今回はヨーロッパの鉄道を自由に旅することができる「ユーレイルパス」を紹介します。一言で「ユーレイルパス」と言っても、種類があります。また、通常の切符と異なるルールもたくさん。
この記事を読んで「ユーレイルパス」の基本的な使い方をチェックしましょう。
*編集部追記
2018年6月に公開した記事に新たに加筆しました。(2019/01/10)
ユーレイルワンカントリーパスとユーレイルグローバルパスの違い
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似たような名前で混乱するかもしれません。「ユーレイルパス」は「ユーレイルワンカントリーパス」と「ユーレイルグローバルパス」の大きく2つに分かれます。
ユーレイルワンカントリーパス
「ユーレイルワンカントリーパス」は、1カ国または1地域を自由に鉄道で回れる切符。ユーレイルフランスパスやユーレイルイタリアパスなどがこれに当たります。ユーレイルスカンジナビアパス(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)やユーレイルベネルクスパス(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)など、1地域でもワンカントリーパス扱いになるパスもあります。
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ユーレイルグローバルパス
「ユーレイルグローバルパス」は文字通り、ヨーロッパ31カ国を自由に旅することができます。ヨーロッパを鉄道で自由に周遊したい方は「ユーレイルグローバルパス」がオススメです。
さらに、「ユーレイルグローバルパス」では連続使用できるタイプと有効期限内に使用日を選ぶタイプ(例 有効期限1ヶ月で、使用できる日数は10日)「フレキシータイプ」があります。ちょっと、ややこしくなったので図にすると以下のようになります。
└ユーレイルワンカントリーパス
└ユーレイルグローバルパス・ユーレイルグローバルパス
└連続タイプ
└フレキシータイプ
適用国数は全部で31ヶ国!ヨーロッパを周遊するならどのユーレイルパス?
ユーレイルパスが使える国は、イタリア・ギリシャ・トルコ・スペインなど全部で31ヶ国。どこの国にどれだけ行くかにもよりますが、ドイツやフランス、イギリスに関しては、国の中で列車が乗り放題になるパスもあるので、チェックしてみてくださいね。
一カ国1〜2都市程度なら、ユーレイルパスでOK。ユーレイルグローバルパス連続タイプは移動が比較的多く、たくさんの国に行く人向けです。
一方ユーレイルグローバルパス フレキシータイプは一ヶ月の間に何度乗るかが決められているタイプのチケットです。あらかじめ行き先が決まっているという方は値段がぐっと抑えられるので、フレキシータイプがおすすめ。回数以上に列車に乗ることになったら、一回ずつ駅で買うこともできるので、上手に利用しましょう。
ユーレイルグローバルパス 連続タイプの種類
・連続15日
・連続22日
・連続一ヶ月
・連続二ヶ月
・連続三ヶ月
ユーレイルグローバルパス フレキシータイプの種類
・一ヶ月の中で3日
・一ヶ月の中で5日
・一ヶ月の中で7日
・二ヶ月の中で10日
・二ヶ月の中で15日
ユーレイルパスで受けられる特典
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「ユーレイルパス」は列車に乗車できる以外にも、さまざまな特典があります。たとえば、沿線にあるホテル、博物館、美術館が無料もしくは割引価格で入場できます。
また、私鉄や船舶に乗船できる特典もあります。「ユーレイルパス」のホームページには特典に関する詳しい情報が掲載されているので、チェックしてみましょう。
ユーレイルパスのメリット・デメリット
Photo by 新田浩之
チケットが一つあれば一回一回チケットを買うことなく移動ができるユーレイルパス。ヨーロッパ周遊には持っておいて損はありませんが、パスのメリット・デメリットをご紹介します。
ユーレイルパスのメリット
「ユーレイルパス」の一番のメリットは切符を購入する手間が省けることです。ヨーロッパにおいて、切符を購入するのは面倒なもの。駅で並ぶことはもちろん、オンラインであっても時間を取られます。「ユーレイルパス」があれば、自分のタイミングで好きなように列車に乗れます。これは当たり前のようで、とても助かるメリットです。
ユーレイルパスのデメリット
デメリットは決して安くないこと。また、列車旅でないと元がとれないことです。「ユーレイルパス」を購入したら、少なくとも遠距離移動は「鉄道」と決めましょう。自由奔放な旅が好きな方は「ユーレイルパス」は向かないかもしれません。
「ユーレイルパス」でも無料で乗れない列車がある?
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「ユーレイルパス」を持っていると、大半の列車は無料で乗ることができます。しかし、一部の列車では追加料金が必要。例えば、フランスの高速列車「TGV」では「ユーレイルパス」専用の割引価格が適用されます。また、予約必須の列車では座席指定料金が必要です。
同じく有名なロンドン〜パリ〜ブリュッセルを走るユーロスターもユーレイルパスだけでは乗車することができません。ユーロスターは早く座席が埋まってしまうこと、早く予約をすると割引が効くので、ぜひ早めに予約をしてみてください。
追加料金が必要な列車は、予約必須の高速列車に多いです。高速列車に乗る際は十分にご注意ください。
ユーレイルパスの「バリデーション」を忘れずに!
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「ユーレイルパスを入手した!さあ、乗ろう!」…いやいや、ちょっと待ってください!「バリデーション」は済ませましたか? 「ユーレイルパス」では列車を利用する前に「バリデーション」をしなければなりません。
「バリデーション」は駅の窓口で使用開始日、使用終了日、パスポート番号を係員に書いてもらい、バリデーションスタンプを押してもらうことをいいます。「バリデーション」をして始めて「ユーレイルパス」が有効になります。
ユーレイルパスの裏側にあるトラベルダイアリーに注意が必要
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「ユーレイルパス」で見落としがちなのが「トラベルダイアリー」。「トラベルダイアリー」とはチケットの裏面に列車情報を書き込むことを指します。乗車日と乗車する列車情報(発車時間、乗車駅、降車駅)をボールペンで記入しなければなりません。
ポイントは必ずボールペンで記入すること!鉛筆は一切不可なのでご注意ください。記入しなかった場合、最悪のケースでは罰金、少なくとも車掌に怒られます(体験済)
ユーレイルパスで寝台列車に乗ろう
ユーレイルパスでは寝台列車のチケットも割引で購入することができます。短い距離であればバスやLCCでも良いですが、一泊分の宿泊費が浮き、起きてすぐ観光ができる寝台列車は、旅人なら乗りこなしたい!あのガタンゴトンと言いながら進んでいく音に耳を済ませながら、眠りにつくのは貴重な経験。
綺麗好き女子でも2等や1等などそこまで高くない値段で購入できるのがメリットです。ぜひ寝台列車で都市間移動をしましょう!
ユーレイルパスで回るヨーロッパの旅は最高!
いろいろと書きましたが、便利な切符であることは間違いないです。また「ユーレイルパス」を持っているとバスや博物館の料金が割引になるケースがあります。西ヨーロッパを鉄道で周遊したい方は「ユーレイルパス」を検討してみましょう。
なお「ユーレイルパス」のホームページはこちら。
ライター:桃(適用国数は全部で31ヶ国!ヨーロッパを周遊するならどのユーレイルパス?、ユーレイルパスで寝台列車に乗ろう)