車生活が当たり前の広大な国、カナダ。特にカナディアンロッキーエリアやユーコン準州は、車がないと隣町に行くのもなかなか難しい場所です。
そんな二つのエリアでの、日本ではなかなか見られない運転事情を紹介します!
1.車は必需品!
文字通り、車は必需品!車が無いとダウンタウンに缶詰めになってしまいます。公共交通機関は、日本のように充実していません。電車は観光列車のみ。
路線バスはユーコン準州の州都、ホワイトホースでは週末は動きません。そのため、車がないとダウンタウンの外へ出かけることが不可能なのです!
2.自分でアレンジは当たり前!
photo by pixta
ロードトリップやキャンプをする機会が多い土地では、車中泊する人がとても多いのが特徴。そしてかなり快適に車内をアレンジするのが一般的です。運転席と助手席以外はシートを倒す、もしくは最初からシートを外してしまう人もいます。そしてマットレスを敷き、枕と掛布団を入れたら、家と変わらない快適なでベッドの出来上がり!
外から見えないようにカーテンを付けたり、内側にポケットを付けて小物入れをつけたり、また戸棚を作って入れたり、電飾をつけたり……工夫はさまざま。
夏の間は部屋を借りずに来るまで生活するという人もいます。
3.なんでも乗せてしまう!
アウトドアが充実しているこの土地ならではなのが、上や後ろに色々なものを引っ付けて走る車。ルーフボックスは当たり前、マウンテンバイクやカヌー、カヤックなどなど。「どうやってバランス保っているの?」と後ろを走るのがドキドキなこともあります。
私が初めて見た時に一番驚いたのは、「Backroads」というロードバイクのツアーを扱う会社のバンです。ロードバイクをザっと10台以上屋根の上に積んで、高速道路を颯爽と走っていく光景はとてもハラハラしました。
4.日本でやったら交通違反!
交通ルールもいくつか違うものがあります。国際免許を取って運転する予定がある方は、事前に知っておきましょう。
赤信号でも右折OK?
日本でやるともちろんNGですが、カナダではOKです。ただ歩行者と、青信号の車がもちろん最優先。歩行者や自転車、そして青信号の車がいないことを確認した上で、右折に限りしても良いんです(右折をしないと、後ろから「行ってー!」とクラクションを鳴らされることもあります)。
「踏切前は一旦停止」は必須ではない?
日本では踏切は「一旦停止、電車が来るか耳を傾け、進む」ですが、カナダではしなくてもOK。とはいえ、そのまま突っ切る訳ではなく、スピードを緩めて、電車が来るかな~?ときょろきょろしながら進むのがカナダスタイル。
特にカナディアンロッキーのエリアは土地もひらけているので、一旦停止しなくても、遠くから電車の姿は確認できる場所も多数あります。そんなに危険ではないのかもしれないですね。
一方で大型バスや、トラックは会社の規定で一旦停止が決められているところもあるようです。
5.渋滞の原因とは……
渋滞の原因には事故や工事などがありますよね。ロッキーの大自然の中をドライブしていると。日本ではなかなか見かける事の出来ない景色に出会うことがあります。
動物渋滞
「2、3台車が路肩に寄っているな」と思ったら、それは野生動物がいる可能性が高いです!気づいたときには後ろに車の列……なんてこともしばしばです。
ヒトの飛び出しではなく、クマ、ビッグホーンシープなどの急な飛び出しに要注意!特に春から夏にかけては動物たちも活発なので、ドライブ中によく見かけます。野生動物の生活区域の真っただ中にある場所だからこそ出会える景色ですね。
※運転中に野生動物に出会っても、車から絶対に降りないのが基本。びっくりして急に近寄ってくることもあるので、車内からゆっくり挨拶しましょう!
キャンパー渋滞
photo by Satomi
これもキャンプなど、アウトドアが盛んだからこそ起こる渋滞です。キャンピングカーをレンタルして旅行をしている人がとても多いですが、キャンピングカーを普段から運転している人は多くはないですよね。そして車体も重いので、数台キャンパーが連なっているな……と思ったら、スピードダウンの可能性大です。
実際、私も現地ガイドで運転していた際は、キャンピングカーが前を走りだすとツアーの予約時間に間に合うかドキドキする事が何度かありました。
日本では珍しい、大型バスサイズのキャンピングカーや牽引型、トラックタイプなど多種多様なキャンパーがたくさん走っているのを見るのはとってもおもしろいですよ!
(ほぼ)夏限定!工事渋滞
工事渋滞が夏限定で発生する理由は、冬は積雪や道路の凍結で工事が不可能なため。観光ハイシーズンの夏、一番交通量が増えるときに工事を行うのでもちろん渋滞になります。場合によっては30分以上全く動かないことも。
工事渋滞にはまると、車の外に出て美しい景色の写真を撮ったりストレッチしたり……という人の姿を多く見かけます。くれぐれも野生動物にはご注意を!
踏切渋滞
photo by pixta
日本でもたまに起こりますが、この地域では待つ長さが桁違い!通って行く電車は「Canada Pacific Railway」と呼ばれる貨物列車が主ですが、驚くのはその両数です。私が数えた最大両数はなんと……172両!
踏切の一番近くで止まったのでラッキーなことに数えることができましたが、列車が通り過ぎたころには、自分の後ろには長蛇の列でした。
待ち時間も数秒、とはいかないですが、COSTCOやHyundaiのコンテナなど聞いたことのある会社のものが混じっているので見ていておもしろいです。