放まで製造を続けました。戦後になりポーランド当局の手に渡り、解体した建物もあれば、倉庫や工場として再利用した建物もありました。

このようにビドゴシチの秘密工場は違う角度からナチス=ドイツ並びに戦争を学べる施設です。ただし、展示物の大半はポーランド語で書かれています。英語ガイドをお願いしたい方は事前に博物館にメールすることをおすすめします。

■詳細情報
・名称:DAG-Fabrik Bromberg
・住所:Alfreda Nobla, 85-001 Bydgoszcz
・地図:
・アクセス:バス停「Park Przemysłowy Exploseum」から徒歩15分
・営業時間:夏期9:00~17:00(木曜日は19:00まで)、冬期9:00~15:30
・定休日:月曜日
・電話番号:48 883 366 056
・メールアドレス:exploseum[at]muzeum.bydgoszcz.pl
・料金:12PLN(ガイド料は5PLN)
・所要時間:90分ほど
・オススメの時期:夏以外
・公式サイトURL:http://www.exploseum.pl
ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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