ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!山の紅葉が最盛期となるシーズンの10月。「今年はどの紅葉の名山に行こうか?」と計画を立て始めている土庄です。

そこで今回は、かつて訪れた四国・剣山〜三嶺の縦走路をご紹介!紅葉をまとう峰々を越え、四国山地を縦走した山旅の記録を振り返りたいと思います。

森林限界(高木が生育できず、森林を形成できない限界線)の稜線の開放感、まるで日本アルプスを思わせる長大な稜線、鮮やかなコメツツジに彩られる三嶺など、忘れられない旅情と風景が脳裏に焼き付いています。

四国の屋根をゆく岳人憧れのルート


標高2,000mを超える山のない西日本。しかしながら個性的な独立峰や、山々を縦走する名コースが点在しています。

その中の代表的なルートのひとつが「剣山(つるぎさん、標高1,955m)〜三嶺(みうね/さんれい、標高1,894m)」です。


剣山は西日本で2番目の高さにして、四国中央部にそびえる山脈の盟主。日本百名山にも選ばれています。見ノ越から登山リフトを使って日帰りでアクセスするのが定番ですが、実は日本二百名山に選ばれている三嶺まで縦走できるのです。

しかし距離は20kmを超え、累積標高差も1,700m以上。ややハードルが高いのですが、それゆえに全国の登山愛好家憧れのルートとなっています。

朝霧の剣山を抜けて、憧れの稜線へ


2020年10月下旬、そんな西日本屈指の名ルートに日帰りで挑戦してきました。登山口と下山口が違うため、あらかじめ下山口にロードバイクをセット!下山後、ロードバイクに乗り換えて登山口へ戻る作戦です。


夜明け前の5時半から登山を開始。「真っ暗な森の中を歩くのは怖い」という感覚は、最近はなくなってきました。約1時間ほどで剣山の山頂へ到着です。

この手軽さこそ剣山の最大のポイントですね。ただ霧が充満しており何も見えません。


しかし天気予報は晴れだったので、1時間ほど待ってみることに。そうすると少しずつ視界が良くなり、剣山に連なる「次郎笈(じろうぎゅう、標高1,930m)」の山容が見えてきました。

前半のハイライト・次郎笈(じろうぎゅう)へ


「剣山〜三嶺」の1つ目のハイライトである、次郎笈までの道のり。

すでに森林限界を迎え、雄大な笹原の稜線が続いていきます。まさに天空を歩いているような感覚です。


雲が多い早朝ですが、それゆえ明暗が山肌に映し出され、劇的な表情変化を見せてくれました。


時折振り返れば、剣山とその左右の山肌を彩る鮮やかな紅葉が展開します。気持ちのいい秋晴れも相まって、まさにベストな訪問タイミング!


そして2座目の次郎笈へ登頂。ひらけた山頂からは、これから進む長大縦走路の全貌が見えています。

写真の右上のとがった山が、これから目指す三嶺。そのスケールに思わずひるんでしまいそうです。

四国山脈の長大な尾根を進む


次郎笈を過ぎると、丸石、高ノ瀬、平和丸、カヤハゲ(東熊山)などの小さな山頂をつなぎながら、三嶺を目指していきます。

小刻みにアップダウンはあるものの、ペースを上げすぎなければ負荷はかかりません。

距離は長いのですが、終始稜線のパノラマはひらけ、景色変化もあるので、いくらか気が紛れます。


関西の大台ヶ原を思わせる、とても絵になる立ち枯れ。


気が遠くなる標識ですが、焦らない焦らない(笑)。


丸石(まるいし、標高1,684m)周辺から剣山と次郎笈を振り返る。


青空を背景に、笹原の稜線を進む。丸石はすぐそこ……!


次郎笈を眺めながら、四国の屋根で一休み。

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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