世界2位、アジアでは1位の世界遺産数を誇る中国。もはや中国についての説明はいらないでしょうが、広大な国土と長い歴史が創り出す自然遺産・文化遺産はどこも見ごたえはたっぷりです。
今回は、中国にある世界遺産を全52ヶ所を全てご紹介します。時間があるときに、ゆっくり読んでいただくと中国を旅したい気持ちが湧き上がる素敵な場所ばかりです。ぜひお楽しみください。
九寨溝の渓谷の景観と歴史地域
九寨溝を見た後に他の河川や湖沼は見れない、と中国の人々に称されるほどに美しい渓谷です。伝説では、悪魔を封じようとした鏡が砕け散って山に落ち、九寨溝の美しい湖となったとされています。
針葉樹林、草原、森林限界、そして万年雪を持つ稜線まで様々な自然環境を有する一帯では、パンダを代表とする多くの動物達が生息しています。1992年に世界自然遺産に登録されました。
黄龍の景観と歴史地域
玉翠山麓の渓谷沿いにある、合計3000を超える池沼を持つ湖沼群です。
カルスト地形が作り出す石灰分によってでき上がった独特の自然景観を持ち、エメラルドグリーンや黄金色に輝く湖の水は、周辺の緑や白く流れ落ちる滝と見事な調和を魅せています。
ジャイアントパンダや金糸猴を代表とする稀少生物も生息しており、1992年より世界遺産に登録されるとともに、2000年には生物圏保護区にも指定されています。
ラサのポタラ宮歴史地区
7世紀から9世紀にかけて吐蕃の首都が置かれていた町で、チベット仏教の聖地となっています。ラサ市内の紅山の山頂に築かれたポタラ宮はチベット仏教の総本山ともなっており、ダライ・ラマの居住地ともなりました。
9層からなるポタラ宮の宮殿主楼にはおよそ1000にも及ぶ部屋があり、宮殿周辺にはいくつかのチベット仏教寺院があります。
麗江旧市街
800年の歴史を持つ麗江の町。この土地ではその昔、ナシ族が母系社会を築き上げていましたが、中国の漢化政策により言葉や自由恋愛が否定され、当時使われていた象形文字も封印されてしまいました。
この象形文字はトンパ文字と読まれ、現在はトンパ教の司祭しか使ってはいないものの、現在使用されている世界唯一の象形文字としても知られています。
福建の土楼
客家と呼ばれる人々独特の版築建築物であることから客家土楼と呼ばれる巨大な建築物は、そのほとんどが12世紀から20世紀に建てられたものとされています。
円楼と呼ばれる円形の建物と方楼と呼ばれる四角形のものが混在しており、外壁は土で覆われ、外からの進入が難しい構造になっています。2008年に世界文化遺産に登録されました。
北京と瀋陽の明・清朝の皇宮群
北京の紫禁城は、現在は故宮博物院として知られており、世界最大の皇宮でもあります。明と清の時代、24代にも渡る皇帝の城として使われていました。
瀋陽の瀋陽故宮はヌルハチとホンタイジの時代の皇宮であったと共に、清王朝の離宮としても使われていました。これらの王朝皇宮は1987年より世界文化遺産に登録されています。
峨眉山と楽山大仏
長江の支流の断崖に聳え立つような世界一大きな楽山大仏。高さは71メートルにも及び、峨眉山の一部になっているかのようにも見えます。
かつては不老長寿の妙薬があると信じられていた峨眉山は道教の聖地でしたが、仏教が浸透して仏教寺院が多く建てられるようになり、長江を渡る船が事故に合わないよう願って建築されたのがこの楽山大仏です。
万里の長城
新・世界七不思議のひとつにも数えられている城壁の遺跡。東端の遼寧省虎山から西端の甘粛省嘉峪関まで、その長さは21,196.18kmにも及ぶと発表されていますが、全長全てが同じ規格で作られているわけではなく、現存している人口壁は6,259.6kmとされています。
証明はされていませんが、宇宙から肉眼で見える唯一の建造物と言われていたことでも有名です。
秦の始皇陵
歴史上初めて中国を統一し、初の皇帝となった秦の始皇帝が、権力を誇示するために築いた巨大な墳墓です。
1日に70万人もの労働力を使って38年もかかって作られたこの墳墓は、高さは76メートル、大きさは東西345m、南北350mにも及びます。
戦車や馬、兵士像をはじめとする膨大な数の埋葬物が発見されています。
周口店の北京原人遺跡
70万年前から20万年前のものと考えられる北京原人の化石が発見された遺跡です。その他にも、鹿の骨や骨製の道具、石器などが見つかっています。
この遺跡が発掘されることで、北京原人が直立歩行していたことや、集団生活をしていた様子などが明らかになり、考古学上大変重要な遺跡の一つとされています。1987年に世界文化遺産に登録されました。