ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

海外旅行をするときの準備のひとつに保険があげられるのではないでしょうか。今回ご紹介する旅行キャンセル保険は、旅行をキャンセルした際に発生する損失をカバーする保険です。一般的な旅行保険と似た名前ですが、性格はまったく異なります。この記事では知っておいて損はない旅行キャンセル保険の情報をお伝えします。

旅行キャンセル保険は一般的な旅行保険とは違う

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最初に押さえておきたいポイントは、旅行キャンセル保険と一般的な旅行保険は異なる点です。一般的な旅行保険は旅行開始から旅行終了までをカバーする保険です。つまり、一般的な旅行保険では旅行開始前に起きるキャンセルはカバーしていません。

一方、旅行キャンセル保険は、旅行開始前のキャンセルに特化した保険です。利用開始日2~3日前に航空券や宿泊施設の予約をキャンセルすると、高額のキャンセル料が発生する場合があります。旅行キャンセル保険はこのようなキャンセル料を補償するものです。

旅行キャンセル保険として独立した保険となっているのは一部です。多くは一般的な旅行保険のオプションとなっています。また名称も「旅行変更費用補償特約」という少しお堅い用語を使っているところも多いです。

◉旅行キャンセル保険の例
・AWPチケットガード少額短期保険:「トリップキャンセル」独立形
・ジェイアイ傷害火災保険:「旅行キャンセル費用補償特約」オプション形
・損保ジャパン日本興亜:「旅行変更費用補償特約」オプション形

この中で損保ジャパン日本興亜が運営している「旅行変更費用補償特約」は海外旅行総合保険への申し込みが必要となり、インターネットでは申し込めません。

旅行キャンセル保険のしくみ

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ここではAWPチケットガード少額短期保険株式会社が販売されている、「トリップキャンセル」を例に旅行キャンセル保険のしくみを解説していきたいと思います。

「トリップキャンセル」は旅行出発前のキャンセルをカバーしますが、すべてのキャンセルに対応しているわけではありません。キャンセルになった理由・原因がポイントとなります。

◉「トリップキャンセル」が対応する理由・原因
・旅行に行く方の入院、通院
・ご家族の入院、通院
・旅行出発日の交通機関の遅延
・旅行に行く方、ご親族の死亡

たとえば旅行開始日の朝、父親が急病で病院へ搬送、入院し、旅行をキャンセルした場合は保険金がおりますが、ご自身が単なる寝坊で旅行をキャンセルした場合は保険金はおりません。

旅行キャンセル保険では申込日も大切です。「トリップキャンセル」の申込日に関する条件は以下のとおりです。

・旅行代金の一部または全額を支払った日のいずれか早い方から5日以内
・旅行最初の搭乗日までの残日数が7日以上

以上の2項目すべてを満たさないと申請できず、この保険では航空券のみ、宿泊施設の予約のみのケースには対応していません。ツアーやパッケージ旅行を対象とした保険です。

◉保険金請求手続きに必要となる書類
・保険金請求書
・キャンセルになった理由・原因の証明書
・予約確認書など(旅行代金の支払明細が確認できるもの)
・キャンセル料の発生と金額が確認できる書類

旅行キャンセル保険でも、会社によって条件等が異なりますので、会社から送られる約款に目を通すことをおすすめします。

保険料はいくらかかるのか

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「トリップキャンセル」では保険料と保険金額により「補償プラン100%」と「補償プラン50%」があります。

たとえば、旅行代金が5万円だと保険金額(補償の上限)と保険金は以下のとおりです。

◉旅行代金が5万円の場合

 補償プラン100%:保険金額(補償の上限)50,000円、保険料1,510円
 補償プラン50%:保険金額(補償の上限)25,000円、保険料830円

「トリップキャンセル」では旅行代金70万円までカバーしています。

流行により変わっていく対応も

感染症の流行などにより情報は常に変わっていくため、パッケージ旅行の中止や飛行機の欠航が決まった場合は各保険会社のホームページを確認することをおすすめします。

旅行キャンセルの可能性が少しでもある場合は、旅行キャンセル保険への申請を検討してみましょう。保険料もそこまで高くはなく、申請しても損はないと思うので、ぜひ検討してみてくださいね。

ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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