……といった感じで景色を楽しみながらマイペースに進んでいけば、意外と無意識のうちに距離を稼ぐことができます。しかし、正念場はここからなんです!
正念場はここから。平和丸からが長い!
登山開始から約12kmで平和丸(へいわまる、標高1,701m)へ到着します。この辺りから稜線も三嶺に向けてカーブを描いていきます。
ここまでで疲労も蓄積しているのですが、平和丸から続くカヤハゲ山(標高、1,720m)まで下りと登り返しがあり、ラストの三嶺(標高1,894m)までは傾斜のある登りが続きます。
一番キツいこの区間ですが、休憩を挟みつつ一心不乱に登坂します。少し進むたびに「まだか、まだか」と心が折れそうになりますが、最後は気力勝負です。
そして登山開始から約8時間、ようやく三嶺のいただきへ到着しました。
するとそこには、三嶺の秋の風物詩「コメツツジ」の群落が展開!その向こうには登山口の見ノ越が見えていました。
「この長距離を進んできたんだ……!」と感動。思わず同行していた友人とハイタッチをします。
牧歌的風景を見せる二百名山・三嶺
日本二百名山に選ばれている三嶺。その魅力は唯一無二の風景にあります。それがこのテーブルマウンテンのような山頂周辺の地形。
荒々しい岩に囲まれながら、笹原の広々とした空間を作っており、そこには赤い屋根の三嶺ヒュッテと山頂直下の池。
思わず「ここが日本!?」と言いたくなる、メルヘンチックな景観を見せてくれるのです。
山頂周辺でゆっくりしたい気持ちはあるものの、すでに14時半ということで先を急ぐことに。
あとは下るだけなのですが、17時過ぎには日没を迎えるので、あまり時間がありません。樹林帯の道を駆け下りるようにして、16時前に下山しました。
ラストは自転車で見ノ越ヒルクライム
下山を終えて達成感に浸りたいものの、自転車で登山口まで戻るというラストステージが待っています。
距離にしてジャスト10km!う〜ん、なかなか楽ではありません(笑)。
ただ日没まで少し時間があるかも!?ということで、道中には「奥祖谷のかずら橋」へ寄り道。
こちらの紅葉はまだ先ですが、グリーンシーズンの最後の風情を味わえましたし、人力ロープウェイ「野猿」にも乗れました。
疲労困憊の状態で、見ノ越までの登りに立ち向かい、なんとか真っ暗になる前に戻ってこれました。
登山と自転車で総距離は30km以上、時間はなんと約12時間の内容でした。かなりハードでしたが、一秋の大冒険はこれにて終了です。
紅葉の名山を求めて秋の大冒険
今回は秋の紅葉登山のルートとして「剣山〜三嶺」をご紹介しました。
標高2,000mを超える山のない西日本ですが、日本屈指のパノラマと冒険を味わえる山はたくさんあります。今回はあくまでその一例です。
色鮮やかな紅葉をまとい、引き込まれる絵画のような風景を見せる秋の名山。体力をつけて挑戦してみてはいかがでしょうか。
・名称:剣山〜三嶺
・住所:徳島県美馬市・三好市・那賀郡那賀町・美馬郡つるぎ町〜徳島県三好市東祖谷
・地図:
・アクセス:見ノ越から剣山まで徒歩片道約1時間30分、三嶺まで徒歩片道約7時間半、三嶺登山口まで徒歩片道約2時間
・オススメの時期:10月中旬(秋)
・公式サイトURL:https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kurashi/shizen/2016080900091/
All photos by Yuhei Tonosho