ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!トラベルライターの土庄です。2023年の冬、皆さんはどのように休日をお過ごしですか?

筆者はもっぱら、大好きな雪山へ登山に通う日々を送っています。

真っ白な雪景色と、空の青が美しい冬のシーズン。1年でもっとも美しくアドベンチャーな登山が楽しめる季節です。

そこで今回は、雪山登山に適した山が揃う東海地方に注目し、「雪山登山」の魅力とおすすめの4座を厳選してご紹介したいと思います。

雪山登山の魅力


「なぜ雪山に登るの?危なくないの?」

雪山登山が趣味と言うと、このようなリアクションをいただくことが多いもの。

もちろん、危険が伴う場合や事例もあります。しかし、ちゃんと準備をすれば、これ以上ないほど好奇心が満たされるアクティビティだと筆者は思っています。

白銀の絶景に出会える


雪山登山の第一の魅力は、白銀の世界を味わえることです。

まるで白い桜が咲いているかのような並木道を越え、降り積もったばかりの道にトレース(足跡)を作って山頂を目指していく時間は、寒く厳しくも癒やしのひとときです。

時には光に照らされて、ガラス細工のようなワンシーンに出会えることも。雪山ならではの美しい風景をカメラに収めることが、雪山に通うモチベーションになっています。

普段の山と違う非日常感


2つ目の魅力は、普段の山とは違う非日常を体験できることです。

見慣れた登山道でも、雪で真っ白に覆われると、まるで別世界のように感じられることも。張り詰めたような寒さと静けさも特別な情緒を醸し出します。

もちろん紅葉や新緑のシーズンも風情がありますが、冬だけは雪が山の雰囲気を白く塗り変え、自然の圧倒的な表情変化を見ることができます。

青空に映える霧氷を鑑賞する


3つ目の魅力は、雪山ならではの冬の風物詩「霧氷」です。

空気中の水分が急激に冷やされ、枯木に付着する現象で、”冬に咲く桜”として親しまれています。気候条件の厳しい、限られた山でしか見られません。

湿度が高く、気温差が大きくないと霧氷が生成されないため、タイミングを予測するのが難しいのが霧氷。その分、気候条件が揃い、真っ青な空の下で輝く霧氷を見られたとき、登山の感動は何倍にも高まります。

雪山登山を安全に楽しむためのポイント

危険というイメージが先行する雪山登山。以下の4点をおさえれば、初心者の方でも安全に登山を楽しむことができます。

登山装備を揃える


雪山登山において、まず必須となってくるのが装備です。本格的な雪山に登らないかぎりハイスペックなギアは不要ですが、それでも最低限、以下は必要になります。

・完全防水ウェア上下(おすすめ:ワークマン)※中にはインナーダウンなど着用
・完全防水グローブ(おすすめ:テムレス黒)
・完全防水のトレッキングシューズ※厳冬期用
・6本爪~8本爪アイゼン

ウェアやグローブはワークマン、トレッキングシューズとアイゼンは登山用品ショップで購入するのがおすすめ。セールなどを狙えば、5万円以内におさめられるでしょう。

休日に、メジャーな山に登る


次に大切な観点は、登る山についてです。厳冬期は山のコンディションによって大きく難易度が変わってきます。

積雪具合はもちろんのこと、道迷いのリスクから、必ず他の登山者に出会うメジャーな山を選ぶといいでしょう。そして、登山者が増える休日にトライしてみてください。

具体的には登山地図アプリYAMAPで直近の活動日記がどれほどあるか調べます。目安として1週間以内に10以上の活動日記があればメジャーな山と言えそうです。

歩行時間は6時間以内


山に加えて、実際に登るコースも大切なポイントです。前述のYAMAPの活動日記から、その山の登山道に危険な箇所がないか、あらかじめ確認しておきましょう。

「急登」「トラバース」「痩せ尾根」これらのワードには要注意!”滑落のリスクあり”と書かれている場合、その山は選ばない方がベターです。

一方で標準時間についても6時間以内をおすすめします。雪に足を取られると、標準時間の1.5倍かかることもあるため、標高差が少なくコースの短い山を選ぶといいでしょう。

天気が悪い場合には決行しない


最後にもっとも大切な観点が、天候が悪い場合には決行しないということです。視界が不明瞭であれば、道迷いや滑落のリスクが格段に高まります。

毎年必ず遭難者や滑落事故に巻き込まれる方が出ています。上記3点をしっかり守った上で、当日の天候をみて登山を決行するか否か、判断を誤らないようにしましょう。

東海地方おすすめの4座

それでは次に、雪山登山を手軽に楽しめる東海地方の山を4座ご紹介したいと思います。ハイキングレベルから本格入門の一歩手前の山まで、初心者にもかなりおすすめできる名峰揃いです。

【三重県】御在所岳 | 霧氷咲き誇る山上の別天地


まず手軽に雪山の世界に触れたいなら、三重県の「御在所岳(ございしょだけ、標高1,212メートル)」がおすすめです。登山道もありますが、御在所ロープウェイが運行しており、登山装備がなくても雪山の世界へワープできます。


その醍醐味は、山公園駅一帯を彩る冬の風物詩「霧氷」。青空とのコントラストが爽快で、北へ続いていく鈴鹿の山並みとのコラボレーションは、まるで絵画のような美しさです。

■詳細情報
・名称:御在所岳
・住所:三重県三重郡菰野町菰野
・地図:
・アクセス:菰野ICから御在所岳ロープウェイまで車約10分。ロープウェイ下車後、山上公園駅から山頂まで片道徒歩約40分
・営業時間:冬季(12月〜3月)は9:00〜16:00
・電話番号:059-392-2261(御在所岳ロープウェイ)
・料金:大人(中学生以上)往復2,450円
・所要時間:2時間〜3時間
・公式サイトURL:https://www.kankomie.or.jp/spot/1579
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土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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