ライター
Jyaiko カタール在住/約100ヵ国渡航

横浜生まれ中東育ち。現在はカタール在住。今まで住んだことのある国はエジプト、アメリカ、カタール。人生の約半分は海外暮らし。高所恐怖症で飛行機も苦手なのに、旅がしたくてなぜか客室乗務員として空の上で働いている。現在行ったことのある国は約100ヵ国。興味あることは国際協力とモアイとラーメン。

こんにちは。突然ですがムルシ族ってご存知ですか?

ムルシ族とはエチオピアに住む唇にお皿をはめた少数民族です。はじめて彼らの写真を見たときにものすごく衝撃を受け、私はどうしても彼らに直接会ってみたくて、エチオピアに行ってみました。

すると、想像以上に独創的なムルシ族のみなさんに会うことができたので、衝撃的な写真と共にムルシ族の魅力についてご紹介したいと思います。

そもそもなぜお皿はめるようになったの?それには悲しい歴史が。

photo by Shoko_Jyaiko

なぜムルシ族は唇にお皿をはめる習慣ができたのか気になりますよね。しかし、お皿をはめているのは女性のみ。その起源を遡ると、19世紀頃アフリカで行われていた奴隷制度。

当時、美しい女性や子どもを産むことができる若い女性は重宝され、奴隷として売買されやすかったと言います。そこでムルシ族の女性は下唇にお皿をはめて、自分を醜く見せて奴隷としてさらわれることを避けていたとのことです。

photo by Shoko_Jyaiko 私が買ったテヴィニア。

唇にはめるために土で作られたお皿は、デヴィニアと呼ばれています。私もムルシ族の村でこのお皿を買うことができましたが、結構重たい…。ムルシ族の女性は15歳前後からこのデヴィニアを着け始めます。

初めは小さなサイズから着け始めて、だんだんと大きなサイズに変えていくそう。今では大きなお皿をはめている女性ほど美しいとされています。それによって結婚時の結納に交わされる、牛の数も増えるようです。

 

ちなみにムルシ族の現在の人口は約5000人。その中でもお皿をはめている女性は500人程度とのこと。更に近年ではエチオピア政府がこの習慣を禁止したらしく、さらにその人数は減ってきてしまっているようです。

photo by Shutterstock

ちなみにムルシ族のその他の特徴として、体にある傷が挙げられます。これはケロイドの一種で、彼らにとってはオシャレの一部。自ら体に傷をつけてわざとこのようにしているとのことです。

 

それではムルシ族のファッションショー、スタート!

私がムルシ村で出会ったかなり独創的なムルシ族の皆さんを紹介します!

photo by Shoko_Jyaiko

貝殻ママ。赤ちゃんを抱っこしながらどうやって頭の貝殻を落とさずにいられるのか不思議です!

photo by Shoko_Jyaiko

小高い丘に立ってポーズをして「写真撮って」とアピールしてくるスレンダーな女子。

photo by Shoko_Jyaiko

黄色い実の飾りがとてもかわいい、お揃いコーディネートをしている親子。

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まだ小さい子どもなのにとてもオシャレ!

photo by Shoko_Jyaiko

緑の布がとても似合っている子ども。この子はなんと耳にお皿が!!

photo by Shoko_Jyaiko

オシャレなおばあちゃん。唇からお皿を取るとこんな感じでダラーンとなっています。

photo by Shoko_Jyaiko

左のボブ風な角ヘアをした女性も、真ん中の方のカラフルな髪の毛の女性もいいですよね!

photo by Shoko_Jyaiko

みんな違ってみんないい。

photo by Shoko_Jyaiko

後ろの角を頭に乗せている方のインパクトがなんとも強烈です!

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パンの作り方を見せてくれました。

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こういった器で飲み物を飲むようです。

photo by Shoko_Jyaiko

おばあちゃんが「カメラはここだよ」と指さして教えてくれている写真。

ムルシ族のみなさん、とてもユニークな写真撮影に協力して下さりありがとうございました!

 

道中で会った衝撃的な他の民族

ムルシ村へ向かう道中は未舗装のガタゴト道をひたすら直進していきます。その道中で、ムルシ族以外でとても興味深い装いをしている民族に出会ったので紹介します。

ちなみにエチオピアには全土で約80の民族が暮らしているそう!

photo by Shoko_Jyaiko

竹馬に乗る民族、カロ族の子ども。体中にとても面白いペイントをしています。そしてとてもスリムで長身!竹馬をうまく乗りこなしていました。

photo by Shoko_Jyaiko

なぜか追いかけてきて正直ちょっと怖くなりました……。

photo by Shoko_Jyaiko

これはハマル族の女性。写真では少し分かりにくいかもしれませんが、彼女たちは赤土にバターのようなものを混ぜたものを髪の毛につけて固め、ボブにしています。

photo by Shoko_Jyaiko

ハマル族の女性のその他の特徴は、動物の革で作った長いスカートをはいています。

photo by Shoko_Jyaiko

こちらはバンナ族の男性。彼らはビーズで作ったアクセサリーを身につけているのが特徴です。とてもオシャレですよね。

photo by Shoko_Jyaiko

少数民族の写真ではありませんが、アルバミンチで見かけた巨大な藁を運ぶ男性。どうやってバランスをとっているか不思議ですよね!

このようにこの旅では道中のいたるところで今まで見たことのないような、大変興味深い人々に出会うことができました。訪れる前は、てっきりムルシ族しか見れないかなと思っていたので、こんなにも他の少数民族の方々を見ることができて大満足でした。

ライター
Jyaiko カタール在住/約100ヵ国渡航

横浜生まれ中東育ち。現在はカタール在住。今まで住んだことのある国はエジプト、アメリカ、カタール。人生の約半分は海外暮らし。高所恐怖症で飛行機も苦手なのに、旅がしたくてなぜか客室乗務員として空の上で働いている。現在行ったことのある国は約100ヵ国。興味あることは国際協力とモアイとラーメン。

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