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2015年、東ヨーロッパ・コーカサスにある「グルジア」から「ジョージア」に国名が変わりました。今年に入りオランダが「オランダは正式国名ではない」という宣言をしました。
今回はヨーロッパで気をつけたい国名と首都名を紹介します。
これからはオランダは「オランダ」でない?
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2020年1月1日、オランダは国名の通称であった「ホラント(Holland)」の使用を廃止しました。これからの正式通称は英語読みである「ザ・ネザーランズ(Netherlands)」になります。
国名の通称を変更する理由としてはオランダのブランディング活動が挙げられます。「ホラント」は広告媒体から姿を消し、「ザ・ネザーランズ」の使用が政府機関や企業に求められるということです。
もともと「ザ・ネザーランズ」も「ホラント」もオランダを指していました。しかし、正式には「ホラント」はオランダ12州のうち、2州(北ホラント州・南ホラント州)を指し示す言葉に過ぎません。
一方、報道によると在日オランダ大使館は日本国内では「オランダ」という名称が定着していることから、引き続き利用されるとのことです。
なお、オランダ政府観光局日本支局は旅行者数重視からオランダ国内の地域にもたらす恩恵を重視する方針の変更により、3月末を持って廃止されます。オランダ政府観光局の日本語ページは支局廃止後も存続するのでご安心を。
ウクライナの首都は「キエフ」それとも「キーウ」?
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国内で出版されている地図帳ではウクライナの首都は「キエフ」となっています。しかし、ヨーロッパでは「Kiev(キエフ)」から「Kyiv(キーウ)」に変わっています。
キエフに住むウクライナ人の友人も「Kiev」から「Kyiv」と書くようになりました。なぜ、首都名の呼び方がが「キエフ」から「キーウ」に変更されているのでしょうか。
背景にはウクライナとロシアとの対立があります。実は「キエフ」はロシア語読み、「キーウ」はウクライナ語読みです。1991年、ウクライナがソ連から独立すると、ウクライナ語読みである「キーウ」を正式な名称としました。しかし、世界では慣れ親しんできたロシア語読みの「キエフ」が使われてきました。
流れが変わったのはロシアがクリミア半島を不法占領したあたりから。ヨーロッパの空港では次々に「Kiev」から「Kviv」に変わり、案内放送も綴りに合わせたものになっています。
一方、在日ウクライナ大使館が昨年7月にキエフの日本語読みを「クィイヴ」にすると発表しましたが、国内では定着していないようです。今後、どのように変わるのでしょうか。