ライター
川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は39ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

【上級】カーナーボン・レイク(Carnarvon Lake)


Photo by Keiko Kawanami

カーナボン・レイクという湖がゴールのこのトレイルは、靴を脱いで川を渡り、馬が休息する草むらを通り、鎖を頼りに岩壁を登り……と冒険のようで、ワクワクさせてくれます。

ゴール地点は、山の窪みが湖になっている面白い地形で、その湖はまるで珊瑚の海を見ているような美しさ。それまでの疲れが吹き飛んでしまいます。

トレイルの面白さもゴール地点からの絶景も、全てが満足すること間違いなしのおすすめトレイル。

ただし、ゴール地点はかなりの強風が吹くことが多いので、帽子などが飛ばされないよう注意し、寒さ対策で上着を用意するといいでしょう。

■詳細情報
・名称:カーナボン・レイク(Carnarvon Lake)
・地図:
・登山時間:約6時間
・距離:20.6km
・標高:2,158m
・標高差:811m
・AllTrailサイト:https://www.alltrails.com/trail/canada/alberta/carnarvon-lake?sh=d9p73b

【上級】マウント・スマットウッド(Mount Smutwood)


Photo by Keiko Kawanami

マウント・スマットウッドは、山頂からの眺めが最高に美しいのがおすすめポイント。カナディアンロッキーの山々がかなり近く、迫力のある景色が広がります。

ルート後半は湖をぐるっと回るように登っていくので、常に目の前には絶景が広がっています。

ただしゴール付近はルートがややわかりにくい上、足を滑らせやすく、山頂は断崖絶壁かつスペースがかなり狭いため、慎重に登りましょう。

また、前半の木に覆われたエリアは、いつ熊に出会ってもおかしくない場所ですので、先に説明した熊対策をした上で挑戦するといいでしょう。

登山口は「カナナスキス」エリアになり、車両1台につき1枚の駐車パスが必要ですので、インフォメーションセンターもしくはオンラインページにて購入することも忘れずに。

■詳細情報
・名称:マウント・スマットウッド(Mount Smutwood)
・地図:
・登山時間:約7時間
・距離:17.9km
・標高:2,693m
・標高差:964m
・AllTrailsサイト:https://www.alltrails.com/trail/canada/alberta/mount-smutwood?sh=d9p73b

【上級】デビルズ・サム(Devil’s Thumb)


Photo by Keiko Kawanami

登山好きの友人に初めて連れてきてもらった山であり、私が登山にハマるキッカケとなったのが、ここデビルズ・サムです。

山頂では、バンフで最も有名な湖レイク・ルイーズと、その隣にあるレイク・アグネスが同時に眼下に広がり、奥にはロッキー山脈が見えるという「これぞバンフ」な眺めを楽しめます。

ゴール目前はかなり急勾配になり、足を滑らすと怪我をしかねない難所がありますので、焦らず自分のペースを守ってください。後ろにいる他の登山者には「Go ahead.(お先にどうぞ)」と言って道を譲りましょう。

体力に自信のない人は、レイク・アグネスを過ぎてしばらくした場所にある三分岐で一番左のルートを選び、ビッグ・ビーハイブ(Big Beehive)を目指すといいでしょう。ここでもかなり高い位置からレイク・ルイーズを見下ろすことができます。

■詳細情報
・名称:デビルズ・サム(Devil’s Thumb)
・地図:
・登山時間:約6時間(デビルズ・サム、ビッグ・ビーハイブ両方訪れた場合)
・距離:12.7km
・標高:2,458m
・標高差:1,046m
・AllTrailsサイト:https://www.alltrails.com/trail/canada/alberta/devils-thumb-and-the-big-beehive?p=64990340&sh=d9p73b

【上級】ジ・オニオン(The Onion)


Photo by Keiko Kawanami

「玉ねぎ」の名で呼ばれるこのトレイルは、ゴール地点で「アイスバーグ・レイク」という、まるで玉ねぎのような形をした湖を見ることができます。

ゴール地点の景色もすばらしいのですが、私がここを選んだ理由は、トレイル自体がとても面白いから。

バンフの定番観光スポットでもあるボウレイクという美しい湖から出発し、峡谷に挟まる巨大な一枚岩をよじ登り対岸へ、しばらくすると岩が集まるエリアに出るので、運が良ければピカ(ナキウサギ)に出会えることも。その後も澄んだ綺麗な川のすぐ横を歩いたり、橋のない小川を渡ったり。

個人的に大興奮ポイントだったのが、ゴール目前で氷河の上を歩いたこと。1万年前から残る氷河の上に立っているだなんて、なんだかロマンを感じます。

ちなみに私は、ゴール地点で玉ねぎを持って記念撮影しました。The Onionだけに(笑)。

■詳細情報
・名称:ジ・オニオン(The Onion)
・地図:
・登山時間:約7.5時間
・距離:17.5km
・標高:2,670m
・標高差:924m
・AllTrailサイト:https://www.alltrails.com/trail/canada/british-columbia/the-onion?p=64956046&sh=d9p73b

【上級】オーパル・リッジ(Opal Ridge)


Photo by Yusei Murayama

知名度が低めで、本当は誰にも教えたくない山がオーパル・リッジ。

知る人ぞ知る山で、他の登山者が少ない代わりに、動物との遭遇率はダントツ。マーモットやマウントゴートなど目撃情報多数です。

カナディアンロッキーの山々といえば、山頂までガレ場が続き、足元はグレーや茶色のことがほとんどなのですが、オーパル・リッジは緑の稜線が美しいのが特徴です。日本での登山経験者に言わせると「日本の山を思い出す」とのこと。

動物と出会いたい人、他の人が行かないような穴場の山に挑戦したい人、日本の山が恋しくなった人にはかなりおすすめです。

登山口は「カナナスキス」エリアになり、車両1台につき1枚の駐車パスが必要ですので、インフォメーションセンターもしくはオンラインページにて購入することも忘れずに。

■詳細情報
・名称:オーパル・リッジ(Opal Ridge)
・地図:
・登山時間:約5時間
・距離:8.0km
・標高:2,575m
・標高差:1,054m
・AllTrailsサイト:https://www.alltrails.com/trail/canada/alberta/opal-ridge?p=64370005&sh=d9p73b

【上級】カスケードマウンテン(Cascade Mountain)


Photo by Keiko Kawanami

バンフのランドマークであり、ダウンタウンのどの場所にいても存在感のある山と言えば、カスケード・マウンテン。バンフにいる人であれば誰もが「一度は登りたい」と思う憧れの山です。

ダウンタウンからカスケードを見て、山頂の雪が溶けていたら登山ができる合図です。

登山道がわかりにくいポイントもいくつかあるので、AllTrailsでルートを確認しつつ、正規ルートには近くの岩にマークがあったり、ケルンと呼ばれる石を積み上げた目印があったりするので、それらを頼りに歩きましょう。下山してくる他の登山客がいれば、その人たちに道を確認するのもいいでしょう。


Photo by Keiko Kawanami

山頂からは、今まで自分たちがいたダウンタウンの街並みが見えるだけでなく、東を向けばバンフ最大の湖ミネワンカ湖、西を向けば眼下に広がるカナディアンロッキーの山々……と、壮大すぎる景色に出会うことができます。

また、ダウンタウンが近いこともあり、山頂で電波が通じるのもカナディアンロッキー登山ではかなり珍しいこと。私がこの山に登ったときは、「今山頂に来たよ。これから下山するから、帰りは6時くらいかな」なんて家族に電話をする地元の男性がいて、その不思議な光景に思わず笑ってしまいました。

登山口までは街中から無料シャトルバスが出ているので、車がない人もアクセス可能です。

■詳細情報
・名称:カスケード・マウンテン(Cascade Mountain)
・地図:
・登山時間:約9.5時間
・距離:18.5km
・標高:2,998m
・標高差:1,678m
・AllTrailsサイト:https://www.alltrails.com/trail/canada/alberta/cascade-mountain–2?p=64802810&sh=d9p73b

【超上級】マウント・テンプル(Mount Temple)


Photo by Tomomi Nagao

マウント・テンプルはレイクルイーズエリア最高峰の山。カナディアンロッキーの中でも7番目に高く、標高は3,544mです。

標高差は1,696mもありながら、総距離は15.1kmと、標高のわりにそこまでロングトレイルではありません。つまりは、勾配が急ということ。

バンフ住民の間でもマウント・テンプルは難易度が高いと有名で、実は私自身も未挑戦。しかし、山好きの友人達から「登山経験者におすすめしたい」と高評価であるため、超上級として紹介することにしました。

前半は「センチネルパス」という、秋の紅葉で有名で登山初心者にも優しいトレイルと被っており、難易度はそう高くありませんが、問題はそれ以降。

センチネルパスを過ぎてからは、落石の危険があるエリアに入っていくため、ヘルメットとグローブの着用が必須となります。スクランブル(軽いクライミングのようなもの)もありますから、他の登山者のルートを見つつ、声を掛け合いながら慎重に登りましょう。

山頂からは、カナディアンロッキーの山々を見下ろす景色が360度広がっており、圧巻の絶景なのだそう。山を見下ろすなんて、なかなか経験できませんよね。

■詳細情報
・名称:マウント・テンプル(Mount Temple)
・地図:
・距離:15.1km
・標高:3,544m
・標高差:1,696m
・AllTrailsサイト:https://www.alltrails.com/trail/canada/alberta/mount-temple?p=64887902&sh=d9p73b

どの山に登るか迷ったときに見るべき動画


特に参考にさせていただいた「バンフTV」さんの動画

今回は私の経験に基づいて10個の山を厳選しましたが、カナディアンロッキーには数え切れないほどの山があり、私も登り損ねた山がいくつもあります。

どの山に登ろうか迷っている、ここに載っていない山も知りたい、という人におすすめなのが「バンフTV」というYouTubeチャンネル。バンフ在住の日本人の二人で運営されています。

再生リストにある「絶景食べ歩き」には、バンフからアクセスできる山々を紹介した動画がたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてください。

実際に私もこの動画をかなり参考にさせていただきました。

登山したい、でも不安……そんなときはプロに頼ろう


The Onion/Photo by Keiko Kawanami

カナディアンロッキーで登山したいけど、経験がないから不安、自分の体力ではどの山が適切かわからない、そもそも登山口まで車で行くのが不安……という人はツアーを利用するのがおすすめ。

Toloco Toursでは、国立公園公認ガイドが日本語で、ガイドをしながら登山をサポートしてくれます。

また、マウント・テンプルなど、難しい山に挑戦したいけど道具が用意できない、自力では不安という人には、山岳ガイドに頼ることをおすすめします。ヤムナスカでは、経験豊富な日本人の山岳ガイドが登山をサポートしてくれます。


Pocaterra Ridgeから

これからバンフに訪れる人にとって、この記事が参考になれば幸いです。

これまで世界中の多くの街を訪れてきましたが、トップクラスで気に入った「バンフ」という街を、皆さんも楽しんでいただけたら嬉しいです。

ライター
川波 恵子 旅する臨床検査技師

旅する臨床検査技師けーちゃん。訪問国数は39ヶ国。臨床検査技師として働く傍ら、出張撮影サービスのカメラマンをしたり、世界一周をしたりアメリカ横断したり、フォトコンテストで世界1位になったり(IPA 2023)。「やりたい事は全てやる、行きたい所は全て行く」をモットーに世界中を旅しています。好きなことはカメラと美味しいチョコレート探し。今の目標は宇宙旅行。

RELATED

関連記事