ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

今回は、ウクライナにあるチェルノブイリ原子力発電所の注意点を紹介します。放射線に注意しないといけませんが、その他にとある動物に気をつけないといけません。それは何か? この記事を読むとわかりますよ。

 

そもそも、チェルノブイリ原発は行ける場所?

Photo by 新田浩之

旅人でしたら、一度は「チェルノブイリ原子力発電所」を耳にしたことがあると思います。チェルノブイリ原発はウクライナの首都キエフ近郊にあり、1986年に起きた大事故で有名になりました。

1986年4月26日、チェルノブイリ原発4号炉で作業員のミスにより大爆発! 大量の放射線が漏れ、ウクライナだけでなくヨーロッパ全土に汚染雲が覆いました。事故の影響により多くの住民が避難し、原発30キロ圏内は人が住めいない地域に。また、放射線の影響を受け、白血病で亡くなった人も少なくありません。

 

ここまで書くと「本当にチェルノブイリ原発に行けるの?」と思うでしょう。答えはYES、ツアーに参加すれば誰でも簡単に行けます。事前にツアー会社のホームページから1日ツアーを予約すればいいだけ。費用は内容にもよりますが、5,000円~10,000円です。

当日はパスポートを持って、キエフの中心地から会社が運営するミニバスに乗ります。ガイドは英語で詳しく解説します。中には専用のアプリを通じて、日本語で解説してくれる会社も。チェルノブイリ原発は旅人ビギナーであっても、入りやすいスポットです。

 

放射線以外で気をつけたいもの、それは蚊

Photo by 新田浩之

チェルノブイリ原発ツアーでは放射線に注意が必要ですが、短期間であれば健康には影響ありません。10キロ圏内ではカバンを地面に置いたり、座ったりしてはいけません。もちろん、水を飲むこともNG! そのあたりは放射線の恐怖を知っているせいか、参加者はルールをきちんと守ります。

放射線以外で気をつけたいもの、それは蚊です。おそらく、冬以外のシーズンであれば、巨大な「チェルノブイリ蚊」(おそらくヤブ蚊)に遭遇するでしょう。それが実に厄介な存在です。

 

私は6月にチェルノブイリ原発に行きましたが、運の悪いことに雨が降った翌日でした。そのため、巨大なヤブ蚊がうようよ。ガイドも「雨が降った日の翌日だから、蚊が多い」とボヤいていました。

したがって、日程に余裕がある人は「前日:雨、当日:晴」という組み合わせを避けたほうがいいです。原発周辺は人の立ち入りが制限されているので、蚊にとっては天国のような場所。水たまりができると、大量に蚊が生まれるようです。

 

ツアー当日は暑くても長袖長ズボンで参加しましょう。また、フード付きのジャケットも必須アイテム。蚊が多い日は、顔の正面から襲ってくる場合があります。私は幸いにしてフード付きジャケットがあったので、顔からの襲来はある程度、防げました。フードがなかった参加者は……。ご想像にお任せします。

なお、いくら蚊に効くスプレーをまいても効果はないと思います。ジーンズであっても、平気な顔で布の上から攻撃します。チェルノブイリ原発ツアーに参加する場合は、ある程度、蚊に刺されることを覚悟してください。

 

「チェルノブイリ蚊」はすぐに痒くはならない?

photo by pixta

この章はあくまでも私の体験談として読んでください。おそらく、体質によって異なると思いますから。ツアー中、私は見事に10箇所以上も刺されました。刺された瞬間から痒くなると思いきや、当日は不思議なほど全く何も感じませんでした。

ところが、5日ほど経った頃、すでに日本に着いたときに、猛烈な痒みに襲われました。「掻かないように」と意識しますが、夜中は無意識的にやってしまいます。私の対処法が悪かったので、痒みは長続きしました。

 

そして、遅まきながらステロイド系のかゆみ止めを購入。ようやく炎症が収まり、かゆみも感じなくなりました。それでも、炎症が治まるのに1ヶ月はかかりました。

今から思うと、猛烈なかゆみがスタートした時点で、ステロイド系のかゆみ止めを購入すべきでした。私の場合、一般的なかゆみ止めは全く効きませんでした。チェルノブイリで蚊に刺された場合は早めにステロイド系のかゆみ止めを入手することをおすすめします。

 

原発だけでない、チェルノブイリ原発ツアーの魅力

Photo by 新田浩之

せっかくですから、チェルノブイリ原発ツアーの魅力をお伝えしましょう。ここでは私が参加した1日ツアーを基に紹介します。パスポートチェックを受けると、いよいよ30キロ圏内。人々が避難した際に捨てられた村を見学します。

Photo by 新田浩之

原発事故が発生したときはウクライナはソビエト連邦の一共和国でした。文化センターのような場所ではソビエト時代の共産主義スローガンがそのまま掲げられていました。まるで、時が止まったよう。少しでもソビエト連邦の歴史を知っていると、より楽しめると思います。

Photo by 新田浩之

こちらは秘密の巨大レーダーです。アメリカ軍の動きを察知するために、莫大な資金を注ぎ込んで建てられました。もちろん、現在は使っていません。レーダーに登りたくなりますが、危険なのでやめておきましょう。

ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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