ライター
吉川 大智 ソムリエライター

世界40ヶ国200都市の酒場とワイナリーを旅した元バーテンダー。 ワインバーのマネージャーを経て、現在多数のメディアにてコラムやエッセイを執筆するライターとして活動中。JSA認定ソムリエ。 日光浴と散歩が生きがい。

こんにちは。「旅×酒」をテーマに、美味しいお酒を求めて40ヶ国200都市を巡った吉川大智です。今回わたしがオススメする国第2弾は、キューバです。

50年代のクラシックカーが走る、カリブ海に浮かぶ陽気な国、キューバ。実はここ、あるお酒が誕生した場所で、キューバで生まれたカクテルが今や世界中で楽しまれています。


今回は元バーテンダーのわたしが、キューバのハバナで行くべきバーと飲むべきカクテルをご紹介していきます。

ハバナで生まれたカクテル「モヒート」「ダイキリ」とは?

キューバで生まれたカクテルは「モヒート」と「ダイキリ」。どちらもラムをベースにしたさっぱり爽快な飲み口が特徴です。

モヒートは、ホワイトラムをベースにライムとミント、砂糖をたっぷり入れて炭酸で割ったカクテル。日本でも夏の定番になりつつあるカクテルです。


また、ダイキリは、ホワイトラムをベースにライム果汁を入れたシンプルなショートカクテル。スタンダードレシピはホワイトラム45mlにライム果汁15mlをシェイク。(バーによって量や比率が違います。)

本場のハバナのバーではフローズンスタイルで出てくることも。ドライな辛口に仕上げる場合が多いですが、これも地域やお店のコンセプトによって変わります。

キューバではシロップを多めに入れているので割と甘めな飲み口に仕上がっています。どちらも世界中で親しまれているトラディショナルなカクテルです。

1軒目、モヒート発祥のバーへ潜入

ハバナの旧市街、オビスポ通り沿いを歩いていくと一際にぎわっているお店を発見。ここがモヒート発祥の伝統的なバー、「ラ・ボデギータ」です。

開店直後に行ったのですが、すでにたくさんの観光客で道が封鎖状態でした。

早速席についてモヒートを注文。ハバナの銘酒、「ハバナクラブ3年」のラムを使用して、ミントと砂糖をざっと入れてペストルでつぶしています。

日本のバーテンダーはここらへんはかなり慎重にやるのですが、さすがキューバ、かなりアバウトな手つきです。

いざ飲んでみると、まずはその濃さに驚き。ホワイトラムと炭酸が大体1:1位の割合で入っていました。(通常は1:3くらい)そして、砂糖が大量に残っていて、シャリシャリと口の中に残ります。最初は「ん?」と思いましたが、これがまた不思議とおいしい。

肉厚でフレッシュなミントと、溶け切らないシャリシャリの砂糖を一緒に噛んでいるとなんとも言えない幸福感。よく晴れた天候で暑い日には、ミントの爽快さと砂糖の甘さ、炭酸のフレッシュ感が相まってとても満たされた気分になりました。

会計して外に出ると、さらに多くの行列ができていました。かたやまだ飲んでいた隣のお客さんはお店の前でモヒートを片手にサルサを踊っていました。

行列に並んでいた人達も手拍子で盛り上げていて、ラテン系の人は陽気だな〜と実感。

■詳細情報
・名称:La Bodeguita del Medio / ラ ボデギータ デル メディオ
・住所:Empedrado, La Habana, Cuba
・地図:

2軒目、ダイキリ発祥のバーへ潜入


お次はダイキリの名店、「フロリディータ」へ。こちらも旧市街、ラ・ボデギータから歩いて5分ほどのところにあります。こちらの店はお料理もいろいろと出していて、ラテンミュージックの生演奏を聞きながらお酒を楽しめる、とてもにぎやかな場所でした。

ちなみにフロリディータは「老人と海」などで知られている世界的文豪「ヘミングウェイ」が足繁く通っていたバーとしても有名です。

そんなエピソードもあってか、こちらも大盛況。30分ほど行列に並んで、やっと入店できました。バーカウンターの端っこに移動して、バーテンダーの動きを観察。


大きなミキサーに氷を入れてフローズンスタイルででてくるダイキリは、爽やかなライムの味とコクのあるラムの味わいが特徴的で、これがもう何杯でもイケるんです。

肩をくっつけるようにしてバーカウンターにひしめき合うお客さん達を見ると、皆一様にフローズンダイキリを飲んでいました。

燦燦と照る太陽と、陽気なキューバンミュージックが流れるハバナでは、モヒートとダイキリはピッタリのカクテルです。

■詳細情報
・名称:フロリディータ bar Floridita
・住所:Obispo, La Habana, キューバ
・地図:

3軒目、キューバのラム「ハバナクラブ」の博物館へ

キューバ生まれのラム「ハバナクラブ」は、今や世界中に出荷されていて、人気のラムです。ハバナの中心地から歩いていけるハバナクラブの博物館は、ラム好き必見!

館内ではラムの製造方法やハバナクラブの歴史を学ぶことができます。そしてもちろん、試飲もできちゃいます!

こちらはハバナクラブの7年。ほのかにカラメルのアロマが香ります。エレガントな甘みを感じて、マイルドな口当たりなのでアルコール感を強く感じません。

これはカクテルにするのはもったいないので、是非ともロックやストレートでゆっくりといただきたいところ。


高級ラインのハバナクラブもたくさん売られていて、ひとつひとつ丁寧に説明してくれました。こちらも試飲できますかと聞いたら、とてもいい笑顔で「NO!」と言われました。流石にダメみたいです。

いまや世界中に輸出しているハバナクラブですが、ここハバナでしか手に入らないプラミアムなラムもおいてあったので、ラムマニアの方には是非行っていただきたい場所です。

■詳細情報
・名称:ハバナクラブ博物館 Museo del Ron Havana Club
・住所:La Habana Cuba
・地図:

伝統的なカクテルを飲み比べしよう


キューバに行ったらぜひ、ラムベースのトラディショナルカクテル「モヒート」と「ダイキリ」を飲みにハバナの旧市街を散策してみましょう。

ラ・ボデギータとフロリディータ以外にも多くのバーが点在しているので、お店ごとに飲み比べをしてみるのもオススメです。

All photos by daichi yoshikawa

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吉川 大智 ソムリエライター

世界40ヶ国200都市の酒場とワイナリーを旅した元バーテンダー。 ワインバーのマネージャーを経て、現在多数のメディアにてコラムやエッセイを執筆するライターとして活動中。JSA認定ソムリエ。 日光浴と散歩が生きがい。

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