カナダ随一の観光地である「バンフ」という街をご存じでしょうか。
バンフは、カナダで初めて国立公園に指定された、カナディアンロッキーの玄関口でもある街です。その美しい大自然をこの目で見ようと世界中から多くの人が集まります。
そんなバンフという街でツアーガイドとして働き、カナディアンロッキーの山々を遊び回った私が、バンフを訪れる人におすすめしたい「登山」について紹介します。
カナダの大自然を体感するなら登山がおすすめ
Tent Ridge Horseshoe/Photo by Keiko Kawanami
カナディアンロッキーの玄関口であるバンフ国立公園は、カナダで最初の国立公園であり、周辺の国立公園とともに世界遺産にも登録されています。
日本の国立公園の多くが私有地であり、「景観保護」が主な目的であるのに対して、カナダの国立公園はすべて国が所有し、「生態系維持」や「環境保護」を主たる目的として、予算も日本の何倍もかけています。国立公園を専門に管理する「パークスカナダ」という政府の部門があるほど、徹底して管理されています。
Photo by Keiko Kawanami
そんなバンフに住む人々には「自然の中に住まわせてもらっている」という精神があり、高速道路の建設ひとつにしても生態系を壊さないよう配慮されていたり、動物の子育て時期になると道路を閉鎖していたりと、自然中心の営みがそこにはあります。
そんなカナディアンロッキーの街・バンフを訪れる人に、私が本気でおすすめしたいのが「カナディアンロッキーでの登山」。
ダウンタウンでのショッピング、湖などの定番観光など、バンフの楽しみ方はいろいろありますが、登山こそカナディアンロッキーの大自然を体感できる、最高のアクティビティなのです。
初心者にこそおすすめしたいカナディアンロッキー登山
Photo by Keiko Kawanami
登山初心者にもおすすめできるのが、カナディアンロッキー登山の魅力でもあります。
日本における登山は、もともとは仏や神を拝むことを目的とした、「修行」の側面が強いもの。多くの登山道は僧侶などが作ったと言われており、難易度は高めです。
一方、カナディアンロッキーは、ヨーロッパから多くの山岳ガイドを呼んで「無理なく登れるハイキングコース」を作ってもらったこともあり、かなり登りやすくなっています。初心者や体力に自信がない人こそ、カナダで登山を楽しんでほしいのです。
かく言う私も、日本では一度も登山をしたことがなかったのに、バンフに来て登山にハマりました。
バンフのMonod Sports/Photo by Masato
登山グッズを持っていなくても大丈夫。バンフのダウンタウンや空港のあるカルガリーにはスポーツ用品店がいくつもあり、登山靴やポールなどの登山グッズを一通り揃えられます。
コストを抑えたいなら、バンフの隣町キャンモアに大手ホームセンターの「Canadian Tire」があるので、そちらで買うのもおすすめです。
バンフやカルガリーのあるアルバータ州は、税金が国内で最も安い5%なので、他より安く購入できるのも嬉しいですね。
カナディアンロッキー登山で気をつけたいこと
ブラックベア Photo by Keiko Kawanami
楽しい登山ですが、注意してほしい点も多くあります。
その一つが「熊対策」。自然との共存を大切にしているバンフだからこそ、熊と遭遇する可能性があるのも事実です。
日本では熊対策として「熊鈴」が有名ですが、カナダではあまり推奨されていません。熊が最も警戒するのが、自然界には存在しない「人の声」。多くの現地登山者は複数人で、それも喋りながら、中には歌を歌いながら登山をします。
私も、「エーオ!!」と叫びながらハイキングする現地登山者を真似て、数分おきに叫んでいたこともありました。
一番おすすめしたいのがベアスプレーです。バンフのダウンタウンでは、スポーツ用品店やお土産屋さんで手に入れることができます。山に登るなら絶対買っておきましょう。
また、匂いの強い食べ物などは持ち歩かないようにご注意を。匂いを嗅ぎつけて動物が寄ってきてしまいます。
インストール必須のアプリ「All Trails」
カナダで登山する人のほとんどがインストールしているのが「All Trails」というアプリ。
日本で有名な「YAMAP」の全世界バージョンで、登る山をお気に入りに入れておけば、無料会員でもオフラインでルートマップが使えるので大変便利。
カナディアンロッキーで登山するのであれば、インストール必須です。