こんにちは、TABIPPO編集部です。2020年10月12日に締め切った、「#私たちは旅をやめられない」コンテスト。たくさんのご応募ありがとうございました!

募集時にクリエイターの方々の作品例を掲載しておりました特集にて、受賞作を順次掲載する形で発表させていただきます。

それぞれの旅への思いが詰まった素晴らしい作品をご紹介していきたいと思います。ぜひご覧ください。

今回はTHAILAND賞に輝いた、yuka | 海外が好きすぎてさんの作品『タイ プーケット旅行記 バースデーギフトを持って』をご紹介します。

yuka | 海外が好きすぎてさんには、タイ国政府観光庁より「株式会社ミールワークス マンゴツリー お食事券5,000円分」と、副賞として「株式会社アライドコーポレーションのタイカレーレトルト3箱セット」が贈られます。それでは、作品をお楽しみください。

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「せっかくやし」大阪生まれ大阪育ちの性なのか、私はよくこの言葉を使っているらしい。最近友人に指摘されて気づいた。

海外旅行に行く時は、せっかく行くんやから!と、旅先について片っ端から調べ、ガイドブックはドッグイヤーだらけになり、旅のしおりを自分で作ってしまう私だった。

今回は、親友とタイ プーケットへ3泊4日の旅行。

往復の航空チケット・ホテルの予約を早々に取り終えた私たちだったが、エステ、タイ古式マッサージ、象乗り体験、島巡りツアー、、やりたいことは沢山あり、ネットで色んな種類のツアーを見たが、なぜかどれもピンとこない。結局何のツアーも予約せずに、私たちは飛行機に乗り込んだ。

深夜に到着した私たち。カラフルにネオンを放つ無数のバー、レストラン、マッサージ店。クラブミュージックを爆音で鳴らしながら、それぞれの個性をアピールするようにギラギラとライトを光らせ走る、トゥクトゥクたち。

想像以上にバブリーな眠らないパトンビーチの街並みを目の当たりにしながらも、トゥクトゥクに乗りタイの夜の心地よい風を受けながら、私たちは滞在先のホテルへ向かった。

翌朝。昨日の騒々しさとは一変、パトンビーチの朝は驚くほど静かだった。

青、水色、エメラルド。一色で表すことは到底出来ない鮮やかな海の色、太陽の反射でキラキラと輝く波。どこまでも続くビーチに私たちははしゃいでいた。

「今からどこ行こっか〜」

このままボーッと何もせずに1日を過ごしてもいいんじゃないかと思うほど、パトンの美しく大きな海は、私たちを優しく包み込んでくれた。

すると、どこからともなく一人のおじさんがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。日によく焼けた肌に、ポッコリとしたお腹が目に付く白いTシャツを着て、タバコのヤニで黄ばんだであろう歯をにかにかと見せながら、手には何かパンフレットらしきものを持っている。きっとトゥクトゥクの勧誘に違いない。

プーケットに詳しい友人からは、ぼったくりが多いから気をつけてと言われていた。警戒心剥き出しで会話がスタートしたが、なぜかこのおじさんは話せば話すほど、人の良さが見えて引き込まれる。

名前はトン。私たちが事前に調べていたようなエステや象のツアーを一通り紹介されたが、私たちのやりたいことを伝えると、それを全部詰め込んだオリジナルツアーを格安で作ってくれた。

インスタ映え間違いなしの可愛いパステルカラーの家々が残るオールドタウン、太陽の光を眩しすぎるほど反射させ輝く金色の寺院、トン御用達のタイ料理レストランなど、大満足のツアーだった。

トンは行程の途中で二回、最初の予定では決めていなかった場所で私たちを下車させた。タイの民俗雑貨や象が形取られた様々なお土産品が売られている場所と、ガラスケースにジュエリーが並べられ、スーツに身を包んだスタッフたちがうやうやしく接客をしている場所だった。

いわゆる外国人観光客向けのお店だった。きっとここに観光客を連れて来ることで、トンにいくらかマージンが入るのだろう。更に、下車する度にトンが待機してくれている場所を見失わないようにと、トゥクトゥクを止めた場所の写真を撮るようアドバイスを受けた。

確かに、知らない土地だから必要だな、と納得して写真を撮るのだったが、なぜか毎回トンも私たちの写真に写ってきた。毎回私たちの腰に手を回し、満面の笑みで。(笑)

トンの「せっかくやし」にのってあげた感は諸処で見られたが、結局私たちは翌日も同じようにパトンビーチでトンに遭遇し、オリジナルツアーをお願いするのだった。

最後の別れ際にトンが、サソリの絵が描かれた名刺を渡してきた。どうやら一応ツアー会社の社員だったようだ。トンは来年の7月にまたプーケットに来て、この名刺に書かれている電話番号に連絡してきて、と言った。理由を聞くと、彼の誕生日が7月だから祝って欲しいとのことだった。

異国の地で、こんなにも人間味溢れた出会いがあるのだろうか。どこまでも「せっかくやし」を見せられてきたが、私はまたパトンビーチでトンに会いたいと思う。

せっかくだから、ではなく、数年後となってしまったバースデーギフトを彼に渡すために。

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