ソーシャルディスタンスが推奨されるようになり、旅に求められる様式も、少しずつ変化しています。
そんな中、おすすめしたいのが、「カメラを楽しむ旅」。写真撮影を中心に進める旅のスタイルは、同行者と距離があっても、頻繁な会話がなくても、充実したものになることが多いです。
今回は、そんなカメラ旅の魅力を広めるために、初心者の方におすすめする50mmの単焦点レンズを付けて、京都を旅してきました(※レンズの焦点距離は、フルサイズカメラで撮影した場合のものになります)。
適度な距離感と少し望遠ぎみの画角が使いやすい50mmのレンズは、これからの旅で重宝されること間違いなし。撮影した写真を交えて、50mmのレンズで撮影する夏の京都旅をご紹介します。
カメラ初心者の方に勧める、50mm単焦点レンズの魅力とは
何種類ものレンズがある中で、カメラ初心者の方にもっともおすすめしたいのが、今回紹介する50mmの単焦点レンズ。単焦点レンズとは、ズームができないレンズであり、今回のレンズは50mmの画角でしか撮影できないものになります。
「50mm」と聞いてもピンと来ない方も多いと思いますが、「mm」とは簡単に説明すると、レンズの画角のことを指します。
iPhoneのカメラの画角の多くが28mmなので、それよりも少し望遠ぎみに撮影できると考えてもらったらわかりやすいかなと思います(iPhoneのポートレートモードの画角が52mmなので、ポートレートモードで撮影する時と、ほとんど同じ画角となります)。
この50mmのレンズは、人間の視野角にとても近く、普段見ている景色と同じように写真を切り取ることができます。そのため、自分の目で見たイメージ通りの写真を撮りやすいです。
カメラメーカー側でも「最初に購入してほしいレンズ」として位置づけていることが多いためか、手頃な値段で購入できることも大きなポイント。カメラ初心者の方から上級者まで、幅広く愛されている画角のレンズと言えます。
ちなみに、今回使用したレンズはF値が1.4まで下がるレンズなので、きれいな背景ボケも表現できます。
カメラを持って、京都の街を撮り歩こう
京阪電車に飛び乗って、三条駅に到着。早速京都の街を散策します。
歩くごとに風情のある光景に出会える場所。京都の魅力は唯一無二であることを、カメラを持つことで改めて実感します。
昔ながらの建物が並ぶ街並みや、どこか懐かしい雰囲気を醸し出す鴨川。どこを切り取っても絵になる京都は、お写んぽにもぴったりです。
引き込まれる魅力を持つカツサンド店でランチを
写真を撮り歩いていると、時刻はすっかりお昼に。お腹が空いてきたので、ランチにすることにしました。
訪れたのは、2020年7月にオープンしたばかりの「ハイライトカツサンド」。京都の大衆食堂である「ハイライト食堂」が、チキンカツサンドを看板メニューに掲げて立ち上げた新店舗です。
インパクトの強い外観にも惹かれて入ってみると、店内は満席。10分ほど待って、ようやく入ることができました。
パンからはみ出そうになるほどの大きなチキンカツと同じぐらい目を引くのが、「鶏に謝れ」という挑戦的なキャッチフレーズ。鶏に対する謝罪と御礼の意味を込めているのだとか。
早速食べたいところですが、いただく前に写真撮影。食べ物の撮影は、50mmの単焦点レンズが非常に便利。余計なものを写さずに、主役となるカツサンドだけを写すことができるので、カメラ初心者の方でも失敗しにいことが理由です。
比較的望遠ぎみで写ってくれるので、不用意にカメラを近づけて撮影する必要もなく、席に座ったまま、無理なく撮影することができます。
撮影した後は、待ちに待ったチキンカツサンドをがぶり。サクサクの衣とジューシーな鶏肉が絶品で、食べ始めたら止まりません。思っていた以上にボリュームがあり、大満足なランチとなりました。
店内は殺菌コーティングが施工されていたり、スタッフのマスク着用、アルコール消毒液の設置、ソーシャルディスタンスの確保などの取り組みも行われていました(公開時の情報です)。
・名称:ハイライトカツサンド
・住所:京都府京都市下京区綾小路通柳馬場西入綾材木町208
・地図:
・アクセス:烏丸駅から341m
・営業時間:11:00~17:00
・定休日:月曜日(祝日は除く)
・公式サイトURL:https://hilite-kyoto.com/
レトロな廃線跡が人気を博す、蹴上インクラインへ
美味しいランチでお腹を満たした後は、バスで蹴上まで移動。レトロな廃線跡が魅力である蹴上インクラインにやってきました。
全長582mもの傾斜鉄道跡は世界最長。春は桜、冬は雪など、美しく彩られる姿は圧巻で、その景色を一目見るために、たくさんの方が訪れます。
夏は廃線を美しい緑が囲み、まるで物語の中の世界に入り込んだみたい。50mmのレンズは、スマートフォンよりも少し望遠ぎみに写る特徴があるため、緑のトンネルをきれいに写すことができます。
人の全身を入れて撮影するには、程よい距離を取る必要が。そのため、昨今の情勢からも、安心して撮影に集中することができます。
・名称:蹴上インクライン
・住所:京都府京都市東山区東小物座町339
・地図:
・アクセス:蹴上駅より徒歩約3分
・所要時間:30分~1時間
南禅寺塔頭 天寿庵の緑あふれる庭園を写して
蹴上インクラインを満喫した後は、徒歩5分ほどの場所にある南禅寺へ。紅葉シーズンは人であふれるほどの人気の場所ですが、夏は比較的空いています。
美しいグリーンに彩られた南禅寺自体も素敵ですが、ぜひ訪れてほしい場所が、天寿庵。南禅寺の塔頭であり、枯山水や美しい庭園を堪能することができます。
神々しい木々に囲まれた敷地内は、どこを切り取っても美しく、シャッターを切ることに夢中に。時間が経ってしまっていることを、ついつい忘れてしまいそうになります。
・名称:南禅寺 天寿庵
・住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町86-8
・地図:
・アクセス:蹴上駅から徒歩約8分
・営業時間:拝観時間:9:00~17:00 冬期は~16:30
・定休日:臨時休業日あり
・所要時間:約1時間
・公式サイトURL:http://www.nanzen.net/
歩いて飲んで、京都の夜をじっくり堪能
たくさん歩いて写真を撮って、少し疲れたので、宿で休憩することに。
夕食をいただいて、のんびりしていると、すっかり外は真っ暗。元気も出てきたので、夜の京都をお散歩します。明かりが灯った京都はより一層に美しく、気持いい夜風に当たりながら歩く時間は最高に幸せです。
鴨川の明かりを背景に、お土産で買ったサイダーをパシャリ。単焦点レンズならではのボケ感にうっとりです。
夜のお散歩途中に訪れたのが、7月にオープンしたばかりのノンアルコール専門のBar。「お酒が苦手な人でも楽しめるBarを」ということで、カクテルやワインまでも全てノンアルコールで揃えられています。
私はFrozenCocktailのブラックチェリーをチョイス。見た目からおしゃれで、どう見ても大人なお酒なのに、ノンアルコールなんて不思議ですよね。
味もジュースではなく、きちんとお酒の味がするので、お酒が飲めない人でもお酒を飲んでいる気分にさせてくれます。私自身もあまりお酒が得意ではないので、このコンセプトはすごくうれしい。
かわいい内装を楽しみながら、ゆっくり過ごすことができるので、京都の夜を堪能する際には、おすすめです。
・名称:Non Alcohol Bar
・住所:京都府京都市中京区大黒町71 イーグルコート京都六角雅心庵 2F
・地図:
・アクセス:烏丸御池駅、烏丸駅、京都市役所前駅、京都河原町駅からそれぞれ徒歩7分
・営業時間:11:00~22:30
・定休日:不定休
・公式サイトURL:http://nonalcoholbar.com/
京都の風鈴寺、正寿院 風鈴まつりへ
京都市内で宿泊した翌日、少し足を延ばして、宇治市まで行くことに。目的地は、京都の中でもかわいいお寺として人気が高い、正寿院。
ハートの猪目窓がSNSを中心に広くシェアされ、決してアクセスが良いわけではないのに、全国からたくさんの方が訪れている場所です。
この正寿院で、夏にぜひ楽しんでいただきたいイベントが、風鈴まつり。季節ごとのお花や花火や朝顔など夏の風物詩で彩られた風鈴が立ち並ぶ景色はまさに圧巻。目と耳で涼感を堪能することができます。
そんな正寿院でも、50mmの単焦点レンズは大活躍。広すぎず狭すぎない画角であるため、たくさんの風鈴が並んでいる様子を、目で見ているイメージ通りに撮影することができます。
単焦点レンズだからこそ、美しく背景をボカすこともできるので、お気に入りの風鈴以外をボカして、思い出に残る写真を残すことも。
更に、ハートの猪目窓がある本殿でも、50mmのレンズは非常に使いやすいのでおすすめ。少し望遠ぎみであることから、写真の歪みが比較的少なく、きれいにハート型を撮影することができます。
少し後ろに下がって撮影することで、猪目窓を含めた本殿の美しい様子を写真に残せますね。
正寿院では、2020年度の風鈴まつりについて、時間を区切った事前予約制としています。少人数でじっくり見てまわることができるので、安心して訪れられる点もありがたいです。
・名称:正寿院
・住所:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
・地図:
・アクセス:宇治西ICより車で約30分
・営業時間:9時~16時半(11月~3月は16時まで)
・所要時間:1~2時間
・公式サイトURL:http://shoujuin.boo.jp/
50mmのレンズを使って、程よい距離感のカメラ散歩を楽しもう
カメラを持つことで、旅は何倍も楽しいものになります。素晴らしいと感じた景色の魅力を他の人に伝えたり、今までは何とも思わなかった場所の魅力を新たに発見することができたり、これまでの旅のスタイルを変えるきっかけに繋がります。
被写体と適度な距離を取りながら、見ている景色をイメージ通りに切り取ることができる50mmのレンズは、ぜひ今後の旅で活用してもらいたいレンズ。
皆さまもぜひ、「50mmレンズで巡る、自分なりの旅」を実践してみてください。
All photos by Yuri
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