英語を英語らしく発音するには、どうしたらいいの?
今回は、’l’・’r’のような、音素単体で発音が難しい音以外で、盲点になっている音をとりあげ、自然な英語の発音に近づけるために気をつけるべきポイントをお伝えします。
*編集部追記
2016年1月公開の記事に、新たに4項目を追加しました。
発音練習をする際のアドバイス
まず、正しく発音できない音は正しくリスニングできません。最初は日本語にはない英語特有の音から始めましょう。例えば「R」、「L」、「V」、「TH」のような音です。
コツは発音をメインとした教材を使って練習すること。英語らしい音がきちんと身につくまで何回も練習してください。正しい英語の発音が身につくことができれば、リスニング力も大幅にアップするでしょう。
おすすめの勉強法
最初は口腔断面図が載っている教材を使って練習しましょう。イラストがあればマネもしやすいはず。納得するまで何回も繰り返すのがコツです。
舌の位置もさることながら、歯の位置にも注目したいところ。地道な練習ですが、英語力は必ずアップします。
まず、英語と日本語の違いを知ろう
photo by pixabay
私たちが日本語で使っている仮名は、「子音と母音がすでにセットとしてまとまっている表記」なので、一つずつの音素の単位を普段あまり意識して使わないと思います。対して、英語では、もっと小さい音の単位「音素」で成り立っており、子音・母音の区別がはっきりしています。
このため、日本人の英語では、よく単語の最後に顕著ですが、必要のない母音が混ざってしまうことがあるのです。英語の辞書では、[Phonemic Chart](音素記号)を使って発音が表記されています。しっかりひとつひとつの音素を意識して発音するようにしましょう。
《子音編》比較
photo by pixabay
⑴ /s/・/sh/
前者は「スィ」、後者は「しー」(子どもに静かにさせる時の音)のような発音になります。sea, see, vitamin c, she・・・ひとつだけ発音が違います。(答→’she’ですね)動詞「座る」’sit’は誰でも知っていますが、きちんと「スィ」を区別して発音しないと、とんでもない意味に聞こえてしまうことに!
⑵ /s/ ・/th/ (無声音) + /z/ ・/th/ (有声音)
中学の時、「’th’の発音」として、英語独特の音として最初のうちに紹介されるものの代表格ですね。
これについては、意識的に舌の位置を教えられるため、音単体の認識としては、日本人は出来ている人が多いように思います。
ただ、’the’・’that’のように有声音になった場合は、「ザ」と表記される和製英語の影響か、発音が/z/寄りになってしまうようです。ネイティブの場合でも、小さな子どもの場合、’d’の音のように聞こえることもありますが、実際、有声音の’th’は、/d/のほうが近いようです。
photo by pixabay
⑶ /h/・/f/
‘h’はのどの奥から息を吐くような音、’f’は下唇を噛む。どちらも、意識的して音素単体で発音すれば、難しく感じないものですが、文章の中で発音している時は、混同されていることが多いようです。
‘food’と’hood’など、口の形を確認してみましょう。
⑷ /b/・/v/
こちらも、日本語ではどちらも同じようにカタカナ英語で話しているせいか、音素単体では、意識すれば区別は難しくないものの、話す時は、’b’ー破裂音・’v’ー上の歯で下唇を噛む、を少し大げさなくらい心がけましょう。
《母音編》比較
photo by pakutaso
⑸ /ou/・/ɔː/
/ou/は、二重母音と呼ばれる、日本語にはないものです(イギリス英語では、/əʊ/)。「オウ」のように二つの母音のセットを一拍の中にいれます。
【例】
●カタカナ英語「ホース」→’hose’/hoʊz/ (庭や車の洗浄用)’horse’/hɔː(r)s/(馬)
●カタカナ英語「ソープ」→’soap’/soʊp/
⑹ /ɜ:/・/a:/
日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の五つだけで、非常に少ないのに対し、英語では、母音だけで16とも20とも言われています。
このため、私たちの耳では「あ」としか捉えられない音には、実は/ə/・/æ/・/ʌ/の3種類、「アー」と伸ばす音では、/ɜ:/・/a:/が存在します。/ɜ:/は口は横に緩くあける音、/a:/は縦に大きくあける音です。
’heart’ /a:/ と’hurt’ /ɜ:/など、日頃から口の形に注意して発音していきましょう。