ライター
ゆんたく フリーライター

日本とアジアを旅したあと、沖縄に移住。現在は、台湾在住です。アジアの路地裏から日本の離島の自然まで、好きなものを求めて旅しています。

スペイン・マドリードの南約400kmの位置にあるコルドバ。アンダルシア州を流れる河川グワダルキビール川の中流にあるコルドバは、イスラム教・キリスト教の文化がミクスチャーされた歴史遺産や魅力的なスポットが数多く残る街です。

今回はコルドバの基本情報と観光スポットについてご紹介します。

 

コルドバとは?

chocoさん(@choco_y_rose)がシェアした投稿 – 2017 8月 21 9:14午後 PDT

コルドバ(Córdoba)は、その昔、8~10世紀までイベリア半島を支配したイスラム王朝の都として栄えた街。

世界遺産に指定された「コルドバ歴史地区」、イスラム教とキリスト教のスタイルが混在する聖マリア大聖堂「メスキータ」、花で飾られた美しい住宅が建ち並ぶ「旧ユダヤ人街」など、こじんまりとした街の中に、壮大な歴史の流れを感じる観光スポットがぎゅっと詰まっています。

 

コルドバの歴史

古代ローマ時代にはローマ帝国の属州の首都として栄えていたコルドバ。5世紀には西ゴート王国に支配されたり、6世紀には東ローマ帝国の領土となったりと争いが絶えない場所でした。711年にイスラム勢力に征服され、756年に成立した「後(ほう)ウマイヤ朝」の首都となった後は「メスキータ(モスク)」を中心に、イスラム文化の都市として繁栄します。

その後「レコンキスタ」と呼ばれるキリスト教のイベリア半島の再征服運動により、イスラム勢力からのコルドバの奪回が成功。キリスト教は「メスキータ」の一部を壊しキリスト教の聖堂を建立したのでした。現在は、イスラムとキリスト教が混在した歴史的建造物が残る観光都市として知られています。

 

コルドバの代表的なグルメ

オックステールの煮込み

「オックステールの煮込み(Rabo de toro)」は、コルドバならではの名物料理。じっくりと煮込まれた牛テールは、ほろっとやわらかく、骨からにじみ出た旨味が染み込んでいます。現地では、フライドポテトが添えられて提供されます。

 

サルモレッホ

冷製トマトスープ「サルモレッホ(salmorejo)」は、コルドバを代表する料理のひとつ。「ガスパチョ」に比べるととろみが強く、トマトの酸味や旨味がしっかりと楽しめるのが特徴です。

 

フラメンキン

「フラメンキン(flamenquin)」は、豚のヒレ肉で、生ハムやゆで卵、赤ピーマンなどを巻き込んだロースカツです。カットした切り口がきれいな料理ですが、街中のバルでオーダーすると、丸ごと1本をそのまま提供されることが多いです。ワインのおつまみにおすすめですよ。

 

成田からのアクセス

成田からコルドバへは、直行便がありません。イベリア航空利用の場合、成田~マドリード間が14時間半。KLMオランダ航空・エールフランス・エミレーツ航空などを利用する場合は、ヨーロッパ内の都市で乗り継ぎ、マドリードへ飛ぶことになります。

飛行時間は、約15時間~23時間。マドリード到着後は、スペイン国鉄(RENFE)が運営する高速鉄道AVE(アベ)に乗り、コルドバまでは1時間40分の行程です。

 

コルドバの観光スポット

メスキータ

「メスキータ」は、8世紀の半ば頃コルドバを西方のメッカとして機能させるために建造された、世界最大のモスク(イスラム教の大伽藍)です。

建物を構成するアラビア文字や色とりどりのモザイクなどの造形が美しく、シリアのオメヤ様式、ゴシック、ルネッサンス、バロックなどの建築様式が混合した、世界でも稀有な建築物として知られています。

■詳細情報
・名称:メスキータ(Mezquita)
・住所:Calle Cardenal Herrero 1, Cordoba
・アクセス:鉄道 コルドバ(Cordoba)駅からバスで20分
・営業時間:【3~10月】10:00~19:00【11~2月】10:00~18:00、【日曜・祝日】8:30~11:30・15:00~18:00、【11~2月】8:30~18:00
・定休日:なし
・電話番号:(958)225226
・料金:大人 8ユーロ、 子供 4ユーロ
・公式サイトURL:www.mezquitadecordoba.org

 

アルカサル

イスラム統治時代に建てられた「アルカサル」。当初は要塞としての役目を持つ城でしたが、レコンキスタでコルドバを奪回したアルフォンソ11世が、14世紀に宮殿として改築。円柱の形に整えられた木が植えられた庭園が美しい観光スポットです。塔の上からの眺めは、おすすめですよ。

■詳細情報
・名称:アルカサル(Alcázar De Los Reyes Cristianos)
・住所:Calle Campo Santo de los Mártiles s/n, Cordoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩10分
・営業時間:9/16~6/15【月】8:30~20:30【火~金】8:30~20:45【土・日・祝日】8:30~20:00、6/16~9/15【月】8:30~20:30【火~土】8:30~20:00【日・祝日】8:30~20:00
・定休日:月曜、12/25、1/1、1/6
・電話番号:(957)420151
・料金:大人:4.5ユーロ、 14歳以下無料
・公式サイトURL:cultura.cordoba.es/es/equipamientos/alcazar-de-los-reyes-cristianos-1

 

旧ユダヤ人街

メスキータの周辺に広がる「旧ユダヤ人街」は、8世紀ごろに多くのユダヤ人が暮らしていた街。白い壁のかわいらしい家々が建ち並ぶ迷路は、散策におすすめ!古代ローマの属州だったころに造られたという中庭がある伝統様式の邸宅にも出会えますよ。

コルドバ一の撮影スポット「花の小径(Calleja de las Flores)」にも立ち寄ってみてください。

■詳細情報
・名称:旧ユダヤ人街(La Juderia)
・住所:Calle Judios, Cordoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩5分
・営業時間:9:30~14:00、15:30~17:30(日曜は9:30~13:30)
・定休日:月曜
・電話番号:(957)202928
・料金:大人:0.3ユーロ

 

コルドバ歴史地区

1984年に「メスキータ」が「コルドバのモスク」として世界遺産に登録。その後、1994年に「アルカサル」「旧ユダヤ人街」、周辺の家々、路地、広場などを含む広い範囲が「コルドバ歴史地区」として拡張登録されました。

日が暮れる頃にグアダルキビール川のほとりを散策すると、川面に映るコルドバの幻想的な街並みを眺めることができますよ。

■詳細情報
・名称:コルドバ歴史地区(Historic Centre of Cordoba)
・住所:Mosque of Córdoba 14003 Córdoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩
・公式サイトURL:http://english.turismodecordoba.org/index2.cfm

 

ヴィアナ宮殿

14世紀に、コルドバの貴族ビアナ侯爵の邸宅として建てられた「ヴィアナ宮殿」。現在は博物館として公開され、6,500平方メートルもの屋敷の内部を、ガイドさんの案内付きで見学することができます。

イスラム風やフランス風など、テーマ別に整えられた12の美しい中庭があることでも知られています。

■詳細情報
・名称:ヴィアナ宮殿(Palacio De Los Marqueses De Viana)
・住所:Plaza de Don Gome 2, Cordoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩20分
・営業時間:10:00~19:00【土・日・祝日】10:00~15:00【7・8月】9:00~15:00
・定休日:月曜、1/1、聖週間の金曜日、12/25、祝日
・電話番号:(957)496741
・料金:大人 8ユーロ(庭園のみは5ユーロ)
・公式サイトURL:www.palaciodeviana.com/

 

カラオーラの塔

12世紀の中ごろに建造されたといわれる「カラオーラの塔」は、要塞としての機能を持つ門でしたが、現在は歴史博物館として公開されています。塔の屋上は、メスキータやグアダルキビール川、王宮などが一望できる気持ちのいいビューポイントになっています。

■詳細情報
・名称:カラオーラの塔(Torre De La Calahorra)
・住所:Puente Romano s/n, Cordoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩5分
・営業時間:10:00~18:00【5月】10:00~20:30【6~9月】10:00~14:00、16:30~20:30
・定休日:なし
・電話番号:(957)293929
・料金:大人4.50ユーロ、 子供3ユーロ、 シニア3ユーロ
・公式サイトURL:www.torrecalahorra.com/

 

フリオ・ロメロ・デ・トーレス博物館

コルドバ出身の画家トーレスの作品を収蔵した「フリオ・ロメロ・デ・トーレス美術館」。褐色の肌と黒髪のアンダルシア美人をモチーフにした美人画のほかに、トーレスが使用していた家具などが展示されています。

■詳細情報
・名称:フリオ・ロメロ・デ・トーレス博物館(Museo Julio Romero De Torres)
・住所:Plaza del Potro 1, Cordoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩10分
・営業時間:8:30~20:45【土】8:30~~16:30【日】8:30~14:30
・定休日:月曜
・電話番号:(957)491909
・料金:大人 4.50ユーロ、 0歳~14歳 無料
・公式サイトURL:www.museojulioromero.org

 

ローマ橋(Puente romano de Cordoba)

紀元前1世紀、ローマ時代に築かれた「ローマ橋」は、グアダルキビール川にかかる橋のひとつ。全長247m、幅9mの橋は、争いや暴動の度に破壊されては再建された歴史を持ちます。のんびりと散策するのにぴったりのスポットですが、朝日が登る早朝やライトアップされる夜間の見学もいいですよ。

■詳細情報
・名称:ローマ橋(Puente romano de Cordoba)
・住所:Roman Bridge Old Town, Cordoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩
・営業時間:24時間
・定休日:なし

 

シナゴーグ

旧ユダヤ人街の中にある「シナゴーグ」は、アンダルシア地方に残る唯一の ユダヤ教寺院です。14世紀に建造されたこの寺院は、聖堂がひとつあるだけのシンプルな造り。当時の職人の手で壁に施された繊細で美しい透かし彫りを堪能できるスポットです。

■詳細情報
・名称:シナゴーグ(Sinagoga)
・住所:Calle de los Judios 20, Cordoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩
・営業時間:【火~土曜】 9:00~19:15【日曜】 9:00~15:15(夏季は変更の場合あり)
・定休日:月曜
・料金:0.3ユーロ

 

ポトロ広場

コルドバの旧市街にある「ポトロ広場」は、コルドバ市章のポトロ(仔馬)の像が置かれた噴水や、小説「ドン・キホーテ」に登場する宿屋「ポトロ」などがある市民の憩いの場。「フリオ・ロメロ・デ・トレース美術館」「コルドバ美術館」などに面しているので、美術館見学のあとに訪れてみてほしい場所です。

■詳細情報
・名称:ポトロ広場(plaza del potro)
・住所:Plaza del Potro, Córdoba
・アクセス:メスキータ(Mezquita)から徒歩
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ゆんたく フリーライター

日本とアジアを旅したあと、沖縄に移住。現在は、台湾在住です。アジアの路地裏から日本の離島の自然まで、好きなものを求めて旅しています。

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