タイ料理やベトナム料理でおなじみのパクチー。最近は、パクチーラーメンやチューブ入りのきざみパクチー、パクチーペースト、パクチーふりかけなど、パクチーを味わえる市販品をよく見かけますね。
パクチー好きにとってはうれしいことですが、やっぱりフレッシュなパクチーにまさるものはありません。今回は、種蒔きから収穫までのパクチーを自家栽培する方法をご紹介します。
パクチーって?
「コリアンダー」や「シャンツァイ(香菜)」となどと呼ばれることもある「パクチー」。一度食べたら好きになるか嫌いになるかはっきりと分かれるほどの、強い香りを持っています。タイやベトナムなどのアジア圏、中華圏、中南米を旅したことがある人にはおなじみかもしれません。
じつはこのパクチー、意外にも地中海東部原産で、ヨーロッッパでは、古くから薬用効果を認められ医療に用いられていました。
アジア圏や中華圏、中南米では、葉の部分をフレッシュなまま料理に加えて使うことが多く、インドでは種子を挽いてカレーに、ヨーロッパでは肉料理などの香り付けに使われているんですよ。
栄養効果や効能ってあるの?
パクチーには、老化防止に欠かせない抗酸化作用を持つβカロテンやビタミンE、カルシウムを骨に定着させるビタミンK、日常的に身体に入ってしまう水銀やアルミニウムなどの重金属を排出するデトックス効果などがあるのだそう。
パクチー好きの人は、栄養や効能よりもパクチーの個性を好んでいるように思います。あの香りや食感、食べた後の清涼感は、ほかのものでは代用できないですよね。
パクチーをもっと食べたい!
パクチー好きの中には、アジア料理店などでパクチー入りの料理を食べているとき「追いパクチーお願いします」と、心の中でつぶやいている人もいるのでは?
山盛りのパクチーがいただける専門店もあるけれど、自宅でも日常的にパクチーを使ってみたいという願望を持つ人は多いかも。
でも、市販のフレッシュなパクチーって意外とお高いんですよね。そんなときに思い浮かぶのが自家栽培。いったいどうすれば自宅でパクチーを育てられるのでしょう?
パクチーの育て方その1・キットを使ってプチ栽培
市販の「ペットボトル用栽培キット」は、ペットボトルのふたの部分にキットを取り付けて育てる最も簡単な栽培方法。室内置きOKで、時期を問わず簡単に始められるのがいいですよね。画像のパクチーで、1ヶ月程度経過しています。
パクチーの育て方その2・種から育てる
パクチーを種から育てる方法で大事なのは種を発芽させること。パクチーの種は、殻に覆われているためそのままだと発芽率が低いことも。種をプチッと押さえるようにして殻を破ると種がふたつに分かれるので、それを一晩水につけておきます。殻は捨ててしまってかまいません。
パクチーの種蒔きの時期
パクチーの種蒔きは、3月~6月の「春蒔き」と9月~11月「秋蒔き」のどちらか。「春蒔き」は、育ちが早く6月頃に花が咲いてしまい収穫できる期間が短くなります。そのためパクチーは「秋蒔き」がおすすめといわれています。
でも、パクチーを食べる機会が多いのは夏。パクチー好きにとっては「春蒔き」も魅力的ですよね。
パクチーの種の蒔き方
用意したプランターや鉢にハーブ専用土、または野菜専用培養土を入れ種を蒔いていきます。蒔き方は、5cmくらいの間隔をあけながら、4〜5粒ずつをまとめて置くように蒔いていきます。プランターなら軽く土に筋をつけておいてその溝に蒔くようにします。
パクチーの育て方
いつ芽が出てくるのかなあというのは、種を蒔いたあとの楽しみ。発芽には2週間ぐらいかかるということを覚えておきましょう。水やりは、やりすぎないように気をつけながら、土が湿っている状態をキープするようにします。
パクチーの生育に適した温度は18~25℃ぐらいなので、季節によって日当たりのいい場所に置いたり、真夏は日陰に置いたりと調節することも大切です。
葉っぱが茂ってきたら、根もとが1cmくらいの間隔になるように間引きをします。さらに成長し20cm程度まで育ったら15cmくらいの間隔を目安に間引きしていきます。間引きを怠ると、パクチーの茎同士がからまり育ちにくくなってしまいます。
パクチー栽培の虫対策
パクチー栽培の虫対策として有効なのが、炭焼きなどの副産物としてできる「木酢液」。パクチーにつきやすいアブラムシ対策には「木酢液」を200~500倍にしてスプレーします。
パクチーの収穫の仕方
葉が20cm程度になったら、根元から引き抜いてもOKですが、しばらくの間収穫を楽しみたい場合は、真ん中の新しい葉を残し外葉から収穫していきます。春に蒔いたものを花を咲かせるまで育てて種をとり、その種を秋に蒔くというサイクルもおすすめです。