12月に入ると新年を迎える準備が忙しくなりますね。各地で開かれる「なんとか市」と言われるものも、伝統的に続いている歳迎えの行事の1つです。また、クリスマスもすっかり日本に根付いて、あちらこちらで聖歌隊にあったり、サンタクロースが走り回っていたりします。
様々な行事の中から、これこそ見ておきたいというものを御紹介します。
鎮魂の光 神戸ルミナリエ
「神戸ルミナリエ」は、12月4日から中旬まで神戸市内の旧外国人居留地から東遊園地にかけて作られる光の芸術です。
1995年に起こった阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂のためにイタリアの協力を得てはじめられた一種の送り火ですが、最近は神戸の冬の風物詩になっています。
東遊園地ではスパリエーラと呼ばれる光の壁が遊園地を取り囲むように建てられ、旧居留地内の仲町通にはガレリアと呼ばれるアーチ状の電飾が東遊園地へ導くように作られます。
400年の歴史 ボロ市
世田谷ボロ市は、12月15日と16日に、世田谷駅、上町駅から近いボロ市通りで行われる400年以上の伝統を持つ行事です。始まったころは古着や古い農機具などを持ち寄って市をたてたことから「ぼろ市」という名前がついたようです。
今では、骨董品、古本や中古ゲームソフト、歳末ということもあり神棚を売る店も出ています。また、代官屋敷の近くで売られている「代官餅」はここでしか食べられないと行列ができるほどの人気です。
江戸の粋な風習の羽子板市
浅草の観音様の御縁日は18日です。特に12月は「納めの観音」と呼ばれ参拝客も多く、その人々に対して正月用品を売る「歳の市」が盛んでした。その伝統を受けて羽子板を売るのが羽子板市です。
羽子板は、苦労を打ち返すなどの縁起物として女の子の生まれた家に贈る風習があり、そこから正月の縁起物になっていきました。